吊ら男の戯言

レバノンのシーア派組織ヒズボラを攻撃するイスラエル軍は１９日夜にかけても、ヒズボラの拠点であるレバノン南部や東部への空爆を続け、ロイター通信によると、レバノン側の死者はさらに増え、同日だけで６４人となった。

　南部スリファでは住宅地が空爆され、子供を含む少なくとも１７人が死亡した。

イスラエル軍は１９日未明、パレスチナ自治区ガザ中部の難民キャンプを戦車などで攻撃し、イスラエル国内の報道によると、武装集団の４人と住民２人が死亡、４５人以上がけがをした。イスラエル兵５人も負傷した。

　拉致されたイスラエル兵１人の救出を目的として先月２７日夜に始まったイスラエル軍のガザ攻撃で、これまで１００人近いパレスチナ人が死亡した。半数は一般住民と見られている。

　ガザの武装集団によるイスラエル領内へのロケット弾攻撃は１８日も続いた。

　一方、自治区のヨルダン川西岸の北部にあるナブルスでは１９日、イスラエル軍が自治政府の治安施設を包囲し、過激派の武装活動家３人を射殺。抵抗した約１００人の治安要員を拘束した。

　一三日、レバノン南部スリファに対するイスラエル軍空爆によって四名のブラジル人犠牲者が出た。

　パラナー州フオース・ド・イグアスー在アキル・メルヘイさん（ブラジル帰化）の一家四名は休暇を利用、旅行先のレバノンの自宅で就寝中に被弾したもの。アモリン外相はイスラエルの爆撃を非難した。

レバノン攻撃を続けるイスラエル軍の砲弾二発が十九日、国境地帯に展開する国連レバノン暫定軍（ＵＮＩＦＩＬ）施設に着弾した。ロイター通信が伝えた。内部にはレバノンの民間人三十六人が避難中で、死傷者はなかったが、国連施設も対象となる攻撃のし烈さをあらためて見せつけた。

イスラエル軍は十九日、レバノン南部やベイルートなど各地への空爆を続行。この日だけで子ども多数を含む五十七人が死亡した。一日の犠牲者数としては十二日の戦闘開始以来最多となった。

　ベイルートでは、イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとは無関係とみられるキリスト教徒地区にもイスラエル軍の戦闘ヘリがミサイルを発射。事実上の無差別攻撃に近い状態になっている。

レバノンのシニオラ首相は１９日夕、首都ベイルートで各国の駐在大使を前に演説し、イスラエル軍のレバノン攻撃について、「国際社会はイスラエルの無慈悲な報復を傍観するのか」と述べ、各国がイスラエルに即時停戦を働きかけるよう強く訴えた。

　首相は演説で、１２日からのイスラエル軍の攻撃により３００人以上が死亡、１０００人超が負傷し、避難民が５０万人に達したと発表。「我が国の人命は他国より軽いのだろうか。我が国を見殺しにしないでほしい」と力を込めた。