明日で終わる、「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」を見に、六本木の国立新美術館へ行きました。ルーヴル美術館展は、上野の西洋美術館でも開かれています。こちらは、読売新聞社主催。国立新美術館は朝日新聞社の主催です。
同じ時期に開催で、関連があるのかな、と思ったのですが、ないようです。
上野は、「日本初公開約60点を含む71点の傑作が集結」ということで、先日上野へ行った時も、長蛇の列ができていました。
人気は上野でしょうね。
六本木は、「子ども」をテーマに「7つの部門の至宝約200点が一挙来日」とあります。
作品の数は圧倒的に多いです。
とにかく、古代エジプト・オリエント美術、ギリシャ・エルトリア・ローマ美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画など、なんでもありです。
会場に入ると、最終日に近いこともあって、すごく混んでいました。
構成は以下の通りです。
第1章 誕生と幼い日々
第2章 子どもと日常生活
第3章 死をめぐって
第4章 子どもの肖像と家族の生活
第5章 古代の宗教と神話のなかの子ども
第6章 キリスト教美術のなかの子ども
第7章 装飾モティーフとしての子ども(古代エジプト美術部門)
全部見ると、イメージがつかめ、素晴らしい展覧会でした。
ザッと見て、もう一度最初から、気になる作品を見ました。
まず第2章 子どもの日常生活の「衣服」「教育」「遊びとおもちゃ」がよかったです。
教育の現場で使われたものや、おもちゃ、エジプトの子どもたちの衣服(チュニック)や靴など、興味深いです。
エジプト後期の、木で作ったミニ黒板を何枚か閉じ合わせた「勉強用のノート」がありました。
パピルスの紙には、父が息子に教える「他人の悪口を言わない」「悪友とは関係を断つように」といった戒めが記されているそうです。
アドリアーン・ファン・オスターデ作の「学校の先生」(1662年、油彩)も、子どもの学習の様子がよく分かります。
第3章 死をめぐってでは、注目の「少女のミイラと棺」が展示してありました。棺上に描かれているのは、生前の姿を模したものだそうです。
そのほか、ポスターの選ばれた絵としても人気ナンバー1だった、ジョシュア・レノルズ「マスター・ヘア」(1788年)もやはり良いですね。
この絵の子どもは、男の子です。ヨーロッパの貴族社会では男の子でも、幼少の時は、女の子のように育てる習慣があったのです。
同じくポスターになった、ティツィアーノ・ヴェチェッリオの作品「聖母子と聖ステパノ、聖ヒエロニムス、聖マウリティウス」もすばらしいです。しばらく絵の前に立っていました。
もっと早く見に行くべきでした。