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LOYAL STRAIT FLASH ♪

LOYAL STRAIT FLASH ♪

二十六章

7 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:30:48.50 ID:PFpQOgV50

二十六章 笑声


「眼を開けてくれお! ねぇ、ショボン!!」


ショボンの死体を前に、絶叫するブーン。
その声は、虚しすぎるほどに響いて、そして終わる。

そこに、声が響く。
兄者の、嫌らしい笑い声だった。

( ´,_ゝ`)「あのショボンが死んだ。それも、他人をかばってだ。滑稽だ。滑稽過ぎる。笑いが止まらない。
       時に弟者。見ろ、あの四人の表情を。絶望に溢れた、あの表情を! 最高だ! 心が満ちる!」

弟者は、無言。表情一つ動かさない。

ドクオとブーンも、無言で立ち上がる。
その拳は硬く握られていた。

(  ω )「ふざけんなお」

静かに呟かれた言葉は、しかしそれだけで兄者を黙らせた。



8 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:32:26.12 ID:PFpQOgV50

(  ω )「……そこをどけお。僕は先に行かなきゃならないお」

( ´_ゝ`)「……何?」

(  ω )「ショボンは、先へ、って言ってたお。
      だから僕は、先に進ませてもらうお」

( ´_ゝ`)「ならばお前も殺してやる。来い」

その言葉に、伏せていた眼を見開く。
そしてブーンは飛び出そうと、足に力を込めた。


「こんなのがいるから、異能者は人間に嫌われるのよね」


だが、そこに響いた言葉に、足が止まる。
声の方向に視線を送れば―――

川 ゚ -゚)「なるほど、この道が正解だったか」

クー率いる“削除人”達が、そこにいた。

クーはツンとしぃを連れていた。
さきほどの声はどうやらしぃらしい。
兄者を睨む眼に、明らかな憎悪が浮かんでいた。



10 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:33:47.85 ID:PFpQOgV50

( ´_ゝ`)「おぉ―――“削除人”のご到着か」

川 ゚ -゚)「モララーはこの先か?」

( ´_ゝ`)「さぁ、どうだろう」

川 ゚ -゚)「……まぁ、行けば分かるな」

( ´_ゝ`)「行かせると思うか?」

言うや否や、大きく横薙ぎに空を切る兄者の足。放たれる風の刃。
恐ろしき速度で迫る不可視の刃は、しかし広げられた草色の翼で弾ける。

ツンの翼が三人を護っていた。

ξ゚△゚)ξ「効かないわよ。もう分かってると思ってたけど……学習能力がないのかしら?」

( ´_ゝ`)「効かずとも何でも良いさ。この先には行かせない」

(*゚ー゚)「行くか行かないかは、私達が決めるよ。あなたは黙ってて?」

甲高い音が響いて、しぃの右腕に光が集まっていく。
そして撃ち放たれるは光の筋。

空気を焦がして一直線に走る光線を、兄者は跳んで回避。
兄者の代わりに光線の餌食となった壁は、貫通して溶解した。


13 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:35:27.40 ID:PFpQOgV50

( ´_ゝ`)「相変わらず恐るべき“力”だが―――当たらねば、意味がないな」

(*゚ー゚)「なら当てれば良い事よ」

しぃの手の中に、光が集められる。
構成された光の球は、更に光を吸収して成長。
そして、いくつかの光の球が、しぃの手から放たれた。

兄者を包囲する様にいくつもの光の球は散開。
そして動きを止めると、兄者目掛けて光線を吐き出した。

( ´_ゝ`)「な―――ッ!」

予測出来なかったのか、兄者は光線を避けられそうもない。
しかし、それでも―――動けないはずの兄者は光線の檻から脱出した。

何故か。
その理由は、明確。

(;゚ー゚)「弟者……ッ」

忌々しげに前を睨むしぃの眼が捉えていたのは、弟者だ。
彼は己の身を鑑みずに兄者を弾き飛ばしたのだ。

しかし、それでも弟者の傷は、肩口とふとももの二つの穴のみ。
異常な運動神経は、無数の光線によって命を断たれる事をこうも華麗に回避した。


16 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:38:39.21 ID:PFpQOgV50

(´<_` )「兄者、無事か?」

( ´_ゝ`)「あぁ、おかげさまで。さて―――」

兄者は“削除人”の方へと向き直す。
そして、足に力を込めつつ言った。

( ´_ゝ`)「これより先に行こうとする者は、全て排除せよ。
      ……モララー様の命を受け、ただいまより侵入者の排除を開始する」

从 ゚∀从「いやっほぉぉおぉおぉ!!」

兄者の言葉を待っていたかのように、ハインが飛び出した。
“削除人”とハインの距離は一瞬にして消失し、ハインは唸りをあげる拳をしぃへと放つ。

(;゚ー゚)「ッ!?」

ハインの速度に反応しきれなかったのか、しぃは防御も回避も出来ない。
ハインの拳はしぃの頭蓋目掛けて空を切り―――

その手は、青の異形の手―――クーに止められた。

川 ゚ -゚)「道を開けてもらえるか? ハイン。私達はこの先に行かなければならない」

从 ゚∀从「あたし達をどうにかすれば先に進めるんじゃねぇの?」




17 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:40:55.11 ID:PFpQOgV50

川 ゚ -゚)「……そう言うのならば、仕方ない」

言って、クーはハインの手を弾き飛ばす。
ハインはすぐにクーに迫ろうとしたが、嫌な予感を感じて後ろに退いた。

その直後、ハインがいた場所の床を突き破って、先端が尖った巨大な氷柱が現われた。
それを見てハインはいよいよ楽しげに笑い、クーは眼前の氷柱よりも冷たい視線でハインを睨む。

川 ゚ -゚)「モララーに辿り着くのが多少遅れるが―――まぁ、それだけだ。
     どうせ奴はもう目前だ。準備運動代わりにここで貴様等を削除して、先へ向かおう」

从 ゚∀从「言ってくれるじゃねぇか。だったら、こっちは全力を以ってあんたたちを潰してやるよ!!」

そして、その場に吹き荒れるは旋風。
クーは舌打ちしてバックステップ。その直後に、風を纏った兄者の踵落としが振ってきた。

川 ゚ -゚)「ふん。私が最初の標的か」

( ´,_ゝ`)「あんたを殺せば、この状況での“削除人”は問題ではない。
      しぃやツンなどはまったく脅威でない。あんたの後にゆっくりと殺せば良い」

嫌らしい微笑みを浮かべる兄者を睨んで、クーは異形の手を輝かせる。
直後にその手に現われたのは、透き通った刀―――氷によって構成された刀だ。




18 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:42:32.43 ID:PFpQOgV50

川 ゚ -゚)「兄者、お前は二つの間違いを犯している」

( ´_ゝ`)「何?」

鋭く突き出された刀を後ろに流して、兄者は両足で怒涛の連撃をかける。
クーはそれに刀で応じるが、やがて少しずつ押され始めた。

そして、とうとう兄者の足がクーを捉えようとした時―――兄者の身体は衝撃によって宙を舞った。

川 ゚ -゚)「一つ目、ここにいるのが、私達だけだと思った事」

何気なく言う彼女の横には、いつのまに現われたのか、魔獣の腕を前に突き出しているフサだ。
フサは獰猛な笑みを浮かべて、クー達を見やる。

ミ,,゚Д゚彡「やっと正解の道に辿り着いたと思えば、いきなりこんな役回りか」

川 ゚ -゚)「損な役回りだな」

ミ,,゚Д゚彡「まぁ、それが俺の仕事なのだろうがな」

二人の視線の先で、兄者は空中から落下して地面を跳ねた。
しかし、すぐに立ち上がる。そこに苦痛はあまり感じられなかった。


20 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:45:28.98 ID:PFpQOgV50

兄者は傍らの二人に視線を送ると、声をあげる。

( ´_ゝ`)「―――弟者、ハイン」

(´<_` )「把握」

从 ゚∀从「ひゃっほぉおぉおぉぅ!!」

弾かれた様に、二人はクーへと迫った。
一瞬にして詰まる距離。しかし、二人は兄者と同じように吹き飛んだ。

川 ゚ -゚)「二つ目、ツンとしぃを、脅威として見なかった事」

吹き飛んだ二人は着地した後、それぞれ己の腕を見やる。
ハインの腕には白銀色の羽根が無数に突き刺さり、弟者の腕は極度に熱い物に触ったかのように爛れていた。

(´<_` )「これは……」

弟者はクーの前に張られた半透明の膜を見やる。
それはやや光り輝き、パチパチと弾けるような音を経てていた。

そしてその膜は、しぃの左腕から伸びて張られている。

(*゚ー゚)「光の壁、とでもいうべきかな」

(´<_` )「…………………」

弟者は自分の腕をちらりと見て、納得したかのように頷く。


21 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:47:56.19 ID:PFpQOgV50

(´<_` )「光のエネルギーを一箇所に凝縮し、バリアを張る、か。
      そんな物に触れれば、確かにこんな腕にもなるな」

(*゚ー゚)「良く分かってるようだね」

冷静な状況整理をする弟者の傍ら、ハインは口角を吊り上げた。

从 ゚∀从「本当にあんたの“力”は面白いよな、ツン。
      誰かの“力”をコピーして羽根に反映、それを放つ、か」

ξ゚-゚)ξ「…………………」

無言で、翼を広げる。
ハインは舌打ちしながらも、やはりどこか楽しそうに口角を吊り上げた。

从 ゚∀从「だんまりかよ、つまんねぇな!」

撃ち放たれた無数の羽根を避けながら、彼女は右へと走る。
そしてその手に握るは、さきほど地面に刺した鋏だ。

从 ゚∀从「だが、戦えるってんなら問題はないねぇ!!」

鋏を振り回しながら、彼女はツンへと突進した。
羽根は已然、無数に放たれている。しかし、それらの羽根は全て鋏で弾かれる。

ハインの身体は、数瞬の間にツンのふところへと迫った。



22 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:48:29.31 ID:PFpQOgV50

ξ;゚-゚)ξ「ッ!?」

从 ゚∀从「一匹仕留めたっ!」

笑いながら、彼女は鋏を振り下ろす。
しかし、その鋏はツンの頭をかち割ろうとする直前で止められた。

川 ゚ -゚)「私の妹だ。私の命に代えても殺らせはしない」

ハインの攻撃を止めたのは、刀を構えたクーだ。
ハインは攻撃を止められたにも関わらず、相変わらず楽しそうに笑う。

从 ゚∀从「妹だ!? 殺らせねぇだ!? 血も繋がってねぇのに、何を言ってんのかね!?」

川 ゚ -゚)「心が繋がっている。それに―――」

ハインの鋏を弾く。
勢いそのままに、クーはハインの下顎目掛けて刀を振り上げた。

从;゚∀从「……チィッ!」

ハインはそれをバック転で回避し、更にバックステップで距離を取る。
しかし、その頬の辺りからは血が噴き出していた。

ハインに死の宣告をするかのように、クーは刀をハインに向けて構える。



24 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:49:31.93 ID:PFpQOgV50

川 ゚ -゚)「ホームに住んでから、ファーザーは私達三人を姉妹とした。その時点で、私達は姉妹だ。例え、血は繋がっていなくとも。
     そして、私は二人を護ると、ファーザーと約束したんだ。彼との約束は―――この二人は、命に代えても護る」

从 ゚∀从「っは……馬鹿らしい事を」

言って、ハインも鋏を前に構える。
そして、鋭い笑みを浮かべた。

从 ゚∀从「そんな考えも、嫌いじゃないけどな」

川 ゚ -゚)「ふん―――」

そして、刀と鋏が交差した。



26 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:50:56.02 ID:PFpQOgV50

クーとハインの戦いを視界の隅に置きつつ、弟者は顔をあげる。
そこには、警戒を怠らないしぃと、フサだ。

(´<_` )「この二人を同時に相手にするのは、やや苦しい物があるな……」

ミ,,゚Д゚彡「ならばその道を開け」

( ´_ゝ`)「それは無理というものだ」

弟者の隣に兄者が並ぶ。
対して、しぃとフサの隣にはツンとクックルが並んだ。

ミ,,゚Д゚彡「やっと来やがったか、クックル」

( ゚∋゚)「遅れた。すまない」

ミ,,゚Д゚彡「まぁ、戦闘に間に合ったから問題はないがな」

ξ゚△゚)ξ「敵に集中して。まだ終わってないわよ」

その言葉で、四人の射るような視線が一斉に流石兄弟へと向かう。
その視線に兄者は苦笑し、弟者は眼を細めた。



27 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:52:33.67 ID:PFpQOgV50

( ´_ゝ`)「この四人を相手にするだと? 悪夢も良い所だ」

(´<_` )「だが、戦るしかない。そうだろう? 兄者」

( ´_ゝ`)「あぁ。一人で二人と考えれば、そうやれない事もない」

言葉と同時に巻き起こった旋風に、“削除人”の四人は身構えた。

しかし―――

ミ,,゚Д゚彡「……いや、俺達はいらないかもしれないな」

フサは構えを解いて、あろう事か口に煙草をくわえた。

ξ;゚△゚)ξ「フ……フサさん!?」

ミ,,゚Д゚彡「見てろよ」

一塊の紫煙を吐いたフサを見て、兄者は足に力を込める。

( ´,_ゝ`)「戦る気がないのか? ならば、こちらは存分に殺らせてもらお―――」

兄者の言葉は最後まで続かず、音は上へと流れた。
突然の衝撃に何が何だか分からない兄者は、空中で下を見下ろす。

そして、怒声と悲鳴を混ぜた声をあげた。



30 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:53:31.18 ID:PFpQOgV50

彼の下には、ブーン。
兄者は一瞬で接近した彼に蹴り上げられたのだ。

そして今、彼は空中の兄者目掛けて跳んでいた。
―――追撃する為に。

兄者と同じ高度まで上がったブーンは、空中で鋭く言い放つ。

( ゚ω゚)「お前が、ショボンを殺した。そして、僕達の邪魔をする」

(;´_ゝ`)「ッ!?」

( ゚ω゚)「―――お前が僕の道を塞ぐなら、僕はお前を踏み潰して進むお。
      お前が僕の大切な人の命を奪うのなら、僕はお前の命を奪うお」

ブーンの足が、振り上げられる。

(;´_ゝ`)「ひっ―――!?」

(#゚ω゚)「お前だけは許さないお。死ねお」

そして、異常な速度で振り下ろされた。

兄者は咄嗟に両腕をクロスさせて足を受ける。
しかし彼の腕は容易く粉砕され、軌道をずらされたブーンの足は彼の肩口へと突き刺さった。

兄者の肩はこれも粉砕され、彼の身体は急降下する。




33 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:55:37.00 ID:PFpQOgV50

(;´_ゝ`)「うあぁああぁあぁっ!!」

無様に叫んで、兄者は使い物にならなくなった腕を宙で振りまわす。
地面では弟者が兄者の救出に走るが、それはジョルジュに阻止された。

(#゚∀゚)「助けさせるわけないだろ、ボケナス」

(´<_`;)「ッチ―――」

高速で振るわれるブレード。
それは弟者の肉体を幾重にも切り刻み、そして左腕を切落とした。

苦痛を感じない弟者は、それを苦々しい表情で見やるだけだ。
しかしその隙に、ジョルジュは右手のブレードを解除して異形の腕を形成。その腕で弟者を上へと投げ飛ばす。

宙に浮いた弟者を迎えたのは、異速で空を駆ける銀色の雨だ。
弟者はその衝撃に、宙で舞う。

('A`)「……ショボンが死んだのは、俺を護ったせいだわな」

無表情にギンを連射するドクオは、静かに言う。

('A`)「だったら、アイツの分も俺は戦わなきゃならねぇ。
   そうする義務もメリットも無いが―――それくらいは、してやらねぇとな」

カチンという声をあげたギンに、折れている右腕で器用に弾を装填する。
そして、落下を始めた弟者を一睨みして、言った。



34 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:56:56.50 ID:PFpQOgV50

('A`)「―――嫌かもしれんが、殺れ。ギコ」

(,,゚Д゚)「あぁ」

短く返事をして、宙の弟者へと跳び上がったのはギコだ。
その右腕は火柱をあげ、あまりの熱に空間をゆらめかせる。

そして、振り下ろされたその右腕は弟者の背中を捉え―――腹から突き抜けた。

(´<_`;)「ゴ、ボッ……」

弟者が苦鳴の代わりに血塊を吐き出したのと、
兄者が凄まじい音と砂煙を上げて地面に激突したのは、ほぼ同時だった。

(,,゚Д゚)「邪魔だ」

腕に引っかかっている弟者を投げ捨てる。
余りの熱に弟者の傷口は既に炭化し、出血はほとんどなかった。


ミ,,゚Д゚彡「な? 俺達が手を出すまでもなかったろ?」

ξ;゚△゚)ξ「…………………」

紫煙を吐いて笑うフサに、ツンは沈黙で答える。
その眼に浮かぶのは驚きと恐怖。
フサの笑い声にも、それらは少しばかり含まれていた。


35 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:58:17.73 ID:PFpQOgV50

( ゚∋゚)「……強いな」

ミ,,゚Д゚彡「あぁ」

(*゚ー゚)「でも……」

ミ,,゚Д゚彡「うん?」

(*゚ー゚)「……今のは、悲しい強さだよ。大切な人を失って、心のタガが外れただけ」

ξ゚-゚)ξ「…………………」

ミ,,゚Д゚彡「なるほどな。あの暴れようにも、納得がいく」


兄者と弟者は、動かない。
あれだけやられては、動けるわけもない。

しかしそれでも、ブーンは兄者に、ドクオは弟者へと歩み寄った。
その眼に浮かぶのは憎悪と悲愴、虚空だった。

(  ω )「…………………」

('A`)「…………………」



36 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:59:05.36 ID:PFpQOgV50

ブーンは無言で、兄者の頭の位置で足を振り上げる。
ドクオも無言で、弟者の頭に銃をポイントした。


そして、足は振り下ろされ、引き金は引かれた。


しかし―――


(;゚ω゚)「ど……どういう事だお?」

('A`)「知らねぇな」

ブーンの足もドクオの銃弾も、空中で静止していた。
まるで、そこに見えない障害があるかのように。

ブーン達四人は眉根を寄せ。
“削除人”達は緊張に身を硬くした。



38 : ◆tAdHw/rYVY :2007/08/17(金) 22:59:36.70 ID:PFpQOgV50

川 ゚ -゚)「この気配は……」

从 ゚∀从「っは。来たかよ」

戦闘を続けていた二人も、一度離れて奥への道を見やる。

少しの間、沈黙が訪れ―――

そして、その道に、ふっと影が現われた。


皮肉な笑みを浮かべているのは―――歪んだ天才、モララーだった。







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キャラの能力のまとめ

★登場人物

( ^ω^) ブーン
変化する部位:両足
特殊能力:なし

('A`) ドクオ
変化する部位:左腕
特殊能力:視覚・聴覚の強化

(,,゚Д゚) ギコ
変化する部位:右腕
特殊能力:発火能力、右掌からの直線的な火炎放射、火勢の増強

( ゚∀゚) ジョルジュ
変化する部位:右腕
特殊能力:右腕の形状変化

(´・ω・`) ショボン
変化する部位:なし
特殊能力:テレパシー(ある程度の精神操作を含む)


●“管理人”

( ・∀・) モララー
変化する部位:なし
特殊能力:一定の空間操作

从 ゚∀从 ハイン
変化する部位:両腕
特殊能力:なし

( ´_ゝ`) 兄者
変化する部位:両足
特殊能力:一定範囲の風の操作、痛覚の減少

(´<_` ) 弟者
変化する部位:なし
特殊能力:異能者並の肉体再生力、痛覚の皆無

(*゚∀゚) つー
変化する部位:なし
特殊能力:戦闘に特化した人格の形成

( ゚д゚ ) ミンナ
変化する部位:なし
特殊能力:サイコキネシス

( ^Д^) プギャー
変化する部位:左腕+?
特殊能力:左腕をカマキリのような鎌へと変化、そして……?


●“削除人”

川 ゚ -゚) クー
変化する部位:右腕
特殊能力:一定量の水分操作

(*゚ー゚) しぃ
変化する部位:左腕
特殊能力:一定範囲の光の操作

ξ゚△゚)ξ ツン
変化する部位:翼、及び羽根
特殊能力:相手の能力を翼へと反映

ミ,,゚Д゚彡 フサ
変化する部位:全身
特殊能力:変化範囲の限定、その範囲に伴った精神の獣人化

( ゚∋゚) クックル
変化する部位:全身
特殊能力:筋肉の異常発達

( ´∀`) モナー
変化する部位:なし
特殊能力:武器のプロフェッショナル

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