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ことこと@チェンマイ! タイ移住ドキュメント&北タイ通信♪

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2013年04月10日
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カテゴリ:よもやま
今までは、読んだ本の紹介を「オススメの本:」というタイトルにしていたが、今回からシンプルに「読了:」と書くことにする。
わたしみたいなパッパラパーなアホが他の方にオススメするのは僭越きわまりないので・・・


で、今回は、


1.戦後史の正体 1945-2012(「戦後再発見」双書)
著者/編集:孫崎享
出版社:創元社

sengosi





2.アメリカに潰された政治家たち
著者/編集:孫崎享
出版社:小学館

amehome





両書とも日本の戦後外交史をアメリカから加えられる圧力に対する「追随(従属)」路線と、それに抗する「自主」路線とのせめぎあいという観点で述べている。著者は元外務官僚(国際情報局長)であるが、自らの職務についての「内幕暴露」というものではなく、各年次の公文書や外交当事者の手記、回想録などから裏面史を読み解いている。


最初は1.の本の帯のタタキの「えっ、これは驚いた!」ってベタベタなコピーに辟易し、どうせ大したこと書いてないんだろうと高をくくって読み進めたのだが、いやはや、なかなか読み応えありましたぜ!
1.の本を一気に読んだあと、後日書店で2.を見つけてつい買っちまった。内容的にはほとんど1.とダブるので、もし興味を持ってお求めになる方は1.のみで十分。
ただ、2.にしか書いていないことといえば、対談の章にほんの十数ページのみながら官僚によるメディアコントロールの内幕がかなり具体的に語られており、ここだけでも十分価値アリ。
これ読んでこれから新聞の購読される意思のある方がいるとすれば、ぜひお顔を拝見したい!


「米国からの圧力」が戦後史最大のタブーって前提には最初違和感も感じたが(そういう発言するひとは大勢いるしね)、確かにここまで具体的かつ明瞭に分析した書はなかったように思う。
目からウロコってか、へえ!あの事件って実はそういうウラがあったんだ!?という内容が全編に網羅されている。
2.の書のタイトルに象徴されるように、アメリカの「虎の尾」を踏んだ政治家は、例外なくアメリカの工作によって(結果的には日本の政治家、官僚、メディア、さらには国民によって)葬られるというものだが、確かに過去にテレビの討論番組で本書と同じ内容の発言を始めた出演者がいたが、別の出演者によって「そんなのは馬鹿げた都市伝説!!」と一蹴され、議論の俎上にすら上げてもらえなかったのを見たことがある。


都市伝説かどうかはともかく、注意したいのは、アメリカの工作(関与)についての指摘の多くは「状況証拠」に基づく「推理」「憶測」あるいは「疑惑」に過ぎないものが多々あることだが、読んでもらえばわかるが、偶然と片付けるにはあまりに不自然と思わざるを得ないことが戦後に次々に起こっている。
その辺は、著者も根拠(公文書や手記等の記録)のあるものと、著者の「意見」に相当するものを区別して書いているので(論文のキホン!)、信じる信じないは読む方が勝手に判断すればよい。
本書もネット上の一部では「トンデモ本」とレッテルを貼られているが、まあそんな意見も含めて読みたくなけりゃあ読まなきゃいいし、読んでも全て受け入れる必要もない。
いい大人であれば、他の文献も見て自分で判断するってば。
わたしだって100%無条件で受け入れて読んだワケではない。そこまで穿ちすぎでは?という部分もあるし、大体政治家の手記に全部ホントのことがベタに書いてあるとも思えない。自分の都合よいことしか書かないはず。


中でも注目してしまったのは、日本が抱える領土問題(北方領土、尖閣、竹島)は、アメリカが仕込んだ紛争であるというもので、それは旧大国が植民地を解放する際の常套手段であるというもの。そう考えると、なぜ過去にロシア側から妥協案の提示が数度あったのに進展なく決裂したのか疑問が氷解してしまう。
あと、アメリカによるイラン、イラク、アフガニスタン等への暴虐的な干渉は「戦後日本に対する工作の成功事例」をアメリカが勘違いしちまったでのはないかというクダリも「なるほど」と納得しちまった。


無理ヤリだが(汗)タイ絡みでいうと、タイでは憲法裁判所による司法介入で歴史が人為的にコントロールされているのはみなさんご存知とは思うが(念のため、タイに関することは一切両書に記述ないので誤解なきよう)、日本の「検察」による自国の政権転覆工作もそれに匹敵するか、それ以上に「悪質」「異常」かつ「露骨」であることが本書を読むと再認識できる。
自虐史観は嫌いだが、これらのことを知ってしまうと、日本ってもう再起不能ってか、腐って落ちる寸前の果実なのではないかと愕然としてしまう。


まあ、興味のある方は、わたしの駄文を参考にするまでもなく、内容を書店等で見てご判断いただきたい。多分ここまで読まれてきても「へっ!こういう本ってよくあるよねー」と嘲笑されている方もいるとは思うが、まあそういう方はドーゾドーゾ無視してくらはい!







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最終更新日  2013年04月10日 23時33分03秒
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