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感染ルンです。。。

感染ルンです。。。

感度10倍分の5.6とNDフィルター

快晴の日中撮影でISO100のフィルムであれば、大抵のカメラで選択できる1/1000秒のシャッタースピードを選択して、なかなか使いやすい絞り値のF5.6にするという「感度10倍分の5.6」から考えをスタートさせる組み合わせは、結構使えるのではないだろうか。特にスナップであれば、被写体ブレと手ぶれは発生しにくいシャッタースピードであり、被写界深度もあり、適度なボケも得られることだ。

では、大口径レンズ開放撮影するにはどうするか。

確かに「感度160倍分の1.4」と言えなくもないが、呪文としては面倒である。なんと言ってもISO100フィルムだとしても、1/16000秒なんてシャッタースピードが使えるカメラなんてありません。

やはりここは「NDフィルター」に登場を願うことにします。

NDフィルターに疑問や嫌悪感を持っている人もいるだろう。実は最初自分もそうだった。なんとなく光を均一に紫から赤までカットするということに疑問があった。せっかく光があるのにもったいないのではないか、とも考えた。しかしながらよく考えれば、レンズコーティングの違いによってカットされる波長にも違いがあるだろう。フィルムによっても分光感度特性が違う。ましてプリントをするためには、ポジポジ方式であろうと、ネガポジ式であろうと、何度かの光学システムを利用しなければならず、ロスは必ず発生する。ましてフィルムをデジタイズすることになればなおさらだ。一旦考えがまとまるとすっきりするもので、NDフィルター否定派から肯定派へとあっさり主旨替えすることになった。


大口径開放撮影するためには、NDフィルター万歳なのだ。


カタログをチェックすると、ケンコーやマルミにソリッドガラス製の高性能真空蒸着タイプのNDフィルターが何種類かある。しかし濃いもので「ND8」という露出倍数8倍、3段落ちのNDが使える最大濃度である。

3段落ちできれば大口径開放撮影に有効かと思えば、F1.4開放レンズでISO100のフィルムを使う場合、1/2000秒のシャッタースピードが必要だ。大抵の一眼レフやレンジファインダーであれば、ヘキサーRF、ベッサ、ツァイス・イコンが母艦にならないと対応できない。つまり、ライカでは無理がありすぎる。まして、F1.2やF1.0という大口径レンズであれば、選択肢はかなり減る。一眼レフでも1/4000秒がある機種がなければ難しい。レンジファインダーであれば、ヘキサーRF以外の選択肢はあり得ない。

どーしたもんか。。。

このように高濃度NDフィルターが必要な場合には、フジフイルムのトリアセテートタイプのNDフィルターを選択する方法がある。実に16種類もあるので丁度良い、自分に適した濃度を見つけやすいと思う。

それでは丁度良い濃度のNDフィルターってなんだろうと、感度10倍分の5.6で使った表を眺めてみた。

結論として、先の通り一眼レフで1/2000秒を搭載しているカメラであれば、「ND8」で乗り切れそうだ。もう少し濃度の高いフィルターを用意してもよいかもしれないが、一眼レフはNDフィルターを装着した状態でピントを合わせなければならないため、「ND8」以上ではいささか厳しいかもしれない。

したがって、一眼レフで快晴日に大口径開放撮影をするための条件としては、ボディは1/2000秒が使えること、ISO100またはISO50にすること、ND8クラスのフィルターを使うこと。これでよいのだ。

次にレンジファインダーの場合を考えてみる。僕はヘキサーRFというレンジファインダー最速シャッターを持つカメラを使用しているが、モノとして使いたいのはライカの方が上である。そうなるとできれば1/1000秒は厳しいものがあるので、最速シャッタースピードとしては1/500秒を選択してみたい。再度表を眺めてみた。


そうだ!F5.6で揃えよう!


あるコマーシャル系の人はCCフィルターを使って自分が使う全てのレンズの色味を調整する人もいたと聞いたことがある。ならば僕は、日中撮影では「感度10倍分の5.6」を使いこなすために、全てのレンズをF5.6で揃えてしまえばよいのだと結論づけた。

そうすれば、大口径開放撮影もスナップ優先F5.6撮影も両方に対応できるのだ。つまり、高濃度のNDフィルターを付けたとしてもレンジファインダーであればピント合わせに影響はない。感度10倍分の5.6を有効に使い、開放撮影であればNDフィルターを装着し、スナップ撮影であればF5.6に絞ってNDフィルターを外すことにより同じシャッタースピードで撮影すればよいのである。これは便利だ。

したがって、開放値により4段から6段程度落ちるNDフィルターを用意すれば完璧である。

しかしながら、トリアセテートタイプのフィルターはふにゃふにゃしていて取扱いが面倒である。これは何とかしたい。シートフィルター用フードもあるが、スナップの場合はカメラを縦に横に動かすことが多く、激しい使い方は似合わない。やはりここはネジ止めのソリッドガラスタイプの方がかなり便利である。

んじゃ、どーするか・・・

ケンコーのカタログを見ていたらある文章が目に留まった。「ゼラチン・トリアセテートフィルターをガラスで貼り合わせ受注作成します」というものだ。これは使えるはずだ。


ということで、明るいレンズを開放でもF5.6に揃えるべく発注中である。完成してテストをしたら追加文章を書く予定にしたい。



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