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17 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:10:59.62 ID:CWRlad7X0
…と、そこに。 赤面するクーさんの背後に鬼の姿。 ξ゚△゚)ξ 『もう話は終わったかしら?』 その声に『ひゃうん』とか反応するクーさんと、その横に腰を下ろし足を組むツン。 川#゚ -゚) 『何をしにきた? わたしたちは大事な12月の販促会議中だ。 邪魔はしないでもらいたいな』 そう言いながら眼鏡をはずす。 あぁ、もったいない。 ξ゚△゚)ξ 『あら? あたしもショボンさんに言われてホール代表として 12月の販促計画に参加しなきゃいけないんだけど。 なにか問題あるかしら?』 そのツンの言葉にクーさんはギロリとノートパソコンの陰に隠れるショボンさんをにらみつける。 川 ゚ -゚) 『…どういう事だ?』 (´・ω・`)『し、仕方ないじゃないか!! 僕だって命は惜しい…』 あっさりと白状するショボンさん。 川 ゚ -゚) 『貴様あとで肉片にしてくれるわ』 ξ゚△゚)ξ 『話の流れは分かってくれた? じゃ、ホールからの販促案を発表するわよ』 ツンが満足げに笑いながら言った。 19 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:13:54.94 ID:CWRlad7X0 ξ゚△゚)ξ 『12月の販促案として…ホールではサンタコスに挑戦しようと思います』 ( *^ω^)『ミニスカサンタ萌えだおwww』 川 ゚ -゚) 『内藤、鼻の下を伸ばすな。そんなに見たければ私がいくらでも着てやる』 ξ゚△゚)ξ 『年増のサンタコスなんて誰も興味ないと思うけど? とまぁ、それは置いといて。 ターゲットはそこでだらしない顔してるような男どもね。 お店の前でチラシ配れば宣伝効果が期待できると思うわ』 コホンとわざとらしい咳をしてツンが続ける。 ξ゚△゚)ξ 『ってわけで、ホール人数分の衣装代が必要なんだけど』 川 ゚ -゚) 『だが断る』 ( ^ω^)『ちょwww即答www』 川 ゚ -゚) 『そんなものに経費を使っていては幾らあっても足りないではないか。 そもそもサンタコスなど一人一枚は持っていて当然。故に新たに買う必要はないだろう』 一家に一枚サンタコス。 ( ^ω^)゚△゚)ξ ´・ω・`)『あるあr…ねーよwww』 22 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:17:20.30 ID:CWRlad7X0 (´・ω・`)『お茶が入ったよ』 結局、衣装代はクーさんの眼光の効果があったおかげか ショボンさんのポケットマネーから算出される事になった。 (´・ω・`)『この業界ボーナスは1月だし、今の時期の出費は痛いなぁ』 とか言っていたけど総員スルー。 休憩がてら雑談を開始した。 ξ゚△゚)ξ 『…でね、しぃったらギコ君が独立したら自分もついていくんだって言うもんだからお父さん大慌てでさ』 どこから出したのか謎の固焼きせんべいを食べながらツンが言う。 (´・ω・`)『まぁ、料理人なら自分の店を持ちたいって思うのは当然かもしれないけどね』 ( ^ω^)『ショボンさん、そのコメントちょっとずれてますおwww』 言いながら僕もせんべいに手を伸ばす。 ξ゚△゚)ξ 『やっぱり内藤も将来は自分のお店を持ちたいの?』 川 ゚ -゚) 『それも悪くないかもな。 そして内藤の横にはわたしが…』 ξ#゚△゚)ξ 『死ね。氏ねじゃなくて死ね』 僕の夢か…。 今はギコさんやショボンさんのような一流の料理人になることしか考えられない。 そしてその先は…。 25 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:19:04.26 ID:CWRlad7X0 ( ^ω^)『まだよく分からないお。独立するかもしれないし、ずっとバーボンで働くかもしれないお。 …料理人をやめるって選択肢はないと思うけど、 いつかはギコさんやショボンさんを越えて…世界一の料理人になれたら最高だと思うお』 僕はわざとニヤニヤ笑いながら言う。 そうでもしないと恥ずかしいからだ。 でも、これは僕の本心。 将来どうなるか分からないけど、ずっとこの世界を歩き続けていつかは世界一になれたらと思う。 ξ゚△゚)ξ 『世界一か…ずいぶん大きく出たわね』 ( ^ω^)『茶化さないでくれだおwww』 (´・ω・`)『僕なんかまだまだ若造の域を出ていないつもりだけどね。 そこまで言ってくれるのは嬉しいよ』 お茶をすする。 (´・ω・`)『でも、これだけは分かってほしいんだけど…この業界に【世界一】なんてゴールは存在しないと思うんだ』 その顔は珍しく真剣なものに見えた。 26 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:20:07.72 ID:CWRlad7X0 (´・ω・`)『考えてみてほしい。【世界一の料理人】ってなんだい?』 ( ;^ω^)『そ…それは…』 (´・ω・`)『世界一の売り上げを誇るレストランのシェフなら世界一なのかい? 世界一上手に炒飯を作れたら世界一なのかい? 僕はそうは思わない。 何故なら、そんな料理人でも更なる高みを目指しているから。 逆に言えばそこで慢心してしまう料理人はすでに料理人ではないとすら言えるだろうね』 ξ;゚△゚)ξ 『それじゃ、永遠にゴールなんて見えないじゃない』 (´・ω・`)『うん、そうだよ。 例え一つの目標にたどり着いてもそこは次の目標へのスタート地点に過ぎない。 僕らはそんな世界の住人なんだ それに気付いた時、初めて道が開けるといっても過言ではない』 そう言ってショボンさんは再度お茶を口に含む。 ( ;^ω^)『終わりがない事を知るのが始まりの終わり…って感じかお』 (´・ω・`)『そんな感じかな』 ショボンさんの言葉は僕にとって少なからずショックだった。 【世界一の料理人】 それは僕にとって漠然としていたけど最終目標だったから。 27 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:21:24.66 ID:CWRlad7X0 川 ゚ -゚) 『内藤、そんなに落ち込むことはないぞ』 肩を落とす僕に話しかけてきたのはクーさんだ。 川 ゚ -゚) 『確かに【世界一の料理人】の定義は曖昧かもしれない。 しかし、それは世界中の料理人が持つ目標の数だけゴールがあると言う事でもある』 ( ´ω`)『…?』 川 ゚ -゚) 『ゴールがないなら走り続ければいいではないか。 好きな世界で好きなだけ走り続けられる幸せを感じればいいではないか』 (´・ω・`)『そうだね。それも一つのゴールかt』 川 ゚ -゚) 『ショボンすまない、少し黙れ。 いいか、内藤。少なくともこの店に来てくれるお客様は他の店よりもこの店を選んでくれているんだ。 お前はそれに答える義務がある。 食事を楽しんでいただくお客様が【この店は世界一美味しい】。 そう思っていただければ、それはそのお客様にとってお前が【世界一の料理人】であるという事だ』 光を閉じ込めた水晶の様な瞳で僕を見つめクーさんは話す。 そうだ。正体不明のナンバー1より、誰か一人の為のオンリー1でいいじゃないか。 その誰かが誰になるのか。 僕にはまだ分からない。 それでも、僕のこの右手を捧げるに相応しい誰かのために。 ( ^ω^)『もっともっと腕を磨かないといけないお』 僕はそう思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Feb 3, 2007 07:56:03 PM
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