セレンディピティ
2月29日、閏日である。東京にはめずらしいほど雪が積もった。特別な日に特別な空。 望まずして貴重なものを思いがけず手にする能力をセレンディピティという。ノーベル化学賞受賞者の白川英樹博士もよく講演でこの言葉を使われる。「偶然とは文字通り、予期できないような時と仕方で予知できない物事が起きることです。いつ起こるかわかりませんし、いつでもありそうです。しかし、その偶然を認識し、思索を深めて発明や発見につなげるためには、その偶然に出会った人が旺盛な好奇心や深い認知力と洞察力などに富んでいることが不可欠です」つまり、そういう意味。棚ぼたではないのだ。才知、感覚、そんなものをフル活用して大事なものを探す旅の途上で、思いがけなく別の宝物にめぐり合う。呼びよせる、と言ってもいい、そんなセンスがセレンディピティ。 由来は『セレンディップの3人の王子』というペルシャのおとぎ話。セレンディップの三人の王子価格:1,365円(税込) エリザベス・ジャミソン・ホッジズ 作 パトリシア・デモリ 絵 真由子 V.ブレシニャック 、中野泰子、中野武重 訳 バベル・プレス セレンディップとは中東のおとぎ話でよく出て来る王国で、スリランカのこと。セレンディブともいう。日本や中国の昔話でインドを天竺と呼ぶようなもの。だからこのおとぎ話もあくまでペルシャ産。千夜一夜より成立は古いそうなので、よくぞあの中に吸収されなかったものと思う。ちなみに千夜一夜のヒーローの一人・船乗りシンドバッドは第6の航海でこの国の王と親しくなり、ハルーン・アル・ラシッドへの親書を預かる。第7の航海は教主に命じられての返書の旅だ。 おとぎ話は学問を究め詩歌をたしなんだ三人の王子が、国難を救う手立てを探すべく異国をさすらいながらセレンディピティを発揮して多くの国や人びとの助けとなるというもの。最終的に国難も解決する。近い雰囲気の物語をあげるとすれば金玉鳳凰か。『チベットのものいう鳥』。でもあれより古いぶんだけシンプル。 そんなわけで掘り出し上手とも訳されるこのセレンディピティの体現者のような天才さんの4年に1度の誕生日を祝う特別アルバム発売です。ずばり「Serendipity」。全編デュエット。弟との続編(というかほんとはこっちが正編?)、そして初の36コンビものが新曲で、あとは花束といってあげるといいのかな、いろんなところで歌ってきたデュエット寄せ集め。エンディング・カバーの「風の旅人」は王子に向けて部長と歌った歌だと思ってるんだけどあまりそういう解釈も聞かない。【送料無料】Serendipity/不二周助[CD]価格:2,800円(税込) 不二周助(甲斐田ゆき) with 手塚国光,不二裕太,菊丸英二,観月はじめ,越前リョーマ 他 TX系アニメ「新テニスの王子様」より人気ブログランキングへ