一生忘れない日~一生忘れない日~病院に行く日当日、うちらが起きると義姉が台所にいました。 義姉はいつも7時には仕事に行くため家を出るのですが、『あなた達だけでは行かせられない。もし嫌じゃなければ私も一緒に行かせて欲しい』と言ってくれました。 カナダに家族のいない私はこの姉に本当に何度も助けてもらいました。 この人がいなかったら私達は本当に乗り越えられなかったかもしれない。 もし乗り越えられたとしてもきっともっともっと辛かっただろう。 病院へ着くと、個室に呼ばれ、Social workerとGenetic Doctorとこの前取った羊水から何が分かったか説明されました。 遺伝子は全てノーマル・・・。 何も悪いところは発見されませんでした。 先生はその後も説明を続け、もしこのまま妊娠を続けたら赤ちゃんはどうなるのか、母体への負担など色々説明してくれました。 私達はもう覚悟は決めていたし、先生からの言葉は私達の決心を揺るぎないものにして下さいました。 その後、他の個室に回され待っていると、超音波検査をした時の先生がカーとに乗せ注射器やら色々持って入って来ました。 そう、そのカートに乗せられた注射器でお腹から赤ちゃんの心臓へ注射して心臓を停止させるんです。 その時部屋にいたのは先生二人、ダーリン、義姉、私の5人でした。 電気の照明がおとされた暗い部屋。。。 お腹にオレンジ色の消毒液をたくさん塗られ、超音波で赤ちゃんの位置を確認。 画面に写し出されるのは可愛い可愛い誰よりも愛しい間違いなく私の赤ちゃん。 私はその画面を見て大泣きしてしまいました。 先生に『落ち着いて!!泣いてたら注射が出来ないじゃない』と怒られました。 泣くなって言ったって涙なんて自然に出てくるし、怒られる筋合いなんてないと先生をにらみつけました。 ダーリンももうどうしていいか分からず診察台に横になっている私の手を握りしめて、抱きしめてくれてました。 『分かってる、分かってるから。』と何度も言ってました。 先生に『少し痛いけど頑張って』と言われ私はダーリンを見つめました。 お腹にチクッとくる痛み・・・赤ちゃんはもしかしたらもっと痛いのかもしれない、私が頑張らないと、この赤ちゃんと一緒に頑張らないと。。。 その注射がとても長い時間やってたように感じました。 注射を抜く時にもくる痛み。。。 でもこれで終わったんだ・・・。 これで赤ちゃんの心臓止まるんだ・・・。 こんな注射一本で私の可愛い赤ちゃんの命を左右することが出来ちゃうんだ。。。 先生は注射の後、『良く頑張ったわね。本当に残念だけど、赤ちゃんにとってこれで良かったのよ・・・』と言ってくださいました。 先生もプロなのでさっきはあんなこと言うしかなかったんだろうな、とその時感じました。 つづく |