町田康「告白」、とにかくすごかった。
町田康の「告白」、読み終わった!少し前に「ギケイキ」を読んだらすっごい面白くて、実家に帰った時に、母に「町田康、他におすすめは?」と聞いてみたら、「断然、これ。」と貸してくれたのが「告白」。普通の文庫本の2倍くらいの厚さ約4cm、842ページ。しかも、楽しい会話のやりとりは少なくて、主人公熊太郎の心象がびっしり書かれているので、すいすい読める感じじゃない。最初は、熊太郎の自意識過剰で理屈っぽいところがめんどくさくて、挫折しそうになったりもしたんだけど、読み進むにつれて、どんどんはまっていった。人間のエゴや狡さ執着など、人に知られたくない、人の知りたくない部分をさらけ出すようにしてストーリーが展開していく。ずしっと重い気分になりながらも、引き込まれるように読んで、最後、今までに味わったことのない読後感だった。圧倒されたというか、とにかく、すごかった。重いけど、救いようのない暗さではなくて、小さな爽快感も。不器用で生きるのが下手な熊太郎に対して、その子分の弥五郎はタフで明るい。救われる思いだった。しかしなんで、彼を撃つ必要があったのか。まだ目的を果たしてないのに。Joey Ramone What A Wonderful World ↑このパンクバージョンだけじゃなくて、原曲も良いなと思うように。オトナになったわ、私も。