とてつもない2センチの差
12日にジャスティン・ガトリン(アメリカ)が出した陸上100メートルの世界記録が取り消された。ガトリンのタイムは9秒766。0,001の位は四捨五入するのが規則だが、誤って切り捨てられて、9秒76と発表されたそうだ。正確には9秒77で、パウエル(ジャマイカ)との世界タイ記録になってしまった。このレベルの選手になると、0,001秒で1,02センチ進む。まあ、分りやすくいえば1センチだ。当初の発表通りの9秒76にするには、9秒764を出さなければならず、その差は2センチ。だが、この2センチはとてつもなく大きい。2センチ速く走れたかどうかで、陸上関係者はもとより、世界中のメディアが右往左往するわけだし、何億人という人々の話題になる。ガトリン自身も世界最速の称号が得られるかどうかは大問題。収入にも億単位の違いが出るだろう。大したことのない2センチの違いもあるし、これほどとてつもない2センチの違いもある。そういうものに振り回されるのも人間だからか。