学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

第96号

2006. 8.25 ご登録読者数 1388 名様

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皆さん元気ですか? 

暦のうえでは立秋を過ぎ、「残暑・・・」になりましたが、日本全
国まだ暑いのではないでしょうか。

信州も昼間だけは暑いです。でも夜になるとぐっと涼しく。

ほとんどの皆さんはまだ夏休みかな。

長野の小中高は8/18~21くらいで夏休みは終わりなんですよ。
かといって冬休みや春休みが長い分けじゃないし・・・一体どうな
っているんだろう。



さて、今回のテーマは歴史小話的なことを1つ。

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         「やる気が湧かない!?」

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キミ、こう言うこと言わない?

ウロコ先生はね、こういう言葉を聞くと、すごく「ぜいたくだな
あ!」と思う。

「やる気が湧かない=だから自分はやらない」という言い訳に使っ
ているんだろう?

そして、自分はやらなくてもいい状況にあるんだよね。やらなけれ
ば自分がちょっと困る結果になるけど、誰にも迷惑をかけるわけじ
ゃないからいいじゃん、って。


でもね、もしも大人が仕事やる気が湧かなくて、「やる気が湧かな
い」って言って仕事しなかったら、どうなると思う? そう、会社
勤めならクビ、自営ならつぶれる。家族は生活できなくなる。

「自分は大人じゃないさ。子どもだからいいんだ。」そう言いたく
なるだろ。

これってものすごい甘ったれだぜ。特に中学生以上なら。

自分をペット扱いではなく、一人前の一人の人間扱いして欲しいの
なら、子どもであろうが人間として自分の責任は果たすべきだ。責
任とは、今の自分がやるべきことをきちんとやることだ。やる気が
湧こうが湧くまいが、そんなことは関係ない。


今回は、子どもでも「そんなことを言っていられない!」という状
況に立たされた、歴史上実際にあったことを一つ紹介しよう。


頃は幕末。今でいう佐賀県の鍋島藩の話さ。

各藩は幕府にならって、その藩士の子を教育するためにそれぞれ藩
校をつくっていた。鍋島藩の藩校は「弘道館」という。

ウロコ先生は、大好きな作家司馬遼太郎の何かのエッセイで初めて
読んだ。各藩の風土から掘り起こしていったものだ。



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佐賀鍋島藩の領地に入ると、道々には雑草一つ生えていない。

雑草ももったいながり、むしっては堆肥にして利用するというもの
だ。

何でもこれからの生産に使うというその徹底した合理的主義。

倒幕の主体となった薩長土肥(薩摩藩・長州藩・土佐藩・肥前藩)の
四藩の中では35万7000石の小藩ながらも第一の科学力を持ち、
日本で初めて反射炉(鉄の溶鉱炉)を造り、蒸気機関や電信機を完成。

また当時英国海軍しか持っていなかったアームストロング砲(すご
い性能の大砲)を自藩で製造してしまい、これが倒幕や会津白虎隊
壊滅に大活躍することになる。

長崎に近く、洋学を藩士に徹底して勉強させた。


驚くべきはその教育システム。その「超スパルタ教育」は、他藩の
どこと較べても群を抜いている。

藩士の子は6歳で藩校の弘道館に入学させられ、25歳の卒業まで
徹底して勉強させられる。

「勉強とは合戦と思え」が弘道館に掲げられていた言葉だという。

これは単なるスローガンなのではない。専門をマスターできず、
25歳で卒業できなければ・・・先祖代々の家禄(給料)の8割が没
収されるという厳しい掟があった。


結果のみが重要であり、自分の能力不足などは言い訳にはならない。

事が乱世であれば、家禄の増減は親父の合戦などの働きによっただ
ろうが、太平の世で家禄も変化しようがなく、昇給も減給もない世
襲の安穏(あんのん)な武家社会。

そんな中、佐賀鍋島藩だけは子どもの藩校での勉強の成績が一家の
収入を左右するのである。


こんな過酷(?…子どもは責任重大)なことを制度化した藩はなかっ
た。

当時の時代背景のもと、佐賀鍋島藩は、自藩の生き残りをその「産
業革命の推進」に賭けたのである。そのために人材の育成として藩
士の子の教育に全力を注いだ。

落第者は、「お前は我が藩にとっていらぬ人間である。だからクビ
だ!」との烙印(らくいん)を押されたに等しい。

落第者個人にとどまらず、その親兄弟まで運命を共にさせることに
なる。もしも落第でもしようものなら、親戚縁者からも徹底して恨
みをかうだろう。

佐賀鍋島藩は、そのようにして日本では唯一自前の力だけで産業革
命を成し遂げ、また大隈重信・江藤新平・副島種臣などの逸材を明
治新政府に送り込ませた。

藩を挙げての洋学の推進、その実行。同時に保守の極致とも思える
「武士道とは死ぬことと見つけたり」という葉隠れの里であること
が奇妙であるが、それほどの教育の徹底ぶりであった。

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さあ、「やる気が湧かない」とのたもうキミよ。

キミがもしも佐賀藩の弘道館の生徒であったとしても、そのように
甘ったれた、生意気なかっこつけのセリフを吐いてうそぶいている
か? 

一家の将来の生活を自分の成績が背負っているとして、それでもそ
う言うか? 

どう思った!?


「俺には関係ないから・・・。俺は鍋島藩じゃなくて良かったよ。」、

それで終わらす人なら、ウロコ先生はもう相手したくないね。





           (執筆:学陽舎 城内貴夫…長野市)


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