『善き人のためのソナタ』祝!アカデミー外国語映画賞受賞(≧∇≦)ノ彡という訳でミーハー的に観てまいりましたf^_^; ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 舞台は1984年、東西冷戦下の東ベルリン。 国家保安員(シュタージ)局員のウ"ィースラーは 劇作家のドライマンと、恋人で舞台女優のクリスタが 反体制的であるという証拠をつかむよう命じられます。 さっそくウ"ィースラーは盗聴器を通して彼らの監視を始めますが 予期していなかったことが起こります。 国家に忠実に仕えてきた男がここで知る自由・愛・音楽・文学・・ いつの間にか彼らを通じて、あの壁の向こう側へと 世界が開かれていったのです。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ベルリンの壁が崩壊したのは1989。 歴史的に大きな出来事だったにもかかわらず 当時のおいらにはなんのこっちゃか・・ 崩壊後17年経って初めてこのような内容の映画が 撮られたということですが、 こんな国家があったことに驚きました。 盗聴と密告だらけの監視国家だった旧・東ドイツ。 この国の人達が負った心の傷は相当なものだと思います。 主演はウルリッヒ・ミューエ。 恥ずかしながら、おいらはその存在すら知らなかった ‘シュタージ’の優秀な局員を演じています。 国家保安員。いわゆる国家の‘秘密警察’ですね。 このシュタージによって人々は常に監視され 個人のプライバシーなんてちっともない中で生活していたのです。 これだけでも嫌なのに、なんとIMと呼ばれる 家族や友人のことをシュタージに密告する非公式協力者がいた というのがさらにショックです。 実際、ミューエも自身の妻に十数年間密告され続けられて いたそうです。 こうなったら一体誰を信じたらいいのでしょう? うかつに友達や恋人も作れません(∋_∈) その他の役者やスタッフも旧・東ドイツ出身者が多いのだそうです。 17年経っているのに、今回の撮影で皆初めて 当時のことを口にしたんだそうです。 彼らにとってはまだ過去のことではないのかもしれませんね。 ミューエ演じるウ"ィースラーは次第に心を動かされていく訳ですが きっかけ(多分;)は『善き人のためのソナタ』。 ドライマンが自殺した友人からもらった譜面で奏でる曲。 このピアノソナタを盗聴場所の屋根裏で聴いたウ"ィースラー。 劇中「この曲を本気で聴いた者は悪人になれない」という 言葉が出て来るのですが、まさにそうなったという・・ ウ"ィースラーはものすごくポーカーフェイスなんですね。 なので、演じる側は難しかったと思います。 感情表現があまりないので、 突然いい人になったように見えなくもないんですよね~。 「あんたさっきまで非道な人間やったやないの!?」みたいな(^_^;) じわじわとウ゛ィースラー心の変化を描くというものではなく 物語の割と早い段階で彼は心変わりします。 その後も話は淡々と展開していき ドラマ性もありますが(クリスタは気の毒!)、基本的には地味。 タイトルになっているソナタもそんなに印象的ではありませんし。 しかーし! すべてはラストシーンにありました!! あのエンディングを観れたことで、 少しの疑問もすべて吹っ飛びました。 言い方は悪いかもしれませんが‘終わり良ければすべて良し’です。 一滴だけど、大粒の涙がこぼれました。 ウ"ィースラーという人物の抑えに抑えた描写が生きてきます。 唯一感情を表現する目の動きや 彼の強い信念を演じ切ったウルリッヒ・ミューエに拍手です! 最後の一言は名セリフだぁ~(ノД`)・゜・。 Last updated 2007.03.06 14:23:57 |