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カテゴリ:税理士の仕事
税理士法改正に関する意見書(案)が7月15日「税理士界」に掲載されています。
この意見書は4月21日現在 これまでの検討経過をまとめたもので、日税連において機関決定されたものではありません。 その改正の方向性については、申告納税制度の理念にそって、税理士は、我が国の唯一の税務に関する専門家として位置付けられています。 1.税理士の業務に関する規定 (1)電子申告等の送信業務 ・ 電子申告等の電磁的記録の送信業務も、法第2条第1項に掲げる「税理士業務」のうち「税務代理」に含める。 (2)補助税理士制度のあり方 ・ 現行の「補助税理士」の呼称を「所属税理士」に変更する。 ・ 他の税理士等の補助者として従事しながらも、一方で、「開業税理士」として他人の求めに応じて自己の税理士の業務も行うことができるようにする。 (3)法第30 条の税務代理権限証書の提出を前提とした書面添付制度・意見聴取制度 ・ 法第33 条の2第1項の書面添付制度について、第30 条の税務代理権限証書の提出を前提条件とする。 ・ 書面添付制度の実効性を担保するため、第35 条第4項を削除するとともに、税務調査の法的性質について、税務官公署職員の質問検査権との関係を明確化するものとする。 (4)事務所の設置基準の見直し ・税理士が設けようとする事務所の設置場所を、当該税理士の住所から合理的な時間の範囲内で通うことができる場所に限定する。 (5)報酬のある公職に就いた場合の税理士業務の停止規定の見直し ・ 税理士が報酬のある公職に就いた場合でも、税理士業務の停止をしないこととする。 ・ 税理士業務の停止をする場合は、その公職に兼業禁止規定がある場合のみとする。 ・ 法第24 条(登録拒否事由)、第51 条第2項(通知弁護士の適用除外)との整理を行う。 2.税理士の資格取得に関する規定 (1)税理士の資格 ・ 税理士となる資格を有する者は、税理士試験に合格した者を原則とする。 ・ 弁護士・公認会計士(以下「隣接職種」という。)に対しては、能力担保措置として、弁護士は会計学に属する科目に、公認会計士は税法(法人税・所得税)に属する科目に合格することを原則とする。 (2)実務修習制度の創設 ・ 実務修習制度を創設する。 (3)受験資格要件の廃止 ・ 受験資格は削除する。このことにより、受験生の大幅な増加が予想されるので、その対応策については検討する必要がある。 (4)試験科目の整理 ・ 税理士試験制度は、その位置付けを申告納税制度との関連を明確にして、その対象試験科目を見直し、実質的な資質向上を目指すこととすべきである。 酒税法と固定資産税が 外されました。 3.税理士の信頼性の確保に関する規定 (1)研修受講の義務化 ・ 研修の受講を原則として義務化する。 (2)税務支援のうち税務援助への従事義務 ・ 税務援助への従事を原則として義務化する。 (3)税理士証票の更新義務 ・ 証票の更新制度を創設する。 ・ 更新要件は、研修の受講、税務援助への従事、会費の完納、税理士職業賠償責任保険への加入等とする。 (4)税理士職業賠償責任保険への加入義務 ・ 開業税理士及び税理士法人のすべてを被保険者とする税理士職業賠償責任保険への加入義務化規定を創設する。 4.その他の規定 (1)会費滞納者に対する処分の明確化 ・法第25条の登録取り消し事由に2年間以上の会費滞納者を追加する。 平成13年度に税理士法が改正されてから10年が経過し、税理士法施行から60年の節目の年、ネット環境等の劇的変化に対応するため税理士法改正に取り組んでいます。 また 隣接専門資格者(弁護士・公認会計士等)の参入ハードルを高くしています。 私たちは税務に関する専門家(独占業務)として、電子申告、書面添付、研修、税務支援等が求められる改正案となっています。 安西節雄 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.07.25 08:53:42
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