240673 ランダム
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東京タワーオカンとボクと、時々、オトン

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1960年代、ボクが3歳の頃。
酒乱のオトンの家を出て、
オカンはボクを筑豊の実家に連れ帰りました。
料理上手なオカンの美味しいゴハンを食べて成長したボクは
15歳でオカンの元を離れ、やがて美大生になって
東京での生活を始めます。
そこでの生活は誉められたものではなく
なんとか美大を卒業したものの
仕事もせずに仕送りしてもらい、更に借金を重ねていました。
そんな中、オカンが癌に侵されていることがかり・・
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2005年6月に出版されるやいなや、
210万部を越えるベストセラーとなった小説の映画化。
普段本を読まない人たちにも本を買わせたという
驚異のパワーを持つ、この『東京タワー』。
テレビでスペシャルドラマや連続ドラマにもなったけれど、
この映画化が‘本命版’と言われているようです。
今回メガホンを取った松岡錠司監督は
一読者として原作者・リリーさんのサイン会に並んで
監督をさせてほしいと直談判したとか。
その熱意あってか、淡々とした中にも
しっかりとした温もりを感じる作品になっていたと思います。

おいらが原作を読んだ時は完全に『ボク』=『リリーさん』でしたが
この映画では全くそれを感じませんでした。
主演のオダギリジョーさんは色んな役を演じてきた人で
どっちかっーと、目立つ・個性的なイメージだったのが
ここではすごく受け身で、
いい意味で‘そこにいるだけ’って感じがしました。

これによって観てる人が、
自分と母親の姿を投影出来たところもあるのではないでしょうか。

前述したテレビドラマの他にも舞台化など
色んな俳優がこの作品の登場人物を演じている訳ですが
それぞれに良さはあるものの、この映画をみちゃったら
主役の親子三人のイメージは固定されちゃうかもしれませんね。

それくらいハマってました。

オカン役の樹木希林さんの若い頃を
実の娘の内田也哉子ちゃんが演じることが話題になってましたが
演技経験のほとんどない彼女。
他の役ならぶったたかれてたかもしれませんが(^_^;)
この役は彼女しかあり得なかったでしょう。
演技の事は置いておいても、あの独特の空気感。
物凄くオーラのある人ですね。
で、また顔以上に声がお母さんとソックリなのにビックリ★

そしておいらはオトン役の小林薫さんが超お気に入りです♪
オダジョーと小林さんはセリフの無い時の演技が(も)グッときます。


ドラマと違うところ・・
(1)主役はあくまでボクとオカン!
ドラマでは脇キャストひとりひとりにスポットが当てられていたけれど
映画はボクとオカンとその周りに集まってきた
愉快な仲間たちって感じ。いつのまにか人がいっぱいいて、
映画版しか知らない人には唐突に感じるかも。
(もちろん時間の関係は大いにアリでしょうが;)

(2)ドラマは良くも悪くもキレイ。
ドラマ版のオカン役、倍賞美津子さんは
苦しんでる病人の姿を見たくない人もいるだろうということで
表現には気をつかっていました。
それに対して映画版オカン、樹木希林さんの
抗がん剤で七転八倒する姿はリアルで見ていて苦しかった。
(でも、おいらはこっちの方が良かったかな。)

今回の映画版は初めて原作を超えた!という人もいるけれど
おいらはやっぱ原作が一番です★
ドラマや映画で感動した方・・・
原作はあんなもんじゃないっすよ~
ぜひ一読を


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