学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

第94号

2006. 7.21 ご登録読者数 1398 名様

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☆トップクラスに入る勉強法! 第94号☆

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発 行:考える学習をすすめる会 http://kangaeru.org
                             
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§このメルマガの趣旨

成績は「勉強時間」と「勉強のやり方(頭の使い方)」で決まりま
す。もし、大きく学力を高め、成績を向上したいなら、勉強のやり
方を、覚える学習から「考える学習」に変えなくてはなりません。

このメルマガをしっかり活用すれば、トップクラスの成績を手に入
れることができます。執筆者は全員が10年以上のベテラン塾長です。
熱意ある皆さんのために、このメルマガをお届けします。
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こんにちは、手塚です。

読者の皆さん、いきなりですが驚きです!! 

Mちゃんシリーズの最終回で、Mちゃんがトルコの友人と仲たがい
をしたことを書きました。

なんと信じられないことに、彼は先週、Mちゃんと仲直りをするた
めに日本に来たのだそうです。

彼の7日間の滞在期間中、お互いを気づかいながら本音を語り合い、
お互いの誤解を解き、とうとう帰国前日の日に仲直りをしました。
ウソのような本当の話です。

Mちゃんはこの経験で、相手の立場になって考え、耳を傾けること、
お互いを思いやること、お互いに誠実であることが大切だというこ
とを改めて学んだそうです。

1人1人の価値観は違っても良い関係を保つには、それはとても大
切なことですね。


さて、7月は受験生にとっては3者面談の時期です。受験生の皆さ
んはどのように受験校を決めていますか?

今日はそのことを含めたお話をしたいと思います。

あなたが今受験生でなくても読んでもらいたいです。


今回のテーマは、

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         目標を持って勉強する

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私の塾生で今年度受験するMちゃんという子がいます。(今度は別
のMちゃんです。)


彼女は小学生の頃から私の塾の英語クラスで学んでいます。このク
ラスは小4からのスタートで、Mちゃんを残すクラス全員4名が中
学1年のときに、英検3級を取得しています。

ところがMちゃん1人だけがどうしても3級に合格できません。中
3になった今でもです。また英語の成績も平均点を下回ることしば
しばで、はかばかしくありません。

原因は分かっています。

いろいろあるのですが、1番の原因は、勉強が大嫌い。嫌いだから
ほとんど勉強しない。だからできない。

私は思いました。勉強が好きになれとは言わない。せめて勉強しな
くてはならないという気持ちになってもらい、そこから学ぶ楽しさ
を分かっていってもらえればと。

さて、どうしたら勉強するモチベーションを持たせられるのか悩み
ました。彼女が2年生のときです。

英検に合格する、平均点以上を取るという目標も彼女には興味がな
いらしい。

では、どうすれば?

彼女が好きな音楽の歌詞から英語を学ぶのはどうか。好きな曲の歌
詞の意味を知って歌えれば楽しいのではないか。

彼女の好きな曲を持ってこさせ、意味調べをしました。
でもダメです。勉強という体勢になるとやりたくなくなるのです。

では、実際にネイティブと会話をさせ、通じない悔しさを味あわせ
たらどうか。

私の塾では年に1回ネイティブと会話をする機会を設けています。
彼女の過去4回のこの機会の経験では、困るということはありませ
んでした。

私がわざとクラス全員に極端に困る機会を与えなかったのですが、
このときばかりはちょっと彼女を困らせました。

ダメでした。困っただけで、もっと勉強しなくてはと言う気持ちに
はありませんでした。

では、思い切って海外へ。海外へ行って自分の英語力のなさを実感
したり、異文化に興味を持ってくれたらと期待しました。

実際にそういったことで英語を勉強し始める人は少なくないからで
す。

私の塾では中2の冬までに英検2級を取得した者、または相当の実
力がある者には春休みに海外ホームステイをする資格を与えていま
す。

私は彼女には特別にその資格を与えました。

ニュージーランドでホームステイを体験しました。彼女が中2の春
休みのときです。

当然英語力のなさで、ホームステイ先では困り放題。ホストファミ
リーは苦労したようです。彼女も、迷惑かけた、もっと勉強すれば
よかったと思ったようです。

また、ニュージーランドの生活にも興味を持った様子です。

帰国後、すぐに3年生。受験を意識しなければなりません。勉強に
あまり興味がないMちゃんにはできるだけ早く受験勉強の大切さに
気づいてもらわなければなりません。

3年の4月に志望校はどこか聞くのも無理かとは思いましたが、受
験意識を持たせるために聞いてみました。

どこの高校に行きたいか。

「わからない。」思っていた通りの答えが返ってきました。

では、将来なにをしたいのか聞いてみました。この質問も中学3年
生には一部の子以外には無理な質問ですが、やはり聞いてみました。

「わからない。」

だろうな・・・私も中3のときはそうだった。

今度は学歴や高校名にこだわるか聞いてみました。

「こだわらない。」 

やっぱり・・・勉強に興味ないもんね。

では、普通に高校に行って普通にOLになるのか、大学へ行って何
か学びたいものはあるのか聞いてみました。

「普通にOLになるのはいや。何かを早く身につけて、何かやりた
い。大学には行かない。」

おお!!なかなかしっかりしてるじゃない。嬉しくなりました。

何かって何? 聞いてみました。

「英語かな。 英語できるとチャンスあるし、いろいろな国の人達
 と友達になれるし、普通に高校行っても英語できるようにならな
 いし。」

おお、いつの間に英語に興味を持っていたんだ。早く言ってよ。

「Mちゃん、それじゃ、英語科にいったらどう? 在学中、大学行
 きたくなったら方向転換だってできるし。3年の4月なのにもう
 そこまで考えてるなんて、えらいね。お家でお父さん、お母さん
 とよく相談して目標を決めな。」

「はい。」

そしてMちゃんは、英語科へ進学することに決め、高校選びを始め
ました。そして早くも「ここしかない。」と高校を決めました。と
てもその高校が好きになったようなのです。

目標が決まったMちゃんは猛勉強を始めました。Mちゃんのお母様
から聞くところによると、いつもは宿題や提出ノート(提出ノート
とは、英語、数学、国語の教科ごと自主勉強したノートのことで、
彼女の学校ではそれを毎日教科担任に提出することになっている。)
をすませて、10時や11時頃寝ていたMちゃんですが、夜中の2~3
時まで勉強しているようです。

それは良かったと思う反面、心配ごとが1つ。Mちゃんの英語の成
績が伸びない原因のもう1つが勉強法。間違ったやり方でやってい
るのです。

普段から英語の勉強法は伝えているのですが、その方法がMちゃん
にはなじめず、自己流に走ってしまうのです。塾での方法が1番と
言っているのではなく、自分の方法が自分に合っていて成果があれ
ばそちらのほうがいいに決まっています。

でもMちゃんの方法は、時間を無駄にするばかりのやりかた。どう
言い聞かせても自己流になってしまうのです。

仕方がないので、その方法でやらせ、結果を見てからわからせれば
いいと思い、そのままにしておきました。その方法でこれだけ勉強
したら、極端に上がることもなければ下がることはないだろうと思
ったからです。

しかし、Mちゃんが言っていた言葉が心配。

Mちゃん曰く。
「先生、これだけ必死で勉強して成績上がらなかったら、私はバカ
 だってことだから、その時はもう絶対に勉強しないからね。」

ひえ~それは困る。上がったらそれはそれで結構だが、万が一下が
ったら。励ましの言葉もいろいろ用意しておきました。

結果は。点数が悲惨でした。前回より下がったのです。Mちゃんは
学校から帰宅後号泣しました。そして「もう絶対に勉強しない。」
と私に言いました。そこで用意していた言葉。

「まだ点数だけじゃわからないでしょ。平均点に達しているんだし、
 順位が出るのを待ってからでないと本当の結果はわからないよ。」

順位が出るまで2週間ほどあります。私は、Mちゃんは勉強しなく
なってしまうのではと心配しましたが、1晩泣いてすぐ立ち直り、
次の日からまた猛勉強を始めました。

「すごいね、諦めちゃうかと思った。」と私が言うと、「勉強しな
かったらA高校は入れないでしょ。」

う~ん、目標があるってすごいな、Mちゃんの精神力もすごいなと
思いました。

順位の結果は。17位上がりました。Mちゃんは嬉しかったようです。

私は、Mちゃんの勉強法についてちょっと言わせてもらいました。
彼女は納得してくれたようです。まだまだ、自己流になってしまい
ますが、塾での質問も多くなってきて、自分で何がわからないのか
わかってきた様子です。

あんなに勉強嫌いだったMちゃんが、目標を持ったとたんに勉強し
始めました。目標があって勉強すると、必死でがんばれるんだなと
Mちゃんを見て思いました。


誰でも強い目標があればがんばれます。

ただ何もなしにだらだら勉強するより、何かに興味があってとこと
ん追求するとか、~高校、~大学に絶対入りたいと思えば勉強も苦
痛ではないし、吸収力も違います。

また、志望校を決めるにあたって、多くの親御さんは進学校を意識
されると思います。また、子供達もそうでしょう。まだまだ学歴や
有名校志向は消えません。

でもそれが本当に子供(自分)の将来にとって良いものなのか、子供
(自分)にとって生きていくうえで本当に大切なものなのか、考えて
みて欲しいと思います。

もちろん、将来何になりたいか、何をしたいのかハッキリした子供
(自分)の意志があり、進学校、有名校へ進学することが必要なこと
もあります。

私が言いたいのは、Mちゃんのように、将来のために今自分に何が
必要かを見極め、進学する学校を決めるのが1番良いのだというこ
とです。



将来の目標を持ってがんばろうね!!



     (執筆:手塚英数教室 手塚美喜…小布施町清水)


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