楽しい未来のために

先日仕事で銀行に行きました。
１年ぶりくらいの友達に会いました。
引越しをしてしまったので最近は会えずにいました。

いろんなことを話したのですがその友達が

今の私の状況はある意味羨ましいと・・・
商売もやめられて、借金もなくなって、一人で自由にいることが。。。

そこの家もご主人が自営業で奥さんがそれを手伝っている
不況の中、借金に苦しみ、銀行にも積み立ての解約にきたようだった。
そして夫婦仲が悪い。
離婚したいのだけど、購入した家のことや
事業のための借金などいろんなことで離婚できないでいる。

こんな風に言ってはいけないかもしれないけど
夫婦仲が良かったうちではなくて自分のとこだったら
どんなにかよかったことかって。

前は、こんな風に言われたらきっと穏やかではいられなかったと思う。
でも、今は彼女の気持も分かる。
借金に追われる生活とはそういうもの。

仲が良かった我が家でさえ、借金でどうにもならなくなったとき
喧嘩が絶えなかった。
毎日、毎日お金がなく毎日、毎日借金の返済のことが頭から離れない生活。

もしかして、あのままの生活を続けていたら彼女のように私も
思っていたかもしれない。

いつも思っていた。私はまだしも、子供達には人並みの生活を
させてやりたいと。
せめてご飯くらいは美味しいもの食べさせてやりたいと。

パパがこうなって悲しいけど実生活は、
パパの保険で借金も全額返済できた。
そのために生命保険は無くなったけど
今、借金がないという生活がどれほど私の心を
穏やかにしてくれているか。

私は、もう２度と借金を背負うような生活はしたくない。
大げさではなく１円たりとも借金したくないという気持。
（まあ実際はカード払いなんかもあるから
　１円たりともってのは語弊があるかもしれないけど）

今でも時々考える。
なんであんなに借金が増える前にどうにかしなかったのかって。

パパのプライドでうちの両親にどうにもならないことを
言いたくなかったと同時に
私もそんな状況になってしまったことを両親に言いたくはなかったと思う。
うちの両親も苦労して会社を大きくしてきた。
だから借金を踏み倒したり自己破産などしてしまうような人を
いいように思うはずもない。
ましてや、それが大事な娘の旦那だとしたら許せるはずもない。
私は、元々好かれていない遊び人タイプのパパを
これ以上悪く思われたくないと常に思っていた。

そういう事態になったら私たちは離婚だと思っていた。


子供達も言う。大金持ちになれなくても貧乏はもう絶対にイヤだと。
幼かった子供達の心にもそういう記憶がしっかりと残っている。

雨漏りだらけの家。
パパが蹴破ったリビングの窓ガラス。
そのガラス窓を買い換えることができず
ダンボールとガムテープでふさいでいた。
友達や学校の先生の家庭訪問の時、
姫はどんなにか恥ずかしい思いをしたことか。
イライラのやり場をなくしたパパが
家中の壁を殴って穴が開いて壊していた。
それを隠すために異常にカレンダーやポスターや子供が書いた絵が
はられていた我が家。
殆ど家に帰らなくなったパパ。

確かに幸せだった時もあったけど、
もしかしたら人から見れば
実状は不幸の見本のような我が家だったかもしれない。

今はとても平和に暮らしてる。

きっとその様子は、今借金で苦しんで
どうにもならない彼女にとっては
本当に羨ましいものなのかもしれない。

世の中は、お金持ちはお金が増える。
貧乏人は借金が増える。
そういう仕組みになっている。（と、私は思う）
貧乏からはなかなか脱出できない。
もがいてももがいても底なし沼に沈んでいくような感じだった。

もう２度とイヤだ。
私も子供も、今の穏やかな生活を知ってしまったから。

ある意味羨ましいと言わずにいられない彼女の今の状況を
案じるしかない。
私は解決できなかった人だから・・・