ツブコの茶店

04/11/18 (木)




　どうぶつのメモリアルパークに行った。


ペットや、実験のために一生を送った小動物たちの霊園である。


ひとつの山がまるごと霊園になっている。


桜や、紅葉、そんな四季の山の風景そのものの中に、すんなりと、造られている。



　事務所の裏に、高さ三十センチくらいの原形だけの墓石が、いくつか置いてあった。


かまぼこ型で、とても愛らしいラインをしている。


デザインをした人は、自分のペットの背を撫でるように、そのなだらかな線を描いたのではないだろうか。


木や石の小動物の人形が草むらや、林の中に見え隠れしていた。


あちこちに楽しい工夫がしてあり、どこか遊園地のような、


明るくて楽しい雰囲気がある。


きっと、どうぶつや、ジオラマ遊びの好きなカミサマが、


「オレにやらして」


と、造ったのだ。


そうして、ネーミングはメモリアルランドだったのが、なにかの拍子でパークになったのだ。




そんなことを思いつつ佇んでいると、かすかな音に気づいた。


優しい、甘いひびきがする。


なにかの曲だ。


見回すと、小さなスピーカーが草の蔭や、樹の枝につけてある。


曲はそこから風と混じりあって、香りのように流れてくる。


傍に、風ぐるまみたいな花が咲いていた。


私のこころを風ぐるまの花に乗せる。


花が風に、まわりだす。




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