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6 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 00:07:53.54 ID:8GeQtqWk0
第14章 夕暮れ (;*゚∀゚)『ヤバイ…こりゃ本格的に遅刻しそうだよ!!』 蝉の鳴き声が少なくなり、そろそろ新米が出回る季節だね…的会話を代わりに耳にする機会が増えた頃。 …わたしは大寝坊していた。 今は朝の商店街を全力疾走中。 何度もスカートの裾が気になってミニスカートで家を出た事を多大に後悔した。 いつもなら愛しのドッ君の自転車後部荷台がわたしの特等席なのだが、今日は久々に自分の部屋に戻ったのが失敗。。 (;*゚∀゚)『…なんで…こんな日に限って…目覚まし止まってるかね!! ドッ君も…おはようコールとか…してくれてもいいじゃない!!』 世の中の大多数の人間が経験した事があると思うけど、 呪いの言葉を吐きながら全力疾走するのは意外と体力を消費するものなのだ。 だったら黙ってろと言われるかもしれないが 『あんたは口から産まれた子供みたいだよ』 と散々言われ続けてきたわたしが黙ったらそれこそ命に関わる。 それに、これはわたしのポリシーの問題。 表面じゃニコニコしてるクセに影に回ると平気で陰口を叩くタイプってどこにも存在する。 わたしの場合は『ウザイ』とか『黙れ』とかそんな感じ。 そんな低レベルな連中に気を使ったり、仲良くするなんてまっぴらゴメン。 だったらわたしは自分が好きな生き方を選ぶ。 9 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 00:11:36.04 ID:8GeQtqWk0 (;*゚∀゚)『それにしても…口から産まれたって…わたしゃどっかの大魔王かいっ!!』 突っ込みを自分に入れつつスタッフルームの裏口を開く。 誰かに聞かれたらワケ分からないんだろうなぁ。 (;*゚∀゚)『セフセフ…ってナニコレ?』 そこにいたのはブーちゃんとツンの二人。 パイプ椅子に腰を下ろしたブーちゃんはスカーフで目隠しされ、 その背後でツンがゆうゆうと着替えている。 (;*゚∀゚)『えと…今北産業』 ξ゚△゚)ξ『着 替 中』 (;*゚∀゚)『把握した』 なるほど。 どうやら、着替えを見られたくない乙女心による行動らしい。 (*゚∀゚)『だったら…トイレとかカーテンの陰とかあるじゃないかっ!!』 わたしは誰も掃除しないせいで埃まみれのロッカーにバッグを詰めこみながら言った。 ξ゚△゚)ξ『前から思うんだけどさ。トイレって着替える場所じゃないわよね。 あのカーテンの奥ってゴキブリとか出そうだしさ』 12 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 00:18:46.51 ID:8GeQtqWk0 なんて自分勝手な…こりゃお仕置きが必要ね。 (*゚∀゚)『ブーちゃん、もうツンは着替え終わってるよ!!』 わたしはブーちゃんに歩み寄るとこっそり耳元に囁いた。 ( ^ω^)『…なんだおwwwそれならそうと早く言って欲し』 ξ;゚△゚)ξ『え…ちょ…待』 ξ;゚△゚)ξ (^ω^ )『……』 ξ;////)ξ (^ω^* )『……』 説明しよう。今ブーちゃんの目の前にいるツンは上下下着のみの姿なのだ!!(ナレーション風) これでこの子もちょっとは意識を改善… 『ツン…黒い大人下着が全然似合わないおwww』 あ、殴られた。 ξ#゚△゚)ξ『君が! 謝るまで! 殴るのを止めないっ!!』 響きわたる人体から発せられているとは想像もつかない破壊音。 (;*゚∀゚)(…ブーちゃんゴメンね。でも君も乙女心を少し理解しないとねっ!!) 下着姿でブーちゃんにマウントを取り連打を浴びせる妹をよそに、 わたしは着替えを持ってトイレに向かった。 15 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 00:25:40.68 ID:8GeQtqWk0 ξ#゚△゚)ξ『アリアリアリアリアリアリアリアリアリ…!!』 (#)ω゚)『フギャッ!! オゥッ!! モケケッ!!』 着替えを終えてスタッフルームに戻ったわたしの目に入ったのは ブーちゃんに馬乗りになり正確にガードをくぐって急所に打撃を加える妹の姿だった。 (*゚∀゚)『…触らぬ神に祟りなしってね』 確かに事の発端はわたしかもしれない。 でも、問題を大きくしたのはブーちゃんだ。 うん、そうだ。 そうに違いない。 暗黒の破壊神を刺激しないようこっそりと荷物を置き、厨房に向かう。 (*゚∀゚)『ドッ君、おはよー!!』 ('A`)『おう。遅かったじゃねーか…って内藤はどうした?』 (;*゚∀゚)『…ツンといちゃついてる』 18 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 00:34:46.60 ID:8GeQtqWk0 …んじゃないかな… とまで言いたかったんだけど、そこまで言い終える前にドッ君は行動に移っていた。 ボリボリと後頭部を掻きながらスタッフルームに足を向ける。 ('A`)『…ったく。しょーがねーな。もうすぐ業者が納品に来るんだぜ。注意してくるわ』 (;*゚∀゚)『あ…ちょ…』 … 静寂。 扉を開く音。 静寂。 静寂。 キャーーーーーーーーーーーー!!!!!! 変態!!!!! 悲鳴とも怒号とも判断できる叫び声。 そしてまた静寂。 (*゚∀゚)『さてと…仕事始めようかなぁ』 わたしは厨房に1つしかない窓から空を見上げる。外は良い天気だ。 今日も一日頑張ろう。 …結局3人はオープン時間になるまでやってこなかった。 20 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 00:38:46.28 ID:8GeQtqWk0 (メ)A`)『…何食っても血の味しか感じねぇ』 (#)ω゚)『…視界が極端に狭い気がするお』 そんな事を言いあっている二人をよそにわたしは青果業者のモナーさんの対応をする。 ん? 原因はお前だろうって? 細かい事気にするんじゃないよっ!! 男だろっ!!そんなんじゃ大物になれないよっ!! 第一わたしは美容と健康の為に自分に都合が悪い事は忘れる事に決めてるんだっ!! ( ´∀`) 『しし唐…3pk。空芯菜…2束。剥き栗…1kg。 …って何をブツブツ言ってるモナ?』 (*゚∀゚)『なんでもないよっ!! それより、このインゲン色悪くないかい!?』 ( ´∀`) 『バカ言っちゃいけないモナ。 天候の影響で見かけはちょっと良くないけど、味は抜群モナ!!』 (*゚∀゚)『…まぁ、そこまで言うなら使ってみるけど』 この1年でわたしは自分なりにモナーさんとの信頼関係を掴んだつもり。 以前は『女だからって舐められてたまるかっ!!』的考えがあったせいで逆に舐められてしまっていた。 今では一人の料理人と青果業者としての付き合い方が出来ていると思う。 わたしはチラと厨房に目を向けた。 そこにいるのは半死半生のドッ君とブーちゃん…。 (;*゚∀゚)(…あの2人だけじゃランチタイム乗り切れるか不安でしょーがないよ…) 23 名前:・・・ ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 00:43:30.90 ID:8GeQtqWk0 (=゚ω゚)ノ『なんなんですかー?』 昨夜携帯を忘れたと言ってひょっこり顔を出したのが運の尽き。 わたしはベテランバイトのイヨゥ君の捕獲に成功した。 厨房に挨拶に来た彼をそのまま問答無用でスタッフルームに引きずりこむ。 (=゚ω゚)ノ『ここどこですか、何でボク連れてこられたんですか、何で、かか鍵を閉めるんですか? いったい何を、』 (*゚∀゚)『黙りなさい』 【困った時のイヨゥ君】 それが彼の一番の高評価ポイントだ。 急な病気や怪我でシフトに穴が空いてしまった時。 彼に連絡すれば、例え講義中であろうとバックれて働きに来てくれる。 (*゚∀゚)『厨房見たよね!? お姉さんが何を言いたいか分かるんじゃないかなぁ!?』 (=゚ω゚)ノ『きょ、今日だけは勘弁だよぅ!!』 珍しく首を縦に振らないイヨゥ君。 (=゚ω゚)ノ『今日はハルヒの新刊読まなくちゃいけないんだよぅ!! 絶対無理だよぅ!!』 (*゚∀゚)『…どしても?』 (=゚ω゚)ノ『どしても勘弁だよぅ!!』 (*゚∀゚)『…あっ、そう…』 26 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 00:47:49.68 ID:8GeQtqWk0 わたしは必死に抵抗するイヨゥ君に歩み寄るとその腕に胸を押し付けた。 まだまだ成長を続けているしぃの胸程大きくないし、 マニア好みって点ではツンにも負けるけど総合的なバランスには自信がある。 そのまま小声でイヨゥ君の耳に囁きかける。 (*゚∀゚)『…わかる? わたし仕事中は下着つけてないんだ…』 その一言でイヨゥ君は赤面する。よし、これは落ちた…と思いきや (=゚ω゚)ノ『駄目だよぅ!! 長門がボクを待ってるんだよぅ!!』 ちっ。なんて無駄な精神力してるのかしらね、この子は!! 色仕掛けが通用しないとなれば… (*゚∀゚)『それだけじゃないよ。通勤時は一応下着つけてるんだ。ココに来て外す様にしてるの』 (=゚ω゚)ノ『そそそそそそれが何か?』 (*゚∀゚)『先月ね、仕事終わったら無くなってたんだぁ…お気に入りのピンクのレースのヤツ』 (= ω )ノ『………!!!!!』 (*゚∀゚)『…犯人見つけて通報しようと思ってるんだけd』 (= ω )ノ『ツーさん』 (*゚∀゚)『なんだい!?』 (= ω )ノ『…ボクなんだか無性に仕事したい気分だよぅ。だから犯人探しなんかしないほうが良いと思うよぅ』 35 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 00:56:44.63 ID:8GeQtqWk0 最終兵器・脅迫。 これでイヨゥ君は完全に陥落した。 コックコートに着替えトボトボと厨房に向かう後姿はリストラされたサラリーマンのようにもの寂しい。 ちなみに下着を着けてないってのはウソ。 ジョルジュさんがすれ違いざまにホックを外したり、 ワイヤーがこすれて痛くなったりするのでスポーツタイプの物に変えているだけ。 (=゚ω゚)ノ『ところで、せめて働いた分の給料だけは払って欲しいよぅ』 (*゚∀゚)『あのブラ、セットで20,000円したんだ』 (= ω )ノ『…給料なんかいらないよぅ』 それにしても女物の下着なんか持っててどうするんだろうね!? 別に見るだけなら許してあげるけど。 一応、見られる事を意識して買った下着だしさ。 着用する? 頭に被る? それとももっと別の楽しみ方が… そんな事を考えてたらなんかムカムカしてきたので、思考を別の事に切り替えることにする。 …3歩歩いたわたしは今までのそんな考えを全部忘れていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Feb 1, 2007 09:49:08 PM
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