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カテゴリ:調理場にて
結構前に書いた記事を転載してみる。 当方みたいな職業の専用道具ってのは、こうやって紹介でもしないと見てもらえる機会が無さそうなので。 裏方仕事なので表の光には「身」も「道具」も当たらないって事は解ってるんですけど、長年連れ添った"相方達"なので紹介させてください。 一応、数字付けてみたけど見づらかったら画像クリックで少しだけ拡大します。右上の小さなナイフから1、左下のナイフで20。 アルゼンチンで仕事するのにどういうナイフを持って来ようか迷ったんですが、結局この20本になりました。日本の「秘密の場所」に更に30本ほど隠してありますが、使いづらいか使いやすいかの問題で、中でも特に自分の手に合ったものや、より付き合いの長い相棒のみ持って来ました。文の最後にメーカーを記入します。参考程度にどうぞ。 それでは説明。 1:は医療用メスです。どこから仕入れたかは極秘ですが、とにかく切れます。世界中の刃物の中で一番切れ味が良いものは「メス」だと何処かで聞いて裏ルートから仕入れました。「グヘヘヘ、脱がないと力ずくで服を裂くぞ!」なんて危険な事には使いませんよ。主にパンに切り込みを入れるために使用します。主に・・・って他には無いですけど。メーカー不明。 2:チーズカッターです。写真では判りにくいですが、上下刃です。上片方はギザギザのノコギリみたいな刃で、下片方は波をうっているような刃。何故波の刃なのかというと、チェダーチーズやアメリカンチーズは通常のナイフのような平たい刃だと真っ直ぐに切れません。真っ直ぐとは切り初めと切り終わりの厚さが変わるって事です。刃に波が付いてると簡単により早い仕事が可能です。さらに見た目にもイイですよね。INOX SAKAI 3・4・5はペティナイフです。これは説明する必要は無いでしょう。3番のぺティナイフは10年使ってます。刃の大きさは4番とそんなに変わらなかったのですが、研いでいるうちにこの大きさに。3:MISONO UX10 4:SUGIMOTO 5:YOSITERU 6:は、これもチーズカッターですが、『アオカビ』チーズ用です。ブルーチーズやゴルゴンゾーラなどのアオカビチーズは、普通のナイフで切るとかなり割れやすい(割れたら商品価値が無くなる)ので、ナイフにくっ付かない様に穴が空いています。刃は波をうってノコギリ状です。INOX SAKAI 7:はパン切りナイフで、これも波うちノコギリ状です。パンの周りのパリパリを割らずにシャープに切る形状になっています。昔の彼女がパン屋でバイトしてるときにもらった。LUPIN(ルパン)と書いてあります・・・名前が不吉ですね。。 8:ガラスキナイフです。刃が厚く、和包丁の出刃みたいな役割もしますが、ナイフの先端が細いので細かい仕事も比較的出来ます。鶏肉肉の骨を砕いたり、牛モモなどの大きな塊肉を別けたりするときに多く使用しますが、当方は小型から中型の魚を卸すときは専らこれを使用します。グレスデン 9:は洋出刃と言われていて洋食コック版の出刃包丁です。魚関係にしか使用しません。鯛などの骨の硬い魚はコレで骨を切ってダシを取ります。グレスデン 10:コイツは載せようかどうか迷ったのですが、結構付き合いが長く「オレも!オレも!」と言ってきまして仕方なく仲間に入れました。コイツは所謂「捨て包丁」です。主にパイ等を折って、台にこびりついた小麦粉を削ぎ落とす様な事に使用しています。何気に一本持っていると便利。なのでコイツは全く切れませんが、無論当方との関係も切れません。SUGIMOTO 11・12・13・14は筋引きナイフです。洋食のコックはこれに一番プライドを感じているのではないでしょうか。食肉のスジを取り除く為のナイフです。肉のサイズによって使い分けますね。又はフィレになった魚をgに切り分けるとか、そういう細かい仕事をする為に使います。刃は薄いです。11:INOX SAKAI 12:ブラジル鋼の包丁で一番最近買いました。使い心地はあまり良くない 13:グレスデン 14:ゾリンゲン(ドイツ製) 15・16は牛刀です。野菜用です。一般家庭には必ずありますね。15:オーダーメイド(刃渡りから材質までオーダーしました。) 16:グレスデン 17:和食の菜切り包丁です。ツマや剣など千切りをするときに使用します。杉本 18:和食の柳刃包丁です。吉宗 19:和食の刺身包丁です。杉本 20:和食の出刃包丁です。吉宗 和包丁は使用する機会はあまりありませんが、持っていたらフレンチのコックでもそれなりに便利です。ちなみにこの中で一番付き合いの長い相棒は16番の牛刀です。コイツとは11年一緒にやってきました。当方の若い頃の血も一番たくさん飲んでます。 こうやって意識して見てみると、グレスデンが多いですね。一番当方の手に馴染むような気がします。使用頻度の一番多いナイフが16の牛刀、次に3のペティ、11の筋引き、8のガラスキですかね。 この4本があれば殆どの仕事に対応できます。毎日仕事が終わってから「今日もありがとう☆」とブツブツ言いながら砥いでいるので、この4本は刃の減りも早いです。 上記のナイフ収納ボックス、俗に言う包丁ケースです。中には30本ほど立てて入るようになっていて、その他にも小物を入れられるようになっている。頑丈そうなボックスですが、残念ながら札束は入ってません。 小物は200℃計りの温度計、製菓用の小物、口金、絞り袋、シズレ、カヌレ(レモンなどの皮に飾りを入れるカッター)、セルクル(抜き型)、砥石、その他小物多数。 そしていつ入ったモノなのか、何で入れたのかは解りませんが"たまごっち(電池無し)"が入っている。。 ・・・・・ 思い出してきた・・・そうだ、前々の表題の時にこの記事をアップして、かみゆいさんがこの後に床屋さん用のハサミを紹介したんじゃなかったでしたっけ??うん、確かそうだ、俺が見せて下さい!ってお願いしたんだ・・・そんなような気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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