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高知に自然史博物館を

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 ひき続き自然史ネタをもう一発.

 英国の陶器というと,やはりナンバーワンはウェッジウッドでしょうか.陶器の町ストーク・オン・トレントには陶器博物館があって,世界の陶器が時代を追って展示されています.18世紀までは西洋の陶器は粗末なものばかりで,同時代の中国製陶器の完成度の高さに驚かされます.この関係は19世紀に入って逆転します.つまり西洋の陶器が急速に存在感を増してきます.この大発展の立役者の1人がジョサイア・ウェッジウッド氏です.ウェッジウッドの工場の片隅には,今はもう使われていない「土をこねる機械」が置いてあります.動力源はもちろん蒸気機関です.石炭を燃やしてシュッポシュッポという感じで工場は作動していたのでしょうね.

 ウェッジウッド氏は改良に改良を重ねて,質の高い陶器を作ったわけですが,それをロンドンで売るわけです.当時は馬車で運びましたから,ロンドンに着く頃にはあらかた破損していたそうです.大変な浪費でした.何とかならないだろうかと考えた彼は,船で運ぶことを思い立ちます.しかし,そのためにはストーク・オン・トレントを流れる川(つまりトレント川かな?)とテムズ川の支流とを運河で結ぶ必要がある.この運河を造るよう,国に働きかけようと考えたわけです.
 そこで彼は自分のアイデアを,ある親しい友人に話しました.この人は医師で,ウェッジウッド氏のアイデアを自分の患者さんに話しては協力を求めました.患者さんの中には英国国会の議員さんもいたようです.そういうわけで,このお医者さんの宣伝がきいたのか,やがて運河を造ることが国会で承認されました.
 じつはそれからが大変でした.工事は予想ほど簡単でなかったのです.それは運河の予定経路上に巨大な岩盤があったからです.工事はこの岩盤を切り崩すという大変な難事業になってしまいました.けれども運河はとうとう完成し,ウェッジウッド製の高級陶器がロンドンに出回るようになりました.

 さて,この工事の副産物がありました.切り崩された岩盤には,じつは大量の化石が含まれていたんですね.このお医者さんは,出て来た化石にたいへんな興味をもちました.そして「生物は進化してきた」というアイデアに到達しました.教会がすぐ近所にあったこともあって,彼はそのアイデアをなかなか発表しませんでしたが,ずっと後に出版した本の最後のほうで進化論のアイデアを述べています.
 このお医者さんの名は,もうお判りでしょうね,エラスムス・ダーウィンといいます.かのチャールズ・ダーウィンの祖父にあたる人です.そしてチャールズの奥さんはウェッジウッド家の人ですよね.
 チャールズは祖父の進化論があまり気にいらなかったようです.彼が経験をつみ思索を重ねて,進化論の決定版である「種の起源」を書くのは,ずっと後の話になります.





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Last updated  January 22, 2008 01:15:42 AM
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