フィリピン・セブ留学　しほしほのブログ

日本の高度成長期、3種の神器といえば冷蔵庫、テレビ、洗濯機、この3つだったそう。

今では当たり前のようにあるこの器機も、当時は努力すれば手が届く「夢の商品」（Wiki Pediaより）だったとか。

物が溢れ、電化製品の値段も下がった現代では、2003年に小泉首相（当時）が食器洗い乾燥機・薄型テレビ・カメラ付携帯電話を「新三種の神器」と命名したり、

2004年にはパナソニックが、食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーター、生ごみ処理機をキッチン三種の神器と提唱したりと、時代によって、3種の名器は形を変えてきましたが、

それは昔のような「夢の商品」ではなく、買うか買わないかは、個人の好みや生活、価値観に基づいて、選択をするものになっているのではないかと思います。

翻ってここフィリピン。

フィリピンの庶民の家庭では、この3種の神器は、まだまだ神器としての後光を放っているのではないかと思います。

テレビ、冷蔵庫、洗濯機。

どれも"努力をすれば"手が届く商品です。

それでも、テレビは多くの家庭が持っておりますので、今では普通のテレビよりも、薄型テレビが神器に入るかも知れません。

冷蔵庫は、小さなもので10,000ペソ程度～普通の家庭で使うのであれば、16,000ペソ程度～と、小さなものなら普通の会社員の月給と少し高く、容量の大きいものは2倍ほど高いものですから、おいそれと買えるものではありません。

それでも、努力をすれば手が届く商品でもあり、ある程度普及をしています。

そんな中、

洗濯機は、最近全自動のものが色々出てきましたが、それでもまだ安い二層式の方が多いですし、そもそも洗濯機なんて持っていない人がほとんどです。

最近は共働きの核家族の家なんかは洗濯機を買っている所もあり、CMでも洗濯機用の洗剤なんかも宣伝をしているので、

以前よりは少々普及してきた感がありますが、それでも、まだまだ、普及には時間が掛かりそうです。

普及が遅れている理由の一つは、洗濯機が、テレビや冷蔵庫のように、万民が、買いたい！持ちたい！と切望しているものというよりも、

洗濯機は、フィリピンの人たちの生活スタイルや考え方によって、選択して買わないという点なのではないかと思います。

ここでは洗濯は基本的に手洗い、忙しい人は洗濯屋に任せるのが普通です。

つまり、洗濯機がないから手洗いをしている、というよりも、率先して（選択をして）手洗いをしているという方が正しいかも知れません。 

その理由は、洗濯機だときれいにならない、というのが一番。

当校講師やスタッフたちに聞いても、洗濯機は経済的に厳しいから買わないというよりも、皆一様に、「洗濯機だと汚れが落ちないから。」と言います。

確かに、しつこい汚れは洗濯機だと落ちない事もあります。

手洗いの方が、きれいになるかも知れません。

それでも、その労力と時間とを考えると、しつこい汚れは手洗いして、あとは洗濯機を使った方が効率的ではないかと思うのですが、こちらの人はそうは思わないようで、

洗濯機で洗う=汚れが落ちない、汚い、と思っている節があります。

洗濯機の普及がまだまだだという事を顕著にあらわすのが、住宅の構造です。

日本の住宅ならば、洗濯物を置く場所と洗濯機用の水道と排水溝などの設備の設置は必ずありますが、

ここでは、コンドミニアムも、アパートも、普通の住宅も、洗濯機を置くスペースがないのがほとんどです。

これは、日本人にはびっくりな事だと思います。

と、かく言う我が家には、LG製の全自動洗濯機があります。

ひ弱で申し訳ない限りですが、私には手洗いは正直無理です。

ただしやはり洗濯機を置くスペースと構造はないので、基本は家の中の中庭的な所に置き、使う時は延長コードを引いて電源を取り、大雨が降ると洗濯機を取り込む、という大変非効率的な事をしております。

それでもないとあるのとでは千差万別で、手洗いよりは100倍は楽していると思います。

そんな事である洗濯機ですが、たまに同居人の親戚が訪ねてくると、なぜか（見かねて？）私の服まで洗濯をしてくれます。 

しなくて良い、というのですが、溜まった洗濯物を見ると血が騒いじゃうのでしょうか。

早朝に来て、私が起き出す前に洗濯を終えている時もあります。

もちろん、手洗いです。

洗濯機を横に置き、ごしごしと手洗いをしてくれるのです。

それは本当に、本当にありがたいのですが、この手洗い、大変圧力が強く、たまにブラシ(タワシ？）も使うので、何せ服が痛むんです。

下着類も遠慮なくタワシでゴシゴシするものですから、そちらはえらい痛む。

確かにとってもきれいになるのですが、その分、繊維が毛羽立ったり、薄くなっていたります。

してもらっているのに文句は言うな、という所ではありますが、乾いて見てみると、ぎょっとする事もあります。 

ここの人たちは、とにかく服が少しでも汚れている事を嫌うので、多分これからも当分は手洗いが主流のままで、

洗濯機の普及には、もう少し時間が掛かるのではないかと踏んでいます。

ちなみに、学校の寮には、洗濯機が2台付いおり、皆さんが皆さんの衣服などは手洗いする事はありません。（当校の洗濯機）

また、学校の洗濯サービスでも、手洗いではなく、洗濯機を使いますので、（私のように）服が激しく痛むという事ないと思います。

ご安心下さいませ。（笑）