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観戦した日本代表の原口(ヘルタ)も「両チームともうまかった」と感心しきりだった第40回全日本少年サッカーの決勝(29日、鹿児島)。横浜F・マリノスプライマリーを2―1で破ったセンアーノ神戸は、8月の全日本フットサル大会に続く二冠達成だった。 高校年代の最強チームを決める高円宮杯チャンピオンシップも青森山田高が広島ユースを破って頂点に立ったばかり。小学生日本一を決める今大会もJリーグ勢で4強に残ったのは横浜Mだけ。日本サッカー協会の田嶋会長は「(町のクラブの健闘に)底辺の広がりを感じるが、Jもレベルを上げていかないと」と少し残念そうだった。 初出場で3位になった東京代表の府中新町FCも小学校の校庭で練習する町のクラブ。テレビ局勤務の葛谷監督の人脈を生かし指導陣は充実しているが、入部の際には「セレクションもしていない」と同監督。Jクラブに集まるタレントの質と量のすごさにはため息が出るが、一つ気になるのは現場で会う指導者がよく入れ替わることだ。 「こちらは自分がずっと子供たちの面倒を見ているけれど、Jの方は現役を退いたばかりの若いコーチが修業の第一歩みたいにやってくる。元選手の再雇用の場として使われたりするのは仕方ないが、純粋に育成のことを考えたら……」 2、3年で小学生の指導を卒業? するJクラブのコーチに「次に何をするのか」と聞くと「ユースに上がります」といった答えが返ってくる。葛谷監督はこの「上がる」という感覚も引っかかる。指導にはそれぞれの年代に固有の難しさがあり、小学生より高校生を教えるコーチの方が偉いわけではないからだ。 欧州では子供を教えるのは経験豊富なコーチの仕事であることが多い。戦術の原理原則、ピッチ上のマナーを子供にたたき込むのにシニアであることはかえってメリットになるのだろう。 一方でドイツを中心にトップチームにはITに強く、分析にたけた新進気鋭の監督が次々に誕生している。選手育成というベースの部分は熟練の仕事に委ね、純粋に勝利を追求するトップの部分は最先端の若い知見を積極的に導入しているというか。コーチする側とされる側のマッチングが日本とは逆のような気がしてならない。
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最終更新日
2017.01.12 01:59:56
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