テーマ:暮らしを楽しむ(383961)
カテゴリ:ジョグ&スケッチ
真の厳しい旅が始まった。これぞ旅の醍醐味か。寒気団に強風、夜中の大雨、30kmも店がないという過酷な現状。ドイツは歩く身にとっては厳しい環境である。
ドイツ徒然 スーパー ポーランドには、どの村でもであったような「sklep(スクレプ:ショップ)」という名の食料雑貨店(狭い店内に商品が沢山置かれ足の踏み場もない。レジの奧にも商品が置かれているため言って取って貰う)がドイツでは皆無なのである。その代わり大きな町の出入口には必ず大型スーパーが数軒店を構えている。人の出入りがあるのですぐわかる。Netto、Lidy、Skyなどの店が多い。よってこういう店で買いだめをしておかなくては今後何10kmにわたって水すらも無いという過酷な運命に遭遇する。荷物はその分重くなるが「いのち」を運んでいると思えば軽いものだ。なにより行く先への不安な気持ちは払拭できる。 SIMカード WiFi以外に、インターネットをどこでも楽しもうとするとSIMフリーのカードが必要になる。どうもポーランドを出てからインターネットが繋がらないのである。 Bansin(バンシン)という最初の宿泊地で分かった。Google Mapが詳細図を表示しない、翻訳機能が音声を発っしなくなった、facebookが新しい情報を更新しなくなった等障害が現れていた。国単位でのインフラであり該当地以外は使えないというのは国策なのであろうが何とも不便である。 本文 Grefswald(グライフスバルト)からRostock(ロストック)まで 6/21(日) Reisberg(ラインスベルグ)にて・・・グライフスバルトから17kmと短いため、午後ゆっくり郊外に進んだ。ほぼ真北に梶を取る。途中にガソリンスタンドがあったのでドイツネットで使えるsimカードを物色。「Congstar」という通信会社のを9.9ユーロでget。やっと4日目にして手に入れた! これが苦戦の原因に。早速挿入するも電波の棒すら立たなくなりxマークが表示される。8kmの休憩ポイントでバイクの青年が通りかかったので助けを求めた。説明書をみてもらうと事前に詳細な個人情報の登録が必要であると。その後の話であるが、住所登録で日本の住所を教えたものだから手間取ったのであろうか。登録してから24h-48hで使えるようになるというのに48時間以上経っているのに使えないのであった。進捗状況を聞こうにも全てドイツ語による自動音声であり確認のしようがい。あぁ、10ユーロ返してほしい! もたもたしていても、 ラインスベルグには 18時に到着してしまった。教会も閉まっているしご近所の家のベルを押しても反応がないし、歴史街道のような見事な石畳の道を進む事にした。テン場になりそうな場所も無いため今夜は石畳と直交する通りにある一軒家のhotelに投宿。 6/22(月) Stralsund(シュトラールズンド) ・・ラインスベルグから テント予定のKummerow(クンメロー)に行く途中通過する一大観光地。ドイツの旅では最北に位置する。 ここから北の島に渡ることができるため交通の要所となっているようである。気温10℃と寒いのでYakobi教会で少し休む。この教会は外枠だけで内部はがらんどう。ステンドグラスや柱部分に歴史遺産が数多く残る。この外にもSt.Nikolai Rathaus St.Marien など沢山の教会がある。 6/22(月) Kummerowクンメローの悲劇・・シュトラールズンドで相当の時間を過ごした後4時ころテント予定地まで進む。そのクンメローで悲劇が。狙いをつけておいた場所でテントを設営。そこまでは順調。問題は真夜。1時頃大雨が降り出したのである。頭上の換気口からも雨が顔に落ちてくる。寝袋の足元が濡れてきた。換気のために大きく開けておいたテント入口からもろに雨が降り注ぎ入口部分に1cmの高さで浸水。早速水を掻き出す。ソックスやタオルをフル動員し水を外に搾り出す。まさに試練であった。翌日は寝不足で足がもつれる。 6/23(火) Ribnitz(リーブニッツ)にて感涙・・町中には昼過ぎには到着。なにせ未だ使えないインターネットをどうにかしなければならない。教会の牧師にも会いたい。明日への買い出しもせねばならない。濡れた寝袋を乾かさねばならない。歩くことのほかにやることが多い。小雨が10-15分置きに1-3分降るという複雑な雲模様に空を眺めては次なる雲の厚さを見計らって寝袋をベンチで干す。牧師舘を訪ねたが留守。インターネットの方はVodafoneのshopで相談。「Congstar」の方は諦める。こちらは本体15ユーロにsw代などとして計25ユーロも取られた。ポーランドのorangは4zł(約1ユーロ)ですぐ使えたのにこちらは真逆である。 さて今夜のテント場は国道と市道が交わる部分で交通量が多い。少し進んでみると牧場があった。その外れからまた農家が続く。一軒家の大きめの家が門が開いていた。大声で叫ぶも反応がない。裏庭に回ってみると歩道から下がった場所に格好の場所が。はたしてこの裏庭もここの土地であろうかと逡巡していると、猫が視察に現れた。留守宅でも猫が居るということは家主が外出しているだけかも知れない。許可なく勝手に使うわけにも行かず退散。猫が重要な仕事をしたことになる。歩道と牧場の間の隙間にテントを設営。中でタブレットなどをいじっていたら自転車で通りかかった女性が覗く。「大丈夫ですか?」と。恐らく先ほどの家の人であろう。程なくどっさり手荷物を持って現れた。寒かろうと毛布を、お腹が空いているであろうからとバナナ、スウェーデン製のクッキーを。その中からバナナとクッキーを頂戴する。涙がでそうになった。ドイツにも神さまが居るのだなぁと。 6/24(水) Rostock(ロストック)にて・・市庁前の広場に到着。張りぼての佇まい。正面がすべて飾りの建築様式である。台形や円を組合せた天井部分。厚さ50cmほどの壁で出来ている。 色は全て違っているものの不思議な落ち着きがある。夕食を目抜き通りの Block House で食す。 ロストックからWismar(ヴィスマル)まで 6/25(木) Biendorf(ビエンドルフ)にて・・ロストックからWismar(ヴィスマル)まで車道で62km。105号線であれば地図を見ることなく大都市に到着出来るがここは敢えて田舎道を選んだ。何とも静寂な雰囲気。Yakobiweg(ヤコビヴェーク:camino:)を彷彿とさせる土道も通る。村の教会に到着したのは午後7時過ぎ。掲示板を見ると時々openするようである。敷地には入って様子をみたが無断では憚られる。隣接する空き地が「grünabfäll :緑のごみ 」となり花壇の塵などを捨てる場所であった。その奥の樹林帯を利用。夕陽が少し早くなってきた。21:20頃の日没を確認しテントに潜り込む。 6/26(金) Wismar(ヴィスマル)にて・・ビエンドルフから ヴィスマルのコース(32km)の大半は海岸沿いのバイクコースと重なる。ポーランド以上にバイク人口が多いように映る。夫婦連れのサイクリストがとても多く微笑ましい。親子連れやグループなど多様。歩いている人は小生のみ。自転車道はアスファルトが多くタイヤに優しいようだ。 8km毎のWalkingパターンを少し変えてみた。1km毎に前に抱き抱えているリュック(Osplay-35L)を左右の手で持ち替える。水を飲んだりし今少しインターバルを置く。身体を褒めてあげるようにキャンデーなどを頬張る。快適な田舎道と言えども単調な展開にはこのように身体のほうで変化を与えてあげる。以外と効果を発揮し何kmでもこの調子で歩けることを確認。2時間ごとの大休止は今まで通り。天気が良ければマットを敷いて寝そべる。 港湾都市に旧市街を持つ典型的な北ドイツのMecklenburg-Vorpommern(メクレブルグ=フォアポンメルン)州の風景が展開されている。どの町も数時間しか居ないためゆっくり観光が出来ないのが残念である。ツアーと違って、はるか郊外から町の全容を捉え、また郊外に抜けていく。そいう行動パターンもなかなか面白い。 さて、ユースホステル(DJH :Deutsch Jugendherberg)はバイクの人達に人気の宿である。ヴィスマルのDJHは広大な敷地にスポーツ施設などもあり大いにエンジョイできる。赤ん坊を連れた家族連れが2組もいた。彼らは車での移動で15組位。50人位がバイクである。 ヴィスマルからLübeck(リューベック)まで 6/27(土) Holm(ホルム)にて・・テント場所と決めてあった場所は郊外型外型のお城のようなHotelに近い。道路反対側の未使用の原っぱを野営地とした。麦畑と菜種畑の広大な森とで出来ている場所でも隠れ家のようなレストランがある。ビールをしこたま飲んだ後2kmも歩くのは辛い。瀟洒なレストランをHotelの場所と勘違いしていたものだからその時点ではビールも正解であった。Google Mapで森の中の現在位置を仔細に観察すると2kmほどの誤差があったのだ。 6/28(日) リューベックにて 野原のテントをam5:00には抜け出しひたすらリューベックを目指す。105号線は市の直前で歩道が無くなった。構わず車道横の草道を急いでいたら車が止まった。ガソリンスタンドで給油し市内に戻る車で乗れという。まあここは善意に甘えるとしよう。7つも教会のある町である。時間が幾らあっても足りないため。2kmの距離でも短縮できるのは有り難い。Breite(ブライテ)通りにあるCafeでくつろいでいると教会の鐘が連打される。旧市街の中心にあるヤコビ教会の日曜ミサが10:30に始まった。11:30終了。神父さんと少し会話。印を貰う。この日を待っていたかのように気温がやっと20℃。島をなす旧市街の西側の塔に向けてパレードが始まった。やっと夏になるのではないだろうか。市民が弾ける気持ちが分かる。 総集編その2(ドイツ)に飛ぶ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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