
赤々とした炎のように何かに恋いこがれ、そして切望する人たちの行く末は…と描かれた5つの短編集です。『花まんま』で直木賞を受賞した朱川湊人の新機軸とは評されているが…う~ん。焦がれるものが、“フィリア”などという言葉で表現されるものでなければ、これほど抵抗がないのかもしれませんが、どう考えても、作中でもそう表現されている通り、“フィリア”というレベルで何かに恋焦がれている人々を描いています。
“フィリア”というのは、あるものに、変質的に固執する傾向を表す言葉で、対義語としては“フォビア”という言葉があり、病的にあるものを忌み嫌う傾向を表します。どちらも、極端に病的に近い傾向を示すため、あまりいい意味で用いられないことが多いです。よく知られているものとしては、映画のタイトルにもなった『アラクノフォビア』とかもそうですね。これは蜘蛛を病的に苦手とする主人公が異常発生した蜘蛛と戦わざるを得なくなった内容だったような…(内容は詳しくないのです)。“フィリア”の方は“ぺドフィリア”というのが小児への偏執的な愛を示すことも有名ですね。他にも医学的に使うことが本当は多いのですが…一般的には偏執的で変質的な意味合いに使われていることが多いみたいです。ネクロフィリアとかね~。
この作中にもネクロフィリアだったり、アクロトモフィリアなどが描かれている。それは、あまり、赤裸々に描くべきものなのかどうなのか…。今までの作品とは、テーマが違いすぎて、ちょっと戸惑っているというのが正直なところです。というか、正直に言わせてもらうと、直木賞を取った直後の作家さんが、新機軸として発表するべきものではないと思っています。まず、救いがない作品が多いこと。テーマも、個人の趣味とするならともかく、赤裸々に語るものではないこと。そして、犯罪に近しいものであること。などが理由です。
ラストまで読みましたが、読み返したいか?と問われた時に、答えられないです。朱川湊人の作品が好きで読んだ人は、この作品を読んでどう思ったのかなぁ…と思わずにいられませんでした。次の作品は、こういうのではないといいなぁと思います。次回はちゃんと本屋で立ち読みしてからでないといけないですね。
> 読み返したいか?と問われた時に、答えられないです。
(苦笑)朱川さんの作風は好きなのですが。
さすがにこの本だけは苦手です…きっと一回読んだきりになるでしょう。(爆)
ま、禁断の世界の内容をあえて扱ったという意味合いでは
凄い事ではあるのでしょうが…私は到底、理解に苦しみました。(2006年09月30日 22時59分42秒)
あおニャンさん
こんばんは~^^二度読みが基本のうさぎですが、も一度読む気力がありません。普段は一気読みですが、これは一気読みも出来ませんでした。一話読むごとにグロッキーになっちゃって。苦笑^^
ちょっと、そういうアンダーグラウンドな物や心を扱う傾向がある作家さんだとは思っていましたが、今回のはあまりに極端すぎて…一般的には禁忌でしょ~と思ってしまいました。人それぞれ、人には言えない偏執的なこだわりとかはあるでしょうが、それを心の中で認めることと、こうして、文章の形になって表に出ているものを納得するのとは別問題ですよね?
(2006年09月30日 23時05分37秒)