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カテゴリ:読書
銀色夏生の新刊「ばらとおむつ」が角川文庫から発売されました。
ばらとおむつ この表紙の写真、つれづれファンならピン ときますよね。「空の遠くに(つれづれノート9)」のP.262に、銀ちゃんが部屋の壁にバラを描いて、かんちゃん(=カンチ)が羨ましがっているシーンがありました。そして、その部屋でさくぼう(=さく)を抱いている銀ちゃんの写真、覚えていますか あの時に、こんな写真も撮っていたんですねぇ~。まさに、このタイトルにピッタリです。 空の遠くに さて、内容ですが、本の裏表紙にはこんなふうに書かれています。 脳梗塞になった母、しげちゃん。兄、せっせによる介護記録と、日常のあれこれ。 まわりにいる風変わりな人たちや、子どもとの会話を織り込んで、毎日は、つるつる過ぎていきます。 以前の本で、しげちゃんが倒れたっていう記述があったので、ひそかに心配していたのですが、脳梗塞だったんですね。そのしげちゃんの介護記録を長男せっせがメールで弟と二人の妹に送ったのが「ばらとおむつ」通信で、第1号から第101号までが載っています。 ところで、つれづれファンの方は<せっせの日記>を覚えているでしょうか?「遠い島々、海とサボテン(つれづれノート4)」のP.114と「さようなら、バナナ酒(つれづれノート5)」のP.241に、<せっせの日記>に関して書かれています。毎日、英語で日記を書いていたんですね 親の介護という暗いイメージを持ちますが、さすがは銀ちゃん。どーんと重い感じではないんです。そして、あのマメなせっせの介護記録が、期待にたがわずというか、期待以上にいい味を出しているんですよ せっせも文才があるんですねぇ~。それに補足する形で、銀ちゃんが日々のあれこれや考え方を綴っている。そう、これは形を変えた「つれづれ」なんですよ。 「つれづれ」といえば、子供たちと銀ちゃんの面白いやり取りが思い出されますが、今回爆笑したのが、銀ちゃんが修学旅行に行くカンチに書いた手紙。う~ん、普通こういうこと書かないよねぇ~........ カンチと銀ちゃんの母娘関係も相変わらずですが、カンチも大きくなって銀ちゃんの相談相手になっているようだし、まあ、この二人は喧嘩をしながらも、ずっとこんな感じで付き合っていくんでしょうね。 さて、本書では、いままでの謎(?)がいくつか解明されています。まず、しげちゃんの写真がたくさん載っているんですが、これを見て、「川のむこう(つれづれノート14)」にあった、上海のショットに写っていたのは、やっぱり、しげちゃんだったってわかりました そして、美人と評判の高いしげちゃんのお姉さま方の写真もありますよ。これも、つれづれファンには嬉しいですね。 川のむこう 4月18日の近況で、しげちゃんがオーストラリアに着て行ったオーバーとジャケットを持ってきてくれと頼んでいるシーンがありますが、このオーストラリアって、「メール交換 銀色夏生×HARCO」で銀ちゃんが書いていたケアンズ旅行のことですね。家族旅行としか書いていなかったけど、この時しげちゃんも参加したんですねぇ~。 メール交換 せっせの文才とならんで驚いたのが、しげちゃんの塗り絵。モミジの葉っぱを綺麗に塗り分けています。一色ではなく何色もの色をおいて、紅葉になりかけている葉を表現しているところは、さすが また、読書が大好きなようで、図書館から本を借りて読んでいるところなどを見ると、銀ちゃんの文や絵の才能は、しげちゃんから譲り受けたのかもしれませんね。 以前の日記、<「やさしい春を想う」by 銀色夏生>で、『昨年の11月に発売された詩集『やがて今も忘れ去られる』に「生きるということ」という詩があって、これも今の子供達に向けて書かれた詩のような気がしている』と書いたけれど、これが正解 これを含めた3つの詩をカンチが小学校に卒業する時に6年生に送ったのだそうです。 やがて今も忘れ去られる ところで、一つグッときたのは、さくぼう(=さく)の<給食費盗難冤罪事件>。さくぼう(=さく)の気持ちを思うと涙が出てきてしまいます。銀ちゃんらしく、客観的にサラッと書いてはいるけれど、そこはやはり母親。気になるらしく、後でこの事件に関して何度も何度も書いています。こういうのって、先生の対処次第でどうにでもなるはずなんだけれどなぁ~。これが、さくぼう(=さく)のトラウマにならなければいいな、と思っています。 あとがきで、せっせからのこんなメッセージがありました。しげちゃんの近況などを含めて、「珊瑚の島で千鳥足」通信を書いてみようというんですよ タイトルからして、かなり期待できそうじゃないですか。つれづれが終わった今となっては、貴重な「通信」です。銀ちゃんも『もし、需要があれば、「珊瑚の島~」もお届けします。』って書いているし。せっせと銀ちゃんの<コラボつれづれ>、次回もよろしくお願いしま~す お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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つれづれノートがおわってから、ずいぶんあってなかった銀色さんの本のこと、たのしくよみました。ありがとうございます♪ばらとおむつかわいい。さっそく空の遠くにをかくにん。川のむこうにがみつからない・・・。どこだろう。かわいいブログでうきうき☆でした。ではまた。
(May 21, 2007 06:52:48 PM)
今度の本を読んでると、過去の銀色本のあれこれが
色々と甦ってきますね。 ファン冥利に尽きるというかなんというか。 今日、私のところに訪問して下さったある方が うらないの本で書かれていた、“詩をリレーするような… 自分一人じゃないけど、主導権をにぎってるのは銀色さんで…” という言葉は 「ばらとおむつ」 の事なのかなと思ったと言ってましたが まさしくそう。 銀色さんが抛った謎が、また一つ解けた感じです。 (May 22, 2007 12:04:35 AM)
のそのそらさん、こんにちは。
うささん通信にようこそ! つれづれが終わってしまって、ファンとしては寂しい思いをしていましたが、この「ばらとおむつ」は、まさに「つれづれ」っていう感じがします。 また、せっせの文章がなんとも軽妙でいいんですよ。この「コラボつれづれ」は、銀ちゃんファンにはオススメの一冊です。 では、これからもよろしくお願いいたします♪(^-^*)/ (May 22, 2007 10:21:34 AM)
yumyumさん、こんにちは。
今度の本は、「そういえば、あの時は~....」なんて思い出しながら読んでいました(^-^) う~む。「うらない」でのあの言葉が、「ばらとおむつ」を暗示とは気が付きませんでした。そういわれてみれば、確かにそうですね!するどいなぁ~(@_@)/ こうしてみると、いろいろな謎が解けて、スッキリとした気分になれる「ばらとおむつ」って、ファンには格別にうれしい一冊なんだなぁ~と、改めて思うのでありました。 (May 22, 2007 10:35:30 AM)
やっと僕も感想をアップしました。
銀色夏生家の人々。。。 健在ですなすなぁ。。。。 特に「ばらとおむつ」では、しげちゃんの写真も多くて、脳梗塞で倒れたと心配しましたが写真の笑顔を見て一安心でした。 せっせも相変わらず歯磨きに時間をかけているようだし(笑)かんちゃんと夏生さんとの喧嘩も。。。。さくちゃんはまだ甘ったれ(笑) ご家族の一人一人の個性は「つれづれ」のままですが、皆さんの個性がより目に見えるような作品でしたね♪ (May 30, 2007 06:32:14 PM)
夕螺さん、こんにちは。
今回は、謎の人「せっせ」の一面がよく分かって、とても興味深かったですね。それに、せっせの視点から銀色夏生家の人々の様子が描かれているので、銀ちゃんの視点とは違っていて、つれづれのようでつれづれでないっていうところが、この本の面白さだと思います。 これが、夕螺さんのおっしゃっている「皆さんの個性がより目に見えるような作品」っていうのにつながっているのでしょうね。一方向からだけでなく、二つの方向から光があたっているので、より鮮明に像が見えるっていう感じでしょうか。 次回作にも期待したいですね(^O^)/ (May 31, 2007 02:06:11 PM) |