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アメリカのアップル・コンピューターがマッキントッシュというパソコンを販売し始めて、逸早く日本語入力・漢字変換ソフトを出し、ページレイアウトソフト、ワードプロセッサなどをマック向けに提供し続けていたソフトハウスがありました。
2007年、株式会社コーエーに買収され、2008年1月、1年間のサポート期間を猶予にソフトウェア事業の撤退を表明し、翌年1月、完全にその姿を消した、エルゴソフト。 ページレイアウトソフトで培ったレイアウトエンジンを搭載したワードプロセッサ、EGWORDは他の追随を一切許さないと断言できるほどの性能を持ち、ワードプロセッサでありながら、フルカラーのフリーペーパー程度の誌面なら簡単に作る事が出来た。DTPソフトを活用するプロ以外、手の出せないアドビのインデザインや、クォークのエクスプレスといった10万も25万もするソフトまでは行かないが、EGBRIDGEを含めて、たった23000円弱で購入できるソフトとしては上出来だった。 98年頃までウィンドウズ専用だったATOKと、一長一短で優劣の差は無いと言われる日本語入力・変換能力を持つEGBRIDGEは、ワードプロセッサ・一太郎と組み合わせて6万円弱もするATOKとは違い、国語・英和・和英辞書を標準装備し、他に参照できるのは、はてな ではなく、ウィキペディア、そしてGoogleまでも参照に出来る。一般的な言葉であれば、漢字変換候補のウィンドウの隣りに、漢字の意味などを表示してくれるのも便利だ。文章・文節での変換能力はATOKに勝っていると言われ、逆に、単漢字変換などを多用すると、変換候補に誤変換を招く「焼き付き」の様な症状を起こし、利便性を欠く事もあるのが難点とされた。 しかし、ATOKと比べてなによりも優れている点は、新しいOSへの対応の俊敏さである。 新しいOSがリリースされた1~2週間以内にはアップグレード、若しくはアップデートを配布し、即座に対応してくれる。ATOKのように何ヶ月も待たされる事が無い事が、愛用者が手放せない理由の一つでもあった。 そのEGBRIDGE&EGWORDも、2008年1月末日を以てこの世から姿を消し、最終対応OSは10.5のレパードまでである。 私がレパードを以てマックを使わないと日ごろ言っているのは、このせいです。 ATOKしか無いのならウィンドウズで十分。マックである必要性は皆無に等しい。マックユーザーとしてMacを使っていられるのは、EGWORDとEGBRIDGEがあるからで、無ければわざわざMacなど使うほどの価値もないと断言できる。それほどのソフトである。私にとっては。 心底、株式会社コーエーを怨んでいる。 そんな一寸先は闇しかないマックに再び光を齎したのが、株式会社物書堂である。エルゴソフトでEGWORD、EGBRIDGEを監修していた二人が退社して立ち上げた新会社は、アップル・アイフォン(商標の問題で正式な記述はアイフォーン)用のソフトを提供しながら細々と営業している。 その物書堂が株式会社コーエー(に握られた)からライセンスを受け、10月下旬にリリースを予定しているのが、Mac用日本語入力ソフト「かわせみ」である。 現時点、あまり期待はしていない。 これまで鍛えてきた変換辞書を活用できるメリットは捨てがたい。しかし、これがスノーレバード上でのEGWORDの対応を促すものではないし、当然ながら、EGBRIDGEの後継とは及ばないダウングレードである。それでも使えるに越した事ではないのもまた事実。大きな一歩が今、踏まれようとしている事には個人として大喝采である。 今後の成長に期待を寄せて、今しばらくは傍観したい所存ではあるが、そもそもマックでインプットメソッド(日本語入力ソフト)を使った事がない、文字を書く事が多いという方は、是非この機会に購入を検討してほしい。そして、それがいかに素晴らしいものか、肌で感じてほしいと思う。 EGBRIDGEに比べると機能的な部分では大きく劣るが、その差分は価格の安さにあると思っていいだろう。 かつてパチンコ企業に買収されたゲーム会社があった。後に独立を果たしたわけだが、裁判沙汰で大きく揉めた事を憶えている。物書堂にも、とは願わないが、ゆくゆくは復活し、今一度ワードとブリッジを・・・と切に願う。 │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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