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カテゴリ:読書
【内容情報】(「BOOK」データベースより) なんだか変!いったい何が起きてるの?大好きな和おばさんは、愛娘を亡くして大きなショックを受けているはず、だからあたしが力づけなくちゃ。でも、それにしても。─何かがおかしい。澪湖は、その謎を探り始める。失われた記憶と、関係のなかで醸成され増幅される呪詛…著者ならではの軽妙な文体でつづる濃密な物語。 父親の妹である和(やまと)叔母さんに事実上育てられたと言っても過言ではない、主人公の澪湖(みおこ)。和叔母さんを大学生になった今でも『やまとばちゃん』(やまとおばちゃんが縮まったもの)と呼んでいる。やまとばちゃんは、辛いことがあると、1~2日閉じこもり、再び現れた時には、冷静になっているのだ。しかし、今回は、不妊治療をしてまで頑張り、それを諦めた時に、ひょっこり授かった愛娘を失ったのだ。それなのに、…とても冷静な姿を見て、さすがの澪湖も不思議に感じる。そして、ありえないことに、気がついてしまう。去年の夏には妊娠中で泳ぎに行ったはずなどない、やまとばちゃんの背中に水着の日焼けの跡が残っていたのだ! 意味が分からず混乱する澪湖だったが、高校のクラスメイトでオタクの代名詞のような存在であった木塚くんに助けを求める。澪湖が思いついたのは『盗まれた町』(映画だと『ボディ スナッチャー』とか)だった。しかし、その澪湖自身も、やまとばちゃんが他の何かになりきったわけでないことも分かるのだ。そして、いろいろな事実から木塚くんが導き出した結論は…『気のせい』もしくは……。 それを確認するために、やまとばちゃんの家に向かった二人だったが、やまとばちゃんはきちんと対応してくれた。そして、澪湖が母とも慕っていたやまとばちゃんは…。 冷静に考えると、悲しい話。でも、それは誰が知っても悲しいので、やまとばちゃんと、澪湖だけが知っているんですね。途中で、澪湖だけが分かっているという記述もあったし。とてもとても、深く掘り下げるほど、悲しかった。希望がないわけではないのだけど。だって、その希望が叶ったら、また、やまとばちゃんは恐怖に震えるわけなので…。 久々の新井基子でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年02月01日 18時01分09秒
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