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BL駄文・華は夜ひらく

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2012年06月17日
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カテゴリ:短編 SS

BL駄文です。
興味ない方、嫌悪感を抱かれる方、18歳未満の方の閲覧はなさらないで下さい。
注意書きをご理解頂けたは先にお進み頂けますが、ご気分を害しても当方では責任を負えませんので、その旨、ご了承下さいませ。


女装

男が小声で壁になってくれた人に文句を言う。唯でさえ狭いスペースに入られ、自分の嗜好を邪魔されたのだから当然なのだろうけど、流石に大声で騒ぎ立てるのは良くないってこと、こいつなりに理解はしているらしい。
「止めて頂けませんか」
「離さないか」
どうやら男は手を掴まれているらしい、そんなことはどうでも良かった。それよりも、声の主に驚く、だって、「終点で待っていろ」って言った、本人なのだから、そして蓮見ならば、この状況で有っても、笑って成り行きを愉しむだろう、それを後回しにして、助け舟を出すなんて有り得ないもの、もしかしたら声の似た別人なんじゃないかって感じている。それよりも、弄られて熱くなった体を何とかして欲しい、開かないドア側で、スカートである事を感謝したい、早く、ここから抜け出したい、なんて思っていたら耳元で彼が笑うのが聞こえ、揶揄された。
「ククク、よく、こんな状況でHなこと考えられるな、次でこのおっさんと降りるぞ、落とし前付けてやる」
蓮見だと思った瞬間、下着の上から尻を撫でられる。まるで、男に触れられた場所を蓮見が塗り潰してくれようとしているかのようだ。だけど、駄目だ、これ以上触れられたら、達してしまうと思った瞬間、電車が止まる。男と僕を捕らえて混雑する中から外へと連れ出される。震える足で歩くのが精一杯でどこをどうやって歩いたのか、人気の無い場所に僕達はいた。
「ここなら大丈夫でしょう、衆議院議員、金田登美雄様、奥様にはお世話になっております」
蓮見の言葉、それに衆議院議員、金田登美雄、なんて大物、驚き過ぎて言葉が出ない、それにしても蓮見の敬語、初めて聞いたかも、奥様ってもしかしてお得意様なのだろうか、なんて偶然、それともやっぱりこれは仕掛けられた遊びの一環なのかな。奥さんを出されてさっきよりも不機嫌さが増したように見えるけど、なぜ、彼がこの男の正体を知っているのだろう。
「君は」
「私はTデパート外商部、蓮見圭一郎と申します。と、言うより、灘圭一郎と言った方がいいかな」
「ま、まさか・・・」
空気が止まり、さっきまで紳士的だった蓮見が知っている姿を見せる。ネクタイを引っ張って顔を近づけ、ニヤリと笑う、勝ち誇ったような顔が堪らない。
「親父の名だがな、アンタには何者か理解出来たようだな」
「ふん、たかが妾の子が」
「残念、母親はちゃっかり後妻の座に納まったから、妾の子じゃないんだなぁ~まぁ、そんな肩書き、どうでも良い事だ、愚兄達が跡を継ぐ予定だしな、こっちは自由にやらせてもらうよ」
『妾の子』『灘』思い出した、成和党総裁、灘の隠し子ってワイドショーを賑わしたことが有った。顔は出なかったけど、当時、かなり話題になったから世情に疎い僕でも知っている。金田はそれでもまだ引かない様子、気味の悪い笑みを浮かべ、鼻で笑い蓮見に迫る。
「妾の子が男に女装させて遊んでいるって言うのは十分なスキャンダルじゃないか、お前の親父を引きおろすチャンスだ、良いご子息を灘総裁はお持ちだ」
しかし、そんな脅しに引き下がる蓮見じゃない、嫌味を言われても余裕で背筋を但し、高身長から金田を見下ろす。なんて綺麗な姿、ときめいてしまう、僕のご主人様、やっぱりこの人が好き。
「そのように言われて光栄です。しかし、女装した男だと分かっていて手を出したそちらの方が問題なのでは?」
金田が少し、引きくのが見えた。
「しかし、それを立証するのは難しい・・・」
「アンタ、バカじゃない、こいつの体液、手にべたべた付いてるんじゃない、今ならここで騒ぎを起こせるしねぇ、こっちは痛くもかゆくも無い、男が好きだって言うのは親にはばれてるし、アンタのこと、親父は嫌いだって言ってたしね、それに副総裁という立場にある方が、SPなしで電車に乗って痴漢だなんて、常習って言われても可笑しくないよね」
嫌な汗が額から流れ始めている、ハンカチを取り出して汗を拭き、それで手をごしごしこする姿が滑稽に見える。
「な、何が狙いだ」
もう、言葉が見つからないらしい、明らかに動揺しているのが分かる。蓮見の勝ちだ。
「金を請求したいところだけど、そんなことしたら、こっちが恐喝になるからね、そうだな、土下座してもらおうか」
それでいいのかって思ったけれど、僕自身は蓮見が助けてくれたってことで、もう満足している。それに、知らない一面を見られたからそれで良い。
「アキ、それで良い?」
同意を求められてなんだか嬉しい、僕自身はどんな顔で頷いたか分からないけど、蓮見の顔は満足げだ。金田がおずおずと膝を折って地面に手を付く、無様な格好を蓮見がシャメに撮る。
「アキ、奴の後ろに行け、そして背中に足を乗せろ、顔は写さないから安心しろ」
言われたとおりにした、これはかなりのダメージになるのじゃないかなって思う。だけど、やり過ぎだって感もかなりある。
「こ、これで許してもらえるのだろうか」
「許したわけじゃない、アンタが裏に手を回しておかしなまねをしたら、知り合いの編集者にこれを流す、同時にネットにもな」
相当、弱気になった金田、可愛そうなくらいに地面に頭をつけて、これが演技か、本心かは分からないけど小さくなって蹲った金田を残して蓮見が歩き出す。
「アキ、行くぞ」
声を聴いてなんだかゾクゾクして少し冷めた体の熱が戻って来た。このまま歩かされるのは辛い、視線を感じて上を見ると目が合った、逸らそうとしたけど出来ない。
「なに、欲情しているの?」
ゾクリとした。手を伸ばして腰に絡めてくる。ぴったりと密着して歩く姿は他人からはどんな風に見えるかな、撫でられる腰骨、そんな事されたら歩けないよ、足元がふら付くのを支えられ、何とか歩く。
「もう我慢出来ない、やっぱ、アキは淫乱だ、そこが可愛いんだけどね、ホテル行く?」
顔が真っ赤に火照っていくのが自分でも分かる。
「そんな顔したらばれちゃうじゃない、アキが欲情してるって、公表して歩いてるみたいだ」
喉の奥で笑われて下を向いた。だって仕方が無いじゃないか、あれだけ嬲られて欲しくなってしまったんだもの、それにこの格好がH気分を助長させる。

まだまだ後編だと言い切ります!

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最終更新日  2012年06月17日 11時02分15秒
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