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カテゴリ:ドラマ
「わたしたちの教科書」 評価4.5(5段階)
フジ系 木曜日22:00~ 主演:菅野美穂 出演:伊藤淳史 谷原章介 風吹ジュン 真木よう子 酒井若菜 志田未来 他 中学校で起きた女子生徒の転落死から、いじめや登校拒否、教師の質など現代の教育問題を扱い、人権や生命を第一とする正義感と、世間体、自分大事、日常に流される現実の中でゆれる現代の人々の苦悩を描く社会派ドラマ といったところか。 わたしとしては、「女王の教室」でユーモラスで前向きな生徒を個性的に演じ、「14才の母」では難しい役を熱演した志田ちゃんと、「愛し君へ」や「あいのうた」などで感動させてくれた菅野さんが出るということで、期待していました。 な~んと、志田ちゃん(藍沢明日香)は初回で転落してそのまま亡くなってしまうのですね。これでは特別出演のようなものではないですか。 残念! 親がなく、いろいろ問題を抱えている子だが、担任の加地(伊藤)に笑顔を見せて登校してきたのに、本当に自殺だったんでしょうか。 明日香の死ののち、いじめを受けていた証拠の教科書への落書きなどが見つかるが、学校側(風吹)は、釈然としない対応をする。 弁護士の積木(菅野)は明日香転落死の真相解明のため、証拠保全措置を裁判所に請求し、学校へ乗り込んだ。 積木と明日香の関係は複雑なものだった。すなわち、積木は過去に結婚していたことがあり、そのときの夫の連れ子が明日香であり、 元夫は、結婚直後に明日香を残して失踪した。 積木は、子供を置去りするため利用されたことを知り、すぐに施設に明日香を預けてしまった、ということだ。 積木は、明日香の遺品を見て、短期間しかない義理の娘との交流の思い出をたどる。 施設につれていく途中にいっしょに食べた、たいやきのこと、小学校1年生で学校で書いた「おかあさん」の作文のこと、わずかしかない娘とのエピソードをたどって積木は涙する。 どのような経緯があったにせよ、義理でも、縁あって親子として一時はいっしょに暮らした関係である。その子の死を聞いて、冷静でいられるわけがない。 菅野さんのこのあたりの演技はさすがですね。こちらも貰い泣きしてしまいそうでした。 転落する前、明日香は自分を頼ろうとしていたのではないか。それを気づいてやれなかった。という心残りもある。それで、いじめの真相解明にのりだしたのだろう。 何か重大な事件がないと、問題に気づかないということなのか。 また、担任の加地は、担当クラスの生徒の死に際し、いじめの事実を追求しなければならないという責任感がありながらも、日常の忙しさに、そのことを忘れかけてしまう。 人というのは、そういった、辛い事件をも風化させていく面があることもよく描いていたと思う。 自殺なのか事故なのか、解明のなかで浮かび上がる学校の問題や人のもつ表と裏とは。 現代の問題をするどく描くかなりリアリティのある社会派ドラマとなることは間違いなさそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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