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カテゴリ:君がいるから
BL駄文です。
興味見ない方はご遠慮下さい。 床に降ろされ壁際に押しやられ、身動きが出来ないように固定されてしまう。怒りを纏った栢山の瞳が見下ろし、怖さで身がすくみそうになり動けない。延ばせた手が襟元に掛かり、力任せに引かれたシャツのボタンが飛び散り、バラバラと音を立てて転がった。 肌蹴られた身体、全体に広がる赤い痕、首筋のそれと同じで一度付られたものを辿るように上から塗りつぶされている様だ。 「何をする?」 静かな声でその行為に対して抗議しながら栢山を睨み付ける。 「アンタって何時もそうだよね、自分がやばくなるとそうやって睨むんだ。だけどそれが逆効果だって気付いてる?男を煽るんだよ」 必死に服を掻き合わせ、ふら付く足で逃げようと足掻くけれど栢山の腕はびくともしない。余計に強く押さえ込まれることに成った。 「体中にそんなもん付けて暴れても無駄、あんまり体力残ってないでしょ、あの人に上書きしてもらったって嬉しかった?」 好色な目が向けられ伸びた手が掻き合わされたシャツの合わせ目を辿り、顎に指が掛かる。 コクリと唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえる。高鳴る鼓動、押さえつけられなくても身動き出来ないほど固まる身体、小さく息を吐いてリラックスしようとするけれど栢山の言葉がそれを許さない。 「いやらしい人、被害者ぶって手を差し述べた人間に代償として身体を差し出すんでしょ」 「違う・・・」 冷たい言葉が心に爪を立てて引き裂いていく様だ。小さな声が否定をするが栢山の耳には届いていない。 「西本にも俺にも倉本さんにも・・・藤堂は計算外だった?」 藤野を押さえつけていた手が離れると首を軽く締め上げる。力はそれほど入っていないが苦しくて咽そうになる。 「栢山・・・?」 掠れた声で名前を呼んでみるが全く届いていない、それを無視して言葉は深く心に傷跡を残す。 「可愛い顔して淫乱で残酷で・・・自分が人を傷つけてるって事に気付きもしないで自分だけ守って欲しい卑怯な人、俺が馬鹿でした」 首から離れた手が藤野を抱き寄せる。 「栢山・・・」 さっき付けられた傷跡を優しく撫でるような声で語りかける。 「あんた知ってる。俺と居るとき何処か緊張してるって、だけど倉本さんと居ると、すっげぇリラックスして心から気を許してるのはあの人だけなんだってね、思い知るわけなんですよ」 「栢山・・・」 「そんな優しい声で俺を呼ばないでよ」 「栢山・・・」 名前を呼ぶことしか出来ない、何を言っても言い訳になるからそうするしかない。 切なくて苦しくてだけど暖かい腕の中、嫌いじゃなかったがここは居場所ではないって事を藤野自身、知っていた。 藤野を抱締め手が緩んで栢山の体がゆっくりと落ちていき、足に縋りつき顔を埋める。 「栢山・・・」 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年04月24日 02時15分29秒
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