『人のセックスを笑うな』
ずいぶん前、新聞の書籍紹介欄で【人のセックスを笑うな 山崎ナオコーラ】の一行を見たときの衝撃といったら相当なものでしたが、相変わらずすごいタイトルです。ついつい家族の目があるところで観るのをはばかってしまいましたが、全然そんなやばいシーンはございません。純粋な恋愛映画でございます。Oh,yes!が、純粋な恋愛映画というのも照れるので、やっぱ一人でこっそり見て正解でした。恋した20歳年上の女性には、夫がいた。人のセックスを笑うななんて自由な人達なんだ…。というのが一番の印象でしょうか。美大という舞台がこれ以上ないほどしっくりきてました。僕にとっては、ただふらっと会いに来て「じゃあね」と帰っていったり、歩きながら服を脱ぎ散らかしたり、誰もいない教室でイナバウアーしてたり(?)という、ごく基本的なレベルからカルチャーショックの連続でした。「感覚」を当たり前に表に出しながら、普通に楽しく生活が成り立ってるのを見たら、なんか目からうろこが落ちたというか。悩みがないわけじゃない、けどそれも含めて「生きてる」っていうか、幸せそうに感じるんだよね。大変参考になりました。時々映画であることを忘れるような、自然なやりとりがまた余計にそう思わせたのかも。リアルすぎて「あれ?なんで僕人の私生活ガン見しちゃってんだろ」とか思ったもん。うん、あくまで見てる側だという意識がしっかりしてたんで、登場人物には誰にも感情移入することはなかったです。「みるめ君かわいそー」とも思わないくらい感情移入してませんでした。だからといってつまんなかったというわけでは全然なく。良かったです。蛇足ですが、みるめ君が白無地の長袖シャツ着て猫背で歩く姿がどうにも別の人に見えて困りました。わかってる。別人だとわかっちゃいるけど…、エルいよ!(←Lっぽいの意)