糖質制限食の考え方
今日は蒲田までお買い物……に出たのはよかったのですが、少し前から駅ビルが改修中だったのを忘れてました。東口・西口とも全面改装中で、今年7月31日から来年春までお休みです。おかげで蒲田周辺のお店をぐるぐる回ることになり、歩数計は蒲田まで3,500歩、蒲田内で3,000歩、帰りにまた3,500歩で、ちょうど1万歩を表示してました。 それはさておき。 先日楽天ブックスに注文していた「糖質制限食 春のレシピ」と「糖質制限食 夏のレシピ」がようやく届きました。すでに図書館で中身はチェック済みで、これは使える、と判断しての購入です。糖質制限食については、理屈と実例をじっくりと書いてある「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」にくらべて記述が簡便で、理解が容易です。しかも1日1,600キロカロリーのレシピと料理の写真があるので、糖質制限食の食事内容のイメージが掴みやすい良書です。もっとも「春のレシピ」「夏のレシピ」と出しながら、「秋のレシピ」「冬のレシピ」が出ないのは、あんまり売れてないせいかもしれません。楽天ブックスでも取り寄せでしたし。 その糖質制限の原則は、以下の「糖質制限食10か条」にまとめられています。タンパク質や脂質はOK……魚介・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。糖質は極力食べない……糖質を含む食品、特に白パン・白米・麺類および菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。主食は未精製の穀物を……主食を採る時は未精製の穀物を使って作ったものが好ましい。例として、玄米ご飯、全粒粉のパン、十割そばなど。牛乳、果汁ジュースは飲まない……飲料は牛乳・果汁のジュースは飲んではいけない。成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。野菜・海草・キノコ類はOK、果物はNG……糖質含有量の少ない野菜・海草・キノコ類は適量OK。糖質を含む果物は少量にとどめる。油脂はオリーブ油や魚油を……オリーブ油や魚油(EPA、DHA)は積極的に採り、リノール酸(大豆油、紅花油などほとんどの植物油の主成分)は減らす。マヨネーズ、バターもOK……マヨネーズ(ただし、糖質の混ざっていないもの)やバターも食べることができる。お酒は蒸留酒を飲む……お酒は蒸留酒(焼酎、ウイスキーなど)は飲むことができるが、醸造酒(ビール、日本酒など)は控える。間食やおつまみはチーズ類、ナッツ類……間食やおつまみにはチーズ類やナッツ類を中心に適量採る。菓子類、ドライフルーツは食べてはいけない。安全な食品を食べる……できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。 正直あんまりまとまってない10か条で、6、7項目目は1項目目に含めることができますし、10項目目も糖質制限食自体にはあんまり関係ないんじゃないかなと、思わなくもありません。ですが、一応この基本を押さえておけば初歩の糖質制限食はOKだと思います。ここからさらに、野菜の中でも糖質含有量が多いイモ類・豆類は避ける、赤ワインは量が過ぎなければ大丈夫、などの細かな話が出てきますが、それは1週間も毎日この本を開いていると自然と覚えてしまいます。 糖質制限食は、基本的にご飯やパンを食べない、穀物を採らないという食事療法で、「それは偏っている」という意見はよく見かけますが、糖尿病という病気になっている人間に健康的な食事をしろと言われてもなぁ、というのが本音です。がんの治療をしている人間に、「髪が抜けるから止めろ」というようなものじゃないでしょうか。もっとも著者の江部先生は、人間は本来穀物はほとんど採らないで狩猟採取生活していた時代の方が長いのだから、米を食べるのが当たり前というのはおかしく、むしろ糖質制限食の方が人間に合っているのだ、と主張しています。 狩猟採取生活については、動物性タンパクより果実やイモ類による炭水化物でのカロリー摂取の方が多かった、という研究もありますので、さすがに江部先生の言うあたりまで極論するつもりはありませんが、白米なんて日本では戦後になるまで一般家庭ではそうしょっちゅう食べられるものじゃありませんでしたし、江戸時代以前ではお米は決して主食ではなく、未精製のひえやあわの雑穀類が主食だったことを思えば、少なくとも精製糖質を採るのが体に自然なこととは言えないでしょう。それを思えば、先に書いた穀物を採らないのを「偏っている」という意見はたかだかここ50年くらいの常識でしかないと思うのです。 そんなわけで、糖質制限食に興味がわいたら、一度この手の本を手に取ってみることをお薦めします。