『ブランジュリタケウチ どこにもないパンの考え方』
最近読んだ本の中で、圧倒的に面白かったのが、『ブランジュリタケウチ どこにもないパンの考え方』。大阪にあった超人気パン屋「ブランジュリタケウチ」のオーナーシェフ、竹内久典さんがパンについて語っている本です。私はそのお店のことも、タケウチさんのことも全然知らなかったんだけど、ミユキさんのブログを見てた時に、「タケウチのパン食べてみたいな。 この人の考え方はすごいね。」と書いてはるのが気になって。「誰だろう? どんなパン屋なんだろう?」と、「タケウチ パン」でGoogle検索したら、「ブランジュリタケウチ」のHPが見つかった。残念ながらお店は移転のために休業中だけど、本を出版されてるのを知って、Amazonでレビューを見たらかなり面白そう。借りて読んでみたのでした。大人気のパン屋の「ここでしか買えないパン」が、どのように生み出されたかというストーリィがとにかく面白い。ちょっと抜粋してみると、「僕の場合、他にないパンを作りたいから、他店のパンやパンの本は見ない。 その代わり、レストランや雑貨店では店を出るまでにパンを1個は考えるようにし・・・」「今までどこにもなかったパンを作りたい。」という強い信念に基づいて、ほんとに、びっくりするような発想と手法で、イメージを形にするべく試作を繰り返して、次々とユニークなパンが生まれていきます。オリーブの実を豆に見立てて、さやつき豆みたいなパン、洋服屋さんにディスプレイされてた四角い石けんを見て思いついた立方体のパン、ごはんを食べる感覚で食べれる白いパン、ギネスビールを使った“苦いパン”、イタリア料理に合う“美味しくないパン”、和菓子でもなくパンでもない丹波黒豆パン、などなど、読んでると食べてみたくなるものがいっぱい。材料へのこだわりもすごい。粉は国産小麦、それ以外のものも、納得のいくものを探し求め、海外から取り寄せたり、気に入るのがなかったら、オリジナルなものを注文して作ってもらったり。オープンキッチンであることや、お店のディスプレイに対する考え方など、どれもこれもが興味深くて、読んでる間ずっと楽しかった。それにしても、バゲットってほんっと難しいのね。このタケウチさん、製パン学校に通い、ベーカリーで働いていた経験があるにも関わらず、「自分のお店バゲット」として納得するものができるまで、なんと6年もかかったそう。しかも、「なぜうまく焼けるようになったのか不思議で説明できないのだけど、経験の蓄積と熟練した感覚が頼りだから、うちの店でも僕と森君しか作れない。これを人に教えるのは正直無理だと思う。」ひゃー。とにかく面白い本でした。自分でパンを作る人や、パン好きな人はもちろん、食べることやお店に興味ある人も楽しく読めると思います。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ブランジュリタケウチどこにもないパンの考え方 [ 竹内久...価格:2,376円(税込、送料込)