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この4か月を振り返って,鳩山内閣は1つの大きな失敗をしたと思う.それは経済政策を後回しにしたことである.私はあまり外国旅行の経験がないが,それでも自分で見聞した国々で感じたことが1つある.それは政治的に非常に困難な状況にある国であっても,問題の大きな部分は政治よりも経済に起因しているということだ.紛争があることで貧困がはびこり,貧困であることで紛争が先鋭化する.そういう事例があまりに多い.
さらに言うならば,たとえば社会主義の失敗の主要な原因は,「社会主義の経済学」があまり発展しなかったことかもしれない.逆に,たとえば自民党の長期政権が支持されてきた背景には,戦後日本の経済的成功があるだろう.事ほどさように経済政策というのは重要なのだと私は理解している.政治が先行して経済が後回しになるような政府は,まず確実に失敗すると言ってよい. この点で小泉内閣は要所を押さえていた.ただ日本国民にとって不幸だったのは,失敗であることが当時すでに明らかであった先行例に習おうとしたことだ.経済学の理論は新しく見えたかもしれないが,日本政府としては昔ながらの猿真似政策であった.果たして結果は予想された通り,日本国は米国の失敗をそのままなぞるように没落した. 成功者の真似をして成功するという手法は,日本政府が明治以来ずっと踏襲してきた政策である.ただ米国の斜陽化とともに,この手法も斜陽化した.もっと別の成功者がいるのなら,今度はその真似をするのも良いかもしれない.残念ながら,これぞというモデルを私は思い付かない.つまり,この方法なら成功する,という指針がないのが現状だと思う.だからこそ多少の失敗が許容される早期段階で着手すべき課題ともいえる. 経済政策は経済学と関係があるのだろうか.小泉内閣の経済政策をリードした竹中氏は経済学者であった(と私は理解している).実務的な企業家や財政屋は馬鹿にするかもしれないが,それでも大局的な経済理論があった方が良さそうに思う.そういう点で竹中氏の採用は,適切な手法であった.もっとも彼の理論の実際は上記の通りだったから,もう竹中氏にご指導いただくのは勘弁して欲しい. 経済学や経済政策について私は多くを語ることができない.しかし重要であることは上記の通りである.八ッ場ダムも普天間基地も重要であるが,最重要なのは経済政策である.新しい年に臨み民主党には,叡智を結集して経済活性化の施策を検討し実行して欲しいと切に望む. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 9, 2010 04:56:00 AM
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