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想い出は心の宝石箱に。。。

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2014.12.04
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                                   最終章

 

 

     スペインマドリッド市内の列車爆破事件は、191人が死亡・2000人以上が負傷する

     大惨事となった。主犯格のアンドレは未だ逃走中で、捕まっていない。


     イラクでのアルカイダは、闇に乗じた急襲だったので、初めは有利に戦いを進めていた。

     しかし、国連軍が戦闘ヘリ・アパッチを投入すると、形勢が逆転。三分の二以上の兵を

     失って、この戦いが失敗に終わったことを、ビンラデインは知らされた。右腕のハッサンも、

     銃撃を受けて死亡。

 

 

                   

                       

                      

     

     そんな同時多発テロから、2ケ月が経とうとしているある日の事。
    

     五洋商事大阪本社。

   検察庁特別捜査部と国税局の、合同立ち入り査察が入った。外国
為替及び外国貿易法

     ならびに 銃刀法違反、そして脱税の容疑である。



                  

 

                       


    既に大門社長は、任意で取り調べ中であった。

    マスコミからの取材に対し、今回一連の不祥事は飛鷹ニューヨーク
支社長、個人の判断で

      なされたもので、彼の越権行為ならびに職権乱用によるものである。すなわち、大門及び

      五洋商事は、本件に一切関与しておらず、全く無実であると弁護士を通じて発表した。



   特捜も、予てから黒い噂があった五洋商事の内偵を、3年前から
進めていた。また、今回の

       同時多発テロに関し、アンドレと五洋商事の銃火器不法取引詳細について、公安外事第三課

       及びアメリカCIA から、関係書類の提出を受けている。



   検察としては、これらの証拠をもって、五洋商事並びに大門を組織がらみの犯罪として、

       起訴から有罪判決へ持ち込めると誰もが確信していた。ところが数日後、< 飛鷹個人の

       犯罪として、処理せよ >との指示が、検察庁長官から関係各庁に出された。

   裏で阿武総理の政治的圧力が、あったことは明らかである。


 

 

 

               オーチャードホールのご案内
     

 


    東京渋谷のオーチャード・ホール。

  武田梨華追悼コンサートが、小沢征爾指揮の下ニューヨークフィルに
よって、しめやかに

      執り行われた。



   ニューヨークフィルの来日は、アメリカ全国民の哀悼の意として、ゴードン大統領の

       働きかけで、実現したものであった。大統領の弔辞を、キャンベル駐日大使が代読した。


   ( 自由と正義を守るアメリカは、いかなるテロにも屈しないことを、ここに改めて

           宣言する。そして、その自由と正義を守る者の一人として、テロの犠牲になった

           武田梨華に対し、世界の総ての音楽愛好家と共に、アメリカ大統領並び国民は、

           心より哀悼の意を表する。 )


    との言葉で、締めくくられた。 


 

 

                    

                      


    花で飾られた壇上に、寂しげな笑みをたたえる、梨華のポートレートが、
掲げられている。

    梨華がピアノを演奏するビデオ映像が流され、ショパンピアノ協奏曲
第一番が、

        エフゲニー・キーシンによって演奏された。

        メランコリックで抒情的な曲もあって、会場からは多くのすすり泣きがもれた。

 

 

                     


 

                             
     参列者の中に、札幌の叔母夫婦と共に喪服姿の桃華もいた。

   血を分けた妹である梨華の死が現実のものとなり、姉妹としての愛をなぜ生前に、

       分かち合えなかったのかと、初めて後悔の念に苛まれたのであった。梨華の華やかな

       生きざまに、嫉妬し反発する気持ちをばねに、桃華は外事警察という男性社会において、

       これまで頑張ってこれたのだから。

     

   でも、その対象の梨華がいまや、この世の中から消えてしまった。

   また、権力の座にある悪が正義を葬るという、現実の深い闇を思い知らされ、桃華には

       やるせない思いしかなかった。

   そして、ライフルのスコープから垣間見たトーミーの顔が、澱のごとく桃華の心の中に、

       なぜか今でも残っている。


 

                   

 

 

 

     
    会場の外では、初冬の氷雨が降り頻る。

    まるで我が子、梨華とトミーの死を嘆き悲しむ、冴子の涙のごとく。。。。


                             == 完 ==        

                

  


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Last updated  2014.12.05 00:03:03
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