太陽

          
太陽

 
  
太陽についての事実

太陽は典型的なG2型の恒星です。 また、太陽は私たちの銀河系に1000億個以上ある恒星のうちの一つです。
直径: 1,390,000 km.
質量: 1.989e30 kg
中心核の温度: 15,000,000 K.
表面温度: 5800 K

太陽は、太陽系の中で最大の、 しかもとびぬけて大きな天体です。 太陽系の全質量の 99.8% を太陽が占めています。 (さらにその残りのほとんどが木星のものです)。

現在、太陽の質量のおよそ 75% が水素で25%がヘリウムです それ以外のもの(「金属」)は 0.1%ほどしかありません。この割合は、太陽が中心核で水素をヘリウムに 変換するにつれてゆっくりと変わっていきます。

太陽の一番外側は差動回転しています。つまり、太陽の表面は、 赤道では 25.4日に一回の割合で回転していますが、両極付近では一回転に 36日かかるのです。こんな変なことがおきるのは、太陽というのは、 地球のような固体ではないからです。同じようなことが、 ガス状惑星でもおきています。 太陽の中心核は固体のように回転します。

太陽の中心核では色々な条件が極端なものになっています。 温度は1500万Kで、圧力は2500億気圧です。 中心核のガスは水の150倍の密度に圧縮されています。

太陽が出しているエネルギー (3.86e33 エルグ/秒 または 38億6000万メガワットの1兆倍) は、 核融合反応によって 作られます。毎秒、約7億トンの水素が約6億9500万トンのヘリウムとガンマ線 の形の 500万トン分のエネルギー(=3.86e33 エルグ)に変えられます。 このガンマ線は、太陽の表面に向かって進むにつれて、エネルギーが 吸収されてはずっとずっと低い温度で再放出されるということを絶えず 繰り返すので、表面にたどり着く頃にはほとんどが可視光線になっています。 表面へのみちのりのうち最後の20%では、放射よりも 対流 で運ばれるエネルギーの方が多くなります。 一個の光子が表面に出てくるまでに約5千万年もかかります。

太陽の表面は、光球と呼ばれ、温度は5800Kです。 黒点 (写真 10) は「冷たい」部分で、3800Kしかありません(まわりと較べると暗く 見えるのです)。 黒点は非常に大きくなるものがあり、直径が 5万km になることもあります。 黒点は、太陽の磁場の働きで発生しますが、その仕組みは複雑で、あまり 良くわかっていません。

光球の外側に彩層と呼ばれる薄い部分があります。

彩層の外側に非常に希薄な部分があり、コロナと呼ばれて います。何百万km にもわたって拡がっていますが、 皆既日食の間しか見ることができません(写真 11)。 コロナの温度は100万Kを越えます。

太陽の磁場は(地球上の基準で言えば)非常に強くて、また非常に複雑です。 その磁気圏 (太陽圏としても知られています) は、 冥王星を越えて拡がっています。

熱と光に加えて、太陽は電気を帯びた粒子(ほとんどが 電子と陽子です)の密度の低い流れを放出しています。これは太陽風 として知られており、太陽系の中を秒速 450 km で伝わっていきます。 太陽風や、フレアーから出てくるもっと高エネルギーの粒子によって、 地球上でも、磁力線のうねりによる電波障害や美しい 北極のオーロラなどの劇的な現象が 発生します。

探査衛星ユリシーズからの最近の 観測データによると、極付近から発する太陽風は、低緯度地帯の 二倍に近い速度、秒速 750km で流れていることがわかりました。 太陽風の成分も局付近では異なっているそうです。また、太陽磁場は 驚くほど一様に見えます。

最近打ち上げられた探査衛星ウィンド によって太陽風の研究がさらに進むでしょう。この衛星は 地球と太陽を結ぶ直線上の、地球から約160万km離れた、力学的に安定な 見通しの良い地点から観測を行います。

太陽風により彗星のイオンの尾ができ、また、探査衛星の軌道に無視できない 影響をおよぼします。

太陽のエネルギーの放出は完全には一定では ありません。 黒点の活動も同じく一定ではありません。 17世紀後半に黒点の活動が非常に少なかった時期があり、 マウンダー極小期 と呼ばれています。この時期は、「小氷河期」と 呼ばれている、北ヨーロッパで異常に寒かった時期と一致します。 太陽系の形成以来、太陽の出力は40%ほど増加しています。

太陽の年齢は約45億才です。誕生して以来、太陽は、中心核にある水素の 約半分を使いました。あと50億年ぐらいは何事もなく放射を続けるでしょう。 (もっとも、50億年後には光度は約二倍になっているでしょう。) しかし、結局は水素燃料を使い果たしてしまうでしょう。その後は、恒星の 世界では日常茶飯事とはいえ、激しい変動に見舞われ、結局、地球も 完全に破壊されてしまうでしょう。そしておそらく、その後に 惑星状星雲ができるでしょう。YOKOHAMA SCIENCE CENTERから




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