「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」などの比
喩で有名なバタフライ効果。これは、正確な未来予想は不可能で
あるというカオス理論の例えです。ところで、出会いにもバタフ
ライ効果があるのではないでしょうか。
＜偶然が必然になるとき＞
カーネル・サンダースとウェンディーズの関係をご存知でしょうか。
カーネル・サンダースといえば、23年前に道頓堀川に投げ込まれて
以来、行方不明だった人形が発見されたケンタッキー・フライドチ
キンのマスコット人形が有名です。言わずと知れたケンタッキー・
フライドチキンの創業者ですね。
サンダースは、40歳の時にガソリンスタンドの一角を借りて食堂を
始めます。店は繁盛しますが、1950年代に入ってから高速道路の開
通で客の流れが変わり、店に客が入らなくなってしまいます。
そこで、フライドチキンをワゴン車に積んで各地を回り、その調理
法を教えてフランチャイズに加わってもらい、歩合をもらうという
アイディア商法を考え出します。
彼が営業で訪れたレストランのひとつに、後のウェンディーズの創
業者となるコック、デイヴ・トーマスがいました。
トーマスはサンダースのフライドチキンを味見して、これは売れる
と確信し、オーナーに紹介します。オーナーもトーマスの意見を聞
きいれ、フランチャイズ店を４店舗オープンします。
ところが経営はあまり芳しくありません。
そこでオーナーは、自信があるなら店の権利を買わないか？とトー
マスにもちかけます。
コックとしてのキャリアを知っていた周囲の人々は反対しましたが、
彼はこれを受け入れます。
トーマスの夢は自分の店を持つことであり、さらに厨房に立つより
も経営に、より興味があったからです。
このチャレンジは成功し、事業をさらに拡大すると、この事業その
ものをケンタッキー・フライドチキン社に売却します。
この資金が、ウェンディーズ（ハンバーガー・レストランチェーン）
の創業に使われたというわけです。
こういう出会いは、結果だけをみると奇跡のように感じますが、プ
ロセスは、どこにでも起こりうる平凡なことの積み重ねではないで
しょうか。
「あの出会いが無かったら...」と、言えるのは、偶然を必然に変え
ることができたからだと思います。
参考；リチャード・Ｈ・モリタ著『 マイ・ゴール 』
経済危機を考えると、バタフライ効果はレバレッジの破たんを連
想させます。でもそれは、皆が他人のフンドシで相撲をとった結
果なのだと思います
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