雪の生野~長谷渓谷前のページ | ホームに戻る | 雪の生野~長谷渓谷 昭和47年4月1日(1972) 春だというのに寒かった。昨日は雪景色だったので、今日も同じく雪を 入れたシーンが撮れるかなと生野峠まで行った。 今日は生野峠の手前の鉄橋がねらいです。 寺前と生野の間には長谷という駅があるが、はっきり言ってここは わずかの集落しかない。そして、市川の上流部で渓谷美がすばらしい。 以前からそのシーンを撮りたいと思っていた。雪景色の渓谷。 と、いうわけで、まずは生野駅まで。 駅の北側が上り勾配だが、どうせDD54が前補機につくので、おもしろくない。 それよりも駅発車から下り坂に向けての渓流での撮影を優先した。 とりあえず、駅で記念撮影。 S47-4-01生野駅25DD54.jpg オレンジ色のDD54は僕らは赤ブタと呼んでいた。 このDD54は欠陥車と言われ、山陰線でしか活躍しなかった。 ( と、思う。このDD54は福知山機関区所属 ) いずれ、置き換わる前に試験運転を兼ねて、前補機となっている。 新井~生野~長谷~寺前の急勾配区間だけの貨物への補機だった。 これが、いずれ旅客にも置き換わってくる。当時はほんとに憎かった。 昨日はここで補機が切り離してC57113の単独列車を写すことが できたのだが、この日からそのまま補機がついたままで出発してしまった。 がっくりでしたね。 S47-4-01生野駅26発車DD54.jpg この貨物が寺前に着くと、DD54は切り離され、こんどは姫路発の 和田山行きの貨物の前補機となる。 本日のねらいの場所まで歩いていった。歩くしかない。国道は線路から 離れた場所を通っている。線路づたいは市川の渓流に沿った狭い道です。 舗装もされていない、車のすれ違いも困難な道なんです。そこを、てくてくと 歩く。ひたすら歩く。 途中の渓谷です。夏に写した写真はあるのだが、やはり雪景色はすばらしい。 S47-4-01生野峠28渓谷美.jpg この場面にSLが写っていないのが寂しいですね。 なおも歩く。そうだ、地図を取り入れてみよう。 地図 だめだった。地図のURLを載せたのでそれを見てちょ。 やっと目的地に着いた。これです。生野駅から約6kmは歩いたかな。 トンネルとトンネルの間の鉄橋上が目的の構図です。 そして寒い中をひたすらに待つ。そして、ついに来た~。 チャンスは一瞬です。 S47-4-01生野峠30鉄橋.jpg 赤ブタのDD54を松の木で隠して、C57だけを鉄橋の上でとらえます。 うまく隠せました。けど・・・、けど・・・・。 なんか、寂しい。煙は少ないし、前部が隠れているので、SLがいるのも 言われなきゃ分からん。赤ブタを入れた方がかえって良かったかな。 まあ、そんなこだわりはこの渓谷美でちゃらにしましょう。 この写真を撮りたいと願ってから、どれくらいの日々が過ぎたかなあ。 この場所には夏は何度も来ているが、冬に山水画みたいな写真を絶対に 撮影するぞと決めていた。やっと念願かなった。 でも、結果はたいしたことないね。意気込んだ割には冴えません。 こんなもんですね。 冬休みに来れば良かったのだが、冬休みは借金返済のために、 郵便局でアルバイトだった。あの冬休みがチャンスだったんですねえ。 金のために時間を無くしてしまった。体が2つ欲しかった。 自分の勝手な趣味のために親に金を無心するのはできません。 どこかで妥協しなきゃあね。 撮影が終わって、やや満足な気分で長谷方面へ歩いた。一応下り坂ですから、 生野駅に戻るよりは疲れが少ない。けれど、いつまで歩くのだろう。 途中で車が通ればいいのだが。 いつの間にかよく撮影した築堤まで来てしまった。 さすがに、これ以上は歩きたくない。幸いにも軽トラックが来た。 通る車を強制的に止めた。なんせ、狭い道ですから、通せんぼしたら 車は止まらにゃ仕方がない。なんとか、寺前まで乗せてもらいました。 S47-4-01生野峠31ダム.jpg このシーンもきれいでした。ここにSLがいたらなあ~。 そんなに何度も来られないし・・・・・ 一日がかりで、上下1本ずつの列車しか撮影出来なくなった。 もう、播但線の撮影も終わりに近い。 前のページ | ホームに戻る |