音円盤アーカイブス(7,8,9月)

日記の中で日々紹介しているCD,レコードを再録して記録しているコーナー。
シャッフル感覚でランダムに時系列的に載せてます。

1  Mika Pojola/On The Move(自費出版)1996/11/29
2      /Announcement (VEGA) 1998/4/25
Mika Pojalaはフィンランド生まれのピアニストとキーボーディストで現在はNYで活躍中。
このCDは最新作であるLANDMARK(Abovoice)を2002年3月にディスクユニオンの通販で買って1曲目のLANDMARKがかっこよかったので
HMVの通販バーゲン\899出ていたのですぐに注文して入手した。
どちらのアルバムもカルテットの演奏で、TS,SSにブルックリン派の
売れっ子クリス・チークがはいつているので買ったようなもの。
ON THE MOVEはNY録音、ANNOUNCEMENTはヘルシンキ録音になっている。 最新作のLANDMARKがフューチァージャズを意識したつくりであったのに対し、この2作はアコースティクなつくりで、1の9曲目、ミカのピアノの上をチークのSSがたなびくように泳ぐ様や、いかにもブルックリン派の曲調でチークとミカがクールにスイングする10曲目が酔い。
2は1より曲、ノリとも音楽的な進歩があきらかにうかがえる。
リズムのメリハリ、緩急自在なアドリブラインの応酬、クリス・チークのソプラノが1PARTYでは特に素晴らしい。2はベースの奏でるシークエンスに対しハプシコードとサックスのユニゾンがテーマをウェザーリポートのような感じでとるインタールード的な曲で面白い。
ジャズ批評最新号120号にはこのMika Pojolaは掲載されてなかったけれども、もっと注目されてよいピアニスト、コンポーザーだと思う。 1 7.0 2 8.0

3 High Five Quintet/Jazz Desire(VIA VENETO)
イタリアンバップグループの最新作といっても2作目でがこれは良い!!! 何といってもファブリッジオ・ボッソのTP Flhが抜群に良い。 コクがあるのにキレがある(古いか・・・)
一時のロイ・ハーグローブをしのぐのではないだろうか?
硬軟どっちのプレイも優れており、聴いていてスカッとする。
曲も良いし、グループとしてのまとまりもあり、メンバー全員熱演である。 ボッソには一度単身でも良いから早いうちに来日してもらいたい。  聴いていてアルコールが進む一枚ともいえよう。
はやくも今年のベストの内の1枚にいれてもよさそうな一枚!!
3 9.0
HIGH FIVE QUINTET


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BRENT JENSEN/DAVID SILLS QUARTET
4 Brent Jensen/David Sills Quartet/ STAY COOL(Origin 82403)2002 3/29
真夜中だというのに今日はあまり風がはいらずPCの置いている部屋はクーラーがないので暑いです。
クールジャズで涼んでいます。
このアルバムはハリウッドで2年前に吹き込まれたものですが、
見事にトリスターノちゅうかコニッツ~マーシュラインの遺産を現代に継承、再構築しており抜群にスイングした演奏をおこなっている。 デヴィッド・シルズはナクソスレーベルの2枚も中々の出来であったが、このCDでも快調に飛ばしている。ウォーン・マーシュの後継者というわけでもないだろうが彼の音楽をよく理解し反芻し
咀嚼したこなれたプレイによりなってきているのが立派だと思う。
ジェンセンもコニッツ、ゲイリー・フォスターの役割を見事にこなしている。 トリスターノ クールジャズはアドリブにおける文脈と音色面で(全体のサウンド重視という意味で)現代ジャズ ブルックリン派のミュージシャンに多大な影響を及ぼしていると思う。
4 8.5
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昨日から殺人的に暑い日が続いていますが、体調管理に気をつけて夏を楽しみたいものですねぇ。
今はPCしながら中村善郎の新作「Lembranca,Esperanca]を聴いています。彼の音楽とのつきあいは、ブラジルから帰ってきて土岐英史リオソンやスピック・&スパンに客演していた頃からですが、
その頃から今のスタイルはすでに確立されていたと思います。
ボサノバという音楽が決してファッションややわなものでなく、
確固たる強い意志に基づいた永遠の音楽だということがよくわかります。  今日はこのへんで失礼します。
中村 善郎
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GEORGE BOHANON
GEORGE BOHANON/BLUE PHASE(GB1990-CD)
を聴いている。1990年に自費出版したものの様で、ライトハウスから通販で購入した。トロンボーンカルテットでDSにはビリー・ヒギンズが、参加。ボハノンの名前はナベサダの「カリフォルニア・シャワー」の中でデイブ・グルーシンが編成したブラスセクションの一員にはいっていたのが最初の記憶だったように思う。
このCDでは、オーソドックスな4ビート、バラードをオリジナルをまじえて暖かい音色で丁寧に吹いている印象を強くうける。
WALKIN,IF YOU COULD See ME NOW、LINDA, BLUE PHASEなどがとくに良い。
最近名前を聞かないが久々に新録を期待したいプレイヤーだ。
もちろんカルテットの演奏で・・・
ちなみに10年ほど前にGRPオールスターズで唯一人のトロンボーンセクションとして来日した。
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STEVE GROSSMAN
いまだにスティーブ・グロスマンが好きだ。
90年台以降のグロスマンではなくて70年代の・・・
このレコードは(CDRに落としてPCで聴きながらこの日記をかいたいる)新譜ででたときにLPコーナーの大谷さん(弟さんの方)に「お兄ちゃん、今回のグロスマンはええよっ!絶対こうとかなあかんよっ!」と薦められ買ったもの。
一聴、 「しまったぁ。また、だまされたぁ。」
なんや、この電気音は・・・ グロスマンらしないのう・・・
なんでスティービー・ワンダーの曲やっとんのやぁ・・・
その頃はもっと「ライトハウス」みたいにゴリゴリのストレートアヘッドなジャズをグロスマンには求めていた。
使った金が惜しくて何回か聴いているうちにだんだん好きになつていきた。 別にグロスマンやからフュージョンやったらあかん 言う事もないしなぁ・・・  つこてる楽器やリズムがいつもと違うだけでアドリブはグロスマンやでぇ・・・
曲も自身のオリジナルやプーさんがFLING DISKの新作でゲイリー・ピーコックとトリオでやった曲もはいっいてるしぃ・・・

メンバーも今からみると凄いメンツ揃っている。
Steve Grossman(Ss,Ts)Bugzy Feiten(G)
Barry Finnerty(G)Onaje Allan Gumbs(P,Rhodes)
Masabumi Kikuchi(P) Mark Egan(Bs)
Marcus Miller(B)Steve Jordan(Ds)
Victor Lewis(Ds)Lenny White(Ds)
Sammy Figueroa(Congs)Raphael Cruz(Per)
1979年 NY録音
あの頃はグロスマンも自分も若かった・・・
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ソニア ローザ
このアルバムもCDRにして聴いている。
何年か前にSONYからCDされた事もありますが、現在は残念ながら廃盤になっています。
大学2年の時にでてすぐに買ったのを覚えている。
典型的な大野サウンドをバックにウィスパーボイスでしっかりした日本語の発音でとても丁寧に唄っている。
ソニアの歌はルパンでほとんどの人が無意識に耳にしていると思うが今まで自己名義のアルバムは4枚でており、これは79年録音の最後のアルバムのはず。  2年前「ルパン ザ サード」のアルバムで数曲参加したのは本当に嬉しかった。
まったく衰えていない声は健在ぶりを知らせてくれた。
どこかのレコード会社がリーダーアルバムをリリースしてくれないものだろうか。石黒ケイもカムバックすることだし・・・ このアルバム中「TOKYO IN THE BLUE」は中野良子主演のTVドラマ主題歌になりシングルカットもされたはず。
最後から2曲目で息子とDUETしているがその子は現在DJとして活躍しているそう。  
年に何度も取り出して聴くアルバムです。
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昨日買ったジム・シナイデロのSTRINGS(MILESTONE)2001 11/13
を今聴いている。シナイデロの名前を知ったの は相当昔で確かJAZZLIFE誌上で東芝から初リーダー作のレビューがのった時だと思う。 その時のレビュアーは今はなき軒口さんだったと思うが素晴らしい新人ではあるが10年後にJAZZシーンで継続してアルバムを出し続けているかということに否定的な意見でシーンの中に埋没してしまうのではないかということがかかれていたと記憶している。
軒口さん あなたの予想はずれましたよ・・・
シナイデロは地味ながら地道に研鑚を重ね、アルバムもKEN MUSIC,
CRISSCROSS,RED,DOUBLE TIMEとマイナーなレーベルながら10枚以上リーダー作をリリースし続け、今回MILESTONEという比較的メジャーなレーベルからリーダーアルバムをだしましたよ・・・
初期の頃はやや頭でっかちな面がうかがわれたが、このアルバムでは
作編曲面と演奏の両方において成熟した現在のシナイデロの音楽が
記録されている。 楽器の鳴り、音色、フレージング等演奏面で初期盤より明らかな進歩が見受けられる。説得力、音楽が発するメッセージ、情報量が当時と全然ちがうのだ。
10年ほどノーチェックだった為この成長はうれしく思う。
音色的には私の好みのアラン・メスキダや大森明を力強くした感じでジョー・ゴードンやぺリコ・サンビートに近いように思う。
いずれにしてもシナイデロの現在が演奏、作編曲両面で見事に記録された一枚である。
できれば売れてほしいが、えさ箱に半値で出ていた位だから売れなかったんだろうなぁ・・・
尚、このアルバムは9/11ごのすぐNY10/25と11/13両日にわたって録音された。
JIM SNIDERO
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一昨日買ったERIK FRIEDLANDER/QUAKE(CRYPTOGRAMOPHONE)2002
1/15,16を聴いているが、数年前の吹き込みSKIN以来でその作品も
同じメンバーだったので、レギュラーグループとして固定しているのだろう。SAXにはアンディー・ラスター、BASSとDRUMSには武石兄弟が参加している。
フリードランダーのチェロとアンディー・ラスターのアルトが武石兄弟の創り出す土台がしっかりしているんだけれど、軽やかで、どこにでもいけるような風のように自由のリズムのクッションの上を変幻自在に飛び回る。

うーん!・・・もっとつっこんで書くには何回か聴いてからにしよう。
ERIK FRIEDLANDER
今、7:30出勤前にサイトチェックしてたら、
ERIKのこのグループの名前TOPAZというのを今知りました。
また「マルドロール」という新作ソロアルバムをリリース予定なのもわかった。 興味がある方は、次のアドレスまで・・・

http://www.erikfriedlander.com/
一部試聴ができるはず。
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昨日前から買おうと思っていた山中千尋の新譜をGET!
唯、この作品は方々から評判となり予想通り絶賛されているので
いまさら書く必要もあるまい。 勿論、作品の素晴らしさはいうまでもない。 その代わりといってはなんだが、去年の秋HMVの通販で入手した馬場和子の「AI」もそれに劣らず素晴らしい出来だったのでここに記したい。
馬場 和子
2001年9/5NYの録音で日常的にセッションを繰りひろげている井上陽介(B)小山太郎(DS)のトリオによる録音だ。
まず馬場のコンポジションがとてもよい。1曲目、2曲目などはNYという大都会に一人暮らす日本の女性が精一杯日々を努力し明日という日に希望を見出すといったような事を連想させる叙情的な作風をエレガンスに満ち溢れながら粒立ちの良い音でジャージーに弾ききるところに心を奪われる。トリオの連携もスムースで危なげがない。かといってスリルに乏しいわけでなく三人のプレイヤーによる音楽的会話が細かいレベルにおいて頻繁に反応しあい、刺激しあっているのが聴き取れる。AIの愛たる所以である。
音楽への愛、JAZZへの愛、人への愛、NYへの愛、日本への愛、故郷への愛、ピアノへの愛・・・馬場和子
まだあまり日本では知られていないが応援していきたいアーティストであるし、もっと売れていいピアニストだと思う。
 www.kazuko.net
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今日は珍しく、そして想い出深い懐かしいレコードを聴いている。
CDRにおとしたものをPCで再生しながら書いている。
昔のスウェディシュ・ジャズ。1960年2月9日、10日の録音だ。
このレコードと出合ったエピソードはこうだ・・・
大学に入ってジャズ研(といっても聴くほうだが)にはいりそのクラブに長老的存在のHさんがいた。Hさんとは、既にそのクラブに入る前から顔を知っていた。入試の帰りによったジャズ喫茶でHさんがバイトしていたからだ。Hさんのジャズの知識は膨大でBULE NOTE,PRESTIGE,RIVERSIDE,PACIFFIC JAZZなどの人気レーベルなどはレコード番号で暗じてるばかりか、こちらの知らないミュージシャンやレーベルを山のように知っていて羨望の眼差しでみていた。当時色々なことを教えてもらった。Hさんはその頃からコレクターが集う会やレコード会社の社員、レコードショップのオーナー、ジャズ喫茶のマスターなどと学生とは思えないネットワークを持っていてジャズに関する様々な情報をいち早くキャッチしていたのだ。
そんなHさんとある日梅田にくりだしていて、その当時のジャズ喫茶の名店「JOJO」に居た時マスターが発した一言にHさんの顔色がかわった。「H君、VICにSAX APPEALがはいったらしいで・・・」
やおら伝票をつかんだHさんは一目散 、わけがわからない私は、
後を追いかけるのが精一杯。突然きびすを返してこちらに戻ってきたHさんが一言。「悪いけど、金かしてくれへんかぁ」
いつもは持ち合わせの少ない私が珍しくその時は持ち合わせがあり、Hさんは目出度くSAX APPEALを入手できた次第。
そんなHさんを虜にしたこのレコードの素晴らしさはあまり説明しなくてもわかってもらえる様な気がする。当時のスウェーデンのジャズシーンのレベルの高さが一聴してわかるレコードといったらよいだろうか。 マリガンよりマリガンらしいラス・ガリン、コニッツよりコニッツらしいロルフ・ビルベルグのユニゾンの素晴らしさ、ウエストコーストではない北欧の短い夏の太陽の光の様なはつらつとしながらもある種の憂いを含んだアドリブの応酬が随所にききとれる。全曲聴き物だが、なかでも1曲目の「CURBITS」が白眉だろう。Hさんは入手以来研究会のテーマ曲でいつもこれを流していたのが、懐かしい。  1978年の夏のエピソード・・・
P.S. 私がこれを入手したのは、数年後でそれも友人のOくんが2枚売ってるけど買うとこか?と電話してきてくれて手にいれた次第
SAX APPEAL
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セルソ・フォンセカ
Celso Fonseca(セルソ・フォンセカ)を知ったのは、今から約6年前の春だった。出張先の倉敷のレコードショップで藍色がベースにメスチ-ゾだろうかネイティブな若い青年が月面宙返りしているジャケットがやけに目をひいた。その時は気になりつつJAZZのほかのCDを買うのが目的だったのでそのCD「PARADISO」を買わずに店をあとにした。  妙にそのジャケが脳裏に残像として残り、頭からはなれない。こういう時はレコードの神様の光来だと思って第六感に任せて買うに限ることは過去の経験からして今までも何回もあったことだ。
翌朝、ホテルで朝食を済ませた私は開店間もない朝の澄み切った店内に入り、そのCDがおいてあるスペースへ歩を進めている時なんともいえないビタースイートなベルベットボイスの声が聴こえてきた。  それが、求めようとしていたCDの主セルソの声だった。
セルソを聴いていると誰もが持っているであろう夏のイメージを増幅させてくれるというか、具体的な風景が目をつぶってみると見えてくる。 夏の夕暮れ、波打ち際でボールを追いかけている子供と犬の声、夕立の後の甘い香り、鼻をくすぐる潮風、遠くから聞こえる汽笛の音、草花が蒼い風で揺れる・・・あの夏の思い出がよみがえってくる ・・・永遠の夏・・・

このアルバムはそんなセルソがホナルド・バストスとのコンビでリリースした第3作目。 二人のコンビネーションも頂点に達した作品だと断言してよいだろう。
このあと2003年にはセルソ単独名義のNATURALがリリース。
こちらも必聴。 SLOW MOTION BOSSA NOVAをセルフカバーしている。
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BRUCE GERTZ

もう10年前の事になるんだなぁ。1994年の5月の事。
仕事で東京に行ったついでにもう一日宿泊してJAZZ三昧してやれって目論んだのだ。レコード屋めぐりとPITINN。
金曜の5時には仕事から解放されて一目散にJAZZファンの聖地新宿ディスクユニオンへ。2時間ほどかけてLPレコードを数枚GET。
カプセルホテルにチェックインして深夜に再び行動開始。
当時月一回今はなき日野元彦が日本のJAZZシーンに新風を巻き起こそうと主宰していたトコ・クラブを観るためだ。
0時に移転したPIT INNに到着したら一番のりでクローズされた店の奥の扉からはリハーサルの音が聴こえてくる。
その日のメンバーは、佐藤允彦(P)佐藤達哉(SS)土岐英史(AS)
山口真文(TS)櫻井郁夫(B)日野元彦(DS)のオールスターメンバーで満員を予想していたのだが、東京のファンには当たり前なのか全部で20人ぐらいの入りだったのを記憶している。
アレンジを入念にした三管編成の楽曲はスリリングで熱演だった。
明け方近く山口真文が眠たげな表情で吹くボディ・アンド・ソウルがカッコよかった。
5時ごろ帰り道に歌舞伎町新宿コマ劇場あたりでそばを食べたが例によってだしが真黒で甘辛かったのを覚えている。
興奮のうちにホテルをチェックアウトして、向かうところは、
六本木WAVEへ。 当時通販でWAVEにはお世話になっていて結構珍しいレコードが入荷していた。2時間ほどかけて10数枚のCDを取り置き分を含めて買う。GERRY BERGONZIの入ったBRUCE GERTZのBLUEPRINT(FREELANCE)もその時買った一枚。
GERRY BERGANZIはRED盤「JERRY ON RED」88年からファンで
BRUCE GERTZはその頃からバーガンジィーのレギュラーベーシストであった。この頃のバーガンジィーに駄盤なし。エグミのあるリズムに起伏がとんだ個性溢れるマナーでどんなタイプの楽曲も完璧に吹ききるまさに油が90年前後はのっていた時期だと思う。
リーダーのGERTZは堅実なベースプレイだと書いておこう。
他のメンバーはJohn Abercrombie(G)Joey Calderazzo(P)
Adam Nussbaum(DS) FREELANCEからでた優秀盤といってよいだろう。
その後は、高田馬場に移動してレコードギャラリー、ディスクイン、コタニ、スイングレコードだったか?4軒まわり全部でCD、LPあわせて30枚以上買いこんで帰りの荷物が重かったけど当然顔はホクホク。 あの頃の様にまたいつか東京でJAZZ三昧したいなぁ、
10万円ぐらい持って・・・
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BOSSO~IRIO
今日は珍しく朝からちょっと曇っているのもあるのか涼しい風が吹いています。
シャワーをあびて気付にダヴィドフのクールウォーターを身体にひとふり。 シャッキっとした気持ちになるから不思議。
そんな体で聴いているのがこれ。「IRIO DE PAULA invites FABRIZIO BOSSO/ONCE I LOVED」(PHILOLOGY)
川崎でジャズに愛情をもって売っているのがわかる「サニーサイド・レコード」から通販で入手。
実はこのCD一曲目からミスクレジット。ジョビンの「ONCE I LOVED」となっているが、これが実はジョアン・ジルベルトの「OBA-la-la」なのである。ミュージシャンの曲名覚え間違いは良くある事なのでさして気にとめることもあるまいが・・・
実はこの「Oba-la-la」に目がないのである。
今まで3曲くらいしか自身のオリジナル作品を書いていないジョアン・ジルベルトの一曲。  小唄である。ボサノバという音楽、バチ-ダという奏法を編み出したのが風呂場の中というのは有名な話だが、この曲、本当に鼻歌みたいな曲である。
しかし、そこに、本質がある。ボサノバ音楽のコアな部分、サウダ-ジ、優しさ、愛情、ペーソスといったものが見事に組み込まれ、
表現された曲だと思う。
前にも紹介したFABRIZIO BOSSOがイタリア在住のブラジルのギタリスト、IRIOとDUOで心温まる会話を全編にわたって繰りひろげている。 他の収録曲はブラジル物でSUMMER SAMBA(ちなみに私の今の携帯着信メロディー)、O AMOR EM PAZ(これが英題でONCE I LOVEDです)、WAVE,SAMBA DE UMA NOTA SO(ONE NOTE SAMBA)スタンダードをボサ解釈でNIGHT&DAY,JUST FRIENDS
を演奏しています。
あれやこれやとやかく言わず、夏の夕暮れ、ワインクーラー片手にでも身をまかしてリラックスして楽しむCDだ。

Oba-la-laを好きになったきっかけは、ラジオ番組で渡辺貞夫がシルビア・テリスの同曲をオンエアしたのが始まり。
もっともジョアンのオリジナルは耳だこになるほど聴いていたが、楽曲自体の素晴らしさはその時だった。
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今日は駅前の「GROOVIN`」で2枚CDゲット。どちらも\1029。
ESMERALDA FERRARA SINGS BILL EVANS(PHILOLOGY)
バックのメンバーはGIOVANNI MAZZARINO(P)のセクステットで飛ぶ鳥落す勢いのFABRIZIO BOSSO(TP)に、FRNCESCO BEARZATTI(SS,TS)GIANLUCA PETRELLA(TB)PAOLINO DALLA PORTA(B)
そしてエヴァンズに縁のあるミュージシャンELIOT ZIGMUNDが(DS)を叩いている。
曲はエヴァンスのオリジナル作と愛奏曲で構成。
3曲目のA TIMELESS PLACE(THE PEACKOCKS)BY JIMMY ROWELES
なんかとても良い出来である。
歌手にとってジャズオリジナルを唄うことはスタンダードと違って1つの挑戦であると思う。何故ならその楽曲は演奏されることを意図されて作曲されたものであって唄うことを最初から意識してかかれたものではないからだ。
曲によってやや歌唱が不安定になるところも見受けられるが、全般的にエバンスのもつほの暗い寂寥感がアルバムを通して表現できているところは、評価しても良いと思う。

もう一枚は、AFRO BLUE BAND/IMPRESSIONS(MILESTONE)
1994年の録音でDAVE LIEBMAN が参加しているのが買った理由。
コルトレーン「IMPRESSIONS」「LONNIE`S LAMENT」「AFRO BLUE」3曲にシルバー「SENOR BLUES」をラテンアレンジで。
他にオリジナル4曲。リーブマンはオリジナル曲2曲のみに参加。
SSを例によってファナティクに吹いており水準の出来だが、正直いって先の4曲でのソロを聴きたかったのでやや期待はずれに終わった一枚。

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PAOLO FRESU
今、夜中の2時でさすがに周囲は寝静まっている。
さっき眼が覚めてしまってまさに、ルイ・スクラビスの名盤「夜目覚めている者達」って言う感じです。

このところ、イタリアのトランペット勢は快進撃が続き若手から中堅にかけてとても人材的に層が厚くなったと思う。
ファブリッジオ・ボッソ、マルコ・タンブリーニ、ファビオ・モルゲラ、フラビオ・ボルトロなどとても充実している。
後、この人を忘れてはいませんか? パオロ・フレスを。
20年以上伊ジャズ界で活躍し現在はヨーロッパ全域に活動の拠点を
拡大していっているフレス。
このCDはそんなフレスが当時率いていたレギュラークインテットによるスタジオ録音盤。録音は1991年5月3,4日 ミラノとクレジットされている。
ジャズオリジナルとスタンダードがいい按配で選曲されて各曲を
最高のシェフの手によって素材を料理した感じと言ったら良いだろうか。マイルスの56年の第一次オリジナルクインテットの4部作といったら言い過ぎになるかもしれないが、非常に充実した出来映え。 曲は、WHEN SUNNY GETS BLUE,IN A SENTIMENTAL MOOD、STAR CROSSED LOVERS,MONK`S MOOD,DARN THAT DREAM,FALL,DUKE ELLINGTON`S SOUND OF LOVE,I THOUGHT ABOUT YOU,I`M A FOOL TO WANT YOU,GOOD BYE PORK PIE HAT,
SAIL AWAYの11曲。

アルバムタイトル通りバラードばかり集められた作品集だが、フレスのマイルスライクな寂寥感溢れるミュートトランペットの響きとクインテットのメンバーの場をわきまえたサポートに支えられ、
飽きることなく聴きとおせる一枚だと思う
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LORENZO TUCCI
今このCDの6曲目「GHOST」を聴いています。
アイラーの有名曲ではなくてこのアルバムに参加しているテナー奏者DANIELE SCANNAPIECOの作品。哀感溢れる曲調なのに甘すぎずいわばハーフビターなシニカルな味もするいい曲。
テナーの音色もジョー・ヘンダ-ソン系の音色にまるみをもたせ若干エッジをたたせた音といった感じで、私の好みの音である。
DANIELE SCANNAPIECOこれから注目していきたい伊の若手テナー奏者だ。そういえば、「HIGHFIVE QUINTET」にも参加していたっけな。
このCDは参加メンバーもまったく知っていないにもかかわらずショーターの曲を2曲」「ADAM‘S APPLE」「FEE-FI-FO-FUM」をテナーカルテットで演っているという事でどんな感じか聴きたくて勘で購入した。
結果はこうしてアップしているように正解!
イタリアの若手4人が自分のもてる力を素直にだし、背伸びせずに等身大のプレイに徹したのが結果成功につながった例だと思う。

最近こういう知らないプレイヤーの知らないアルバムを聴いて、それが期待をうわまわる出来なのが一番JAZZ聴いてきて良かったと思う自分はおかしいのかなぁ?
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ROSA PASSOS
過ぎゆく夏を惜しむかのように、素敵なボサノバのCDが到着!
ROSA PASSOS/AMOROSA(SONY CLASSICAL)
ホーザ・パッソスの唄にであったのは約10年前、倉敷の「グリーンハウス」がその頃の新譜「FIESTA」を平積みにしてプッシュしていたのを、偶然手にとってからだ。
独特のスモーキーで、サウダージをまさに唄う為に与えられたとしか形容のしようがない声に一辺に心を奪われた。
正確の音程、楽曲の微妙なニュアンス、感情表現、ポルトガル語に秘められた語感の美しさ、ギター演奏とのバランスなどボサノバ歌手に必要な条件を満点でクリアしたまさにボサノバを唄う為に生まれてきた歌手だと思う。
我々は唯、ホーザの唄に身を任せておけばよい。
後は、彼女が優しく身を包んでくれるから・・・

このアルバムはSONYCLASSICALからのリリースという事もあってこれまでにない豪華なつくり。
サイドはHELIO ALVES(P),PAULO BRAGA(DS)などジャズミュージシャンでかため、ゲストにアンリ・サルバドール、ヨー・ヨー・マ、パキート・デリベラなどが参加。
10のアンリとのデュエットがまさに大人の世界、この二人だから表現できる世界だと思う。

全般的な印象はエンターテイメントに溢れた一作、一家に一枚的作品といえよう。
ファン心理からすれば、こういう豪華なパッケージングもよいが
原点回帰というか以前のような素朴な飾らないフォーマットでのホーザを聴きたいという欲求がもたげてくるのも事実か?

以下のアドレスにもアクセスを。
www.rosapassosmusic.com
www.sonyclassical.com

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MASSIMO URBANI/ROUND ABOUT MAX with strings(SENTEMO)
イタリアの鬼才アルト、マッシモ・ウルバーニも突然の死を迎えて既に10年以上の歳月がたつ。(93年没)
この作品は91年11月の録音で晩期の作品といえる。
SPLASC(H)やPILOLOGYからのアルバムを何枚かもっていいたが、珍しいレーベルだし、曲がよいので94年の春先、梅田のワルツ堂EST1店で購入。
曲はTHE SUMMER KNOWS,THE SHADOW OF YOUR SMILE,
I COVER THE WATERFRONT, STAR EYES,INVITATION,
A TIME FOR LOVE, DAYS OF WINE AND ROSESの7曲。
カルテットと曲によってストリングスがかぶさるといった構成。
全体的にいって2流ホテルのバーラウンジで演奏されているような
すこし安っぽい感じをうけるつくりだが、マッシモのアルトプレイに関しては、曲によっては全盛期のこってりした、ファナティックなある意味狂気さえ感じさせるワンアンドオンリーな演奏が聴き取れる。
そして、音楽全体が、ブルー、それもダークブルーといった陰り、
悲しみの表情にとらえられた印象をうけるのは、私だけだだろうか?
今も生きていれば、47歳のウルバーニはまだまだ現役バリバリのプレイをみせていたはず。
新鋭のロザリオ・ジュリアーニやバティスタなんかとアルトマドネスを繰り広げてくれたかもしれない。
そう思うと、早すぎる死が惜しまれてならない。
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「駅前GROOVIN」でMYRIAM ALTER QUINTET/REMINISCENCE(B-SHAP)を買う。\819
このCD、2,3ヶ月前SAWANOからジャケ変更で復刻されたばかりだが、こちらがオリジナル。すぐにその時買わなくてよかった・・・
曲はすべてオリジナルでいろいろなタイプの曲で構成されていて
変化にとんでおり飽きさせない。

このアルバムでASを吹いているBEN SLUIJSはベルギーのWERFの最近の自己名義のCDなどで聴いていたが、最近よりもエッジのはっきりした、やや明るめのトーンでマッシブに吹いているのに今までの印象と違うのにやや驚いた。
リーダーのMYRAM ALTERはこの作品で初めて聴くが、演奏も悪くないが、作曲に才能を発揮する音楽家ときいた。
とてもバリエーションゆたかでウィットに溢れ、様々なカラーをもつ曲を書く。
ベルギーのジャズ情報はあまり入ってこないが、JAZZ IN BELGIUM(http://www.jazzinbelgium.org/home.htm)で知ることができる。アクセスしてみて下さい。
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安田南
昔、月曜深夜1時から3時までの2時間FM東京(関西ではFM大阪)系列で「気まぐれ飛行船」という番組が角川書店提供であったのをご存知だろうか?
人気作家の片岡義男とジャズ歌手の安田南の絶妙なトークが人気の番組であった。どちらかと言うとクールでアメリカ的なものの考え方の片岡とほのぼのとして感覚的な安田南の喋りが抜群の対比を生み出していて当時、高校生だった私は夢中になって聴いていたのを覚えている。

番組でかかっていた音楽も様々でブルース特集だったり、カントリー&ウエスタンだったり、またある時はハワイアンだったり、フォルクロ-レ、タンゴ、ありとあらゆるジャンルの音楽がかかったと記憶する。もちろん、ジャズの日もあった。

笠井紀美子が「TOKYO SPECIAL」をリリースした時、アルバム一枚まるまるかかり、その時安田南が「ケメ子の今のフィーリングが自然にでていて日本語で唄ったことでその感じがダイレクトに伝わってくる」とか何とか誉めていたのを覚えている。

このアルバムは安田南がよく出ていたジャズクラブ「ロブロイ」でのライブ録音で、1974年2月19日にレコーディングされた。
山本剛(P)福井五十男(B)小原哲次郎(DS)大友義男(AS)がサポートで実にリラックスして楽しい雰囲気が伝わる作品だ。
南の唄は俗にいうヘタウマで、作品の評価なんかどうでもいい感覚にさせられる。そんなことより今が楽しけりゃいいんじゃない?
と奔放でありながら知性を感じさせ、等身大の自分をライブにあられもなく投影させる魅力に溢れた一作だと思う。
この青山に当時あった「ロブロイ」というジャズクラブは高校生だった矢野顕子や山下洋輔なども出演していて、お店、ミュージシャン、お客や取り巻き連の交流がオーナーが書いた「青山ロブロイ物語」という本に書かれていて面白く読んだ。
10年ほど前、TVドラマにもなったはず。

そんな安田南が姿を消して既に20年ほど経とうとしている。

「気まぐれ飛行船」のエンディングで南がいつも言う言葉があった。それを毎週聞きたくて番組を聞いていたような気がする。
高校生だった私からすればすこし大人びたいろんな事をしっている
魅力的なお姉さん的存在だったのだろう・・・

こう言うのだ。最後に。
「眠れ!悪い子達!」
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今日、本屋でRELAX最新号を立ち読みしていたら、後の方にブロッサム・ディアリーのインタビュウーがカラー4ページにわたって掲載されていた。NYの自宅でおこなわれたそのインタビューの途中で停電になり、真っ暗闇の中でそのまま継続されたというエピソードが可笑しい。
今も、日常的にライブ活動をおこなっているようで、歌手として歌唱法のせいもあろうが、寿命が長く、全盛期のクオリティーを保っている稀にみる歌手だと思う。

ジミー・スコットが何年か前、ブームになって大注目されたが、このブロッサム・ディアリーにもブームが訪れてほしい。
そして来日公演を望みたいところだ。

今、BLOSSOM DEARIE AT RONNIE SCOTT`S CLUB LONDON
BLOSSOM TIME(FONTANA)を聴きながらこれを書いている。
いいレコードだなぁ!これ。
ON BROADWAY,WHEN THE WORLD WAS YOUNG,THE SHADOW OF YOUR SMILE, ONCE UPON A SUMMERTIME, MAD ABOUT THE BOY, SATIN DOLLなど選曲もよく楽しいライブといった趣。 
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IRENE KRAL
1978年にアイリーン・クラ-ルは46歳の短い人生を終えた。前年「クラ-ルスペース」をリリースして、これがSJでボーカル大賞をとったのを、覚えている。
その頃は今と違ってボーカルは興味の範疇外だったのでほとんど気にも留めず通り過ぎてしまった。
ボーカルのレコードを買いだしたのは、社会にはいってからで、やがてフレッシュサウンドの復刻盤やさっきのクラ-ル・スペースも入手したがやみつきになるほどでは、なかった。

99年の事だ。当時復刻された「GENTLE RAIN」を一人深夜、水割りを飲みながら聴いていたときだ。
クラ-ルが現れたのだ・・・幽霊ではない。
スピーカーとスピーカーの間にくっきりとそれこそ目の前で私一人の為に唄ってくれているような感じで・・・
日本人にも聴き取りやすい発音、イントネーション、正確な音程、
声量があるわけではないが、清涼感があり、意志の強さを感じさせるイマジネーションにとんだボーカリストだと思う。
それ以降、クラ-ルはマイ・フェイバレット・ボーカリストになってCDをすこしづつ集め出した。
この最新未発表CDはサンディエゴのリゾートホテルにあるジャズスポットCATAMARANでの週末のライブギグをレコーディングしたもの。1975年6月13,14日の録音。
MIKE WOFFORD(P)BOB MAGNUSSON(B)TONY MARILLO(DS)のサポートでレパートリーをエンターテイメント溢れる調子で快調に唄っていく様子が最高の音質で記録されている。

クラ-ルのピーク時が日常のライブという形で記録されたファンとしては非常に嬉しい一作だと思う。
クラ-ル自身は煙ったく、おしゃべりに夢中で騒がしいクラブにでるのは好きではなかったらしい。お金をはらって見に来てくれるコンサートホールが好きだったらしい。
日本へのツアーでそれが実現している。「クラ-ル・イン・トウキョウ」で・・・

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MARION BROWN
夏の初め、1979年7月の夏、その日は梅田の居酒屋で飲み明かしてしまったというよりは、終電もなくなり朝4時までやっているその居酒屋のおばちゃんが気をきかせて座布団を寄せ集めて、ここで横になっていていいよと言ってくれたのだ。
2,3時間寝てたのだろうか、 寝ぼけ眼の頭で喫茶店にでもはいったのだろう・・・クラブの他のメンバーとはそこで別れ、O本君と一緒に京都へ。
頭金が出来たので前から欲しかったアルトサックスを買いにいくのについて来てくれたのだ。
「穴沢楽器店」SJに割引しますといったような広告がたしかでていたのだと思う。小さなその店でとにかく買ったのだ。
すこし生意気な店員だが、親切なところもあり、にわか教師で吹き方を教えてもらう。
楽器の持ち方から指使い、マウスピースのくわえ方など基本的なことを店の中で約10分間。

それから、ひと夏アルトサックスとの格闘がはじまった。
堤防の下でよく練習した。名神高速の高架下で吹くと自然のエコーがかかり、うまくなったような気がした。
セミの音を聴きながらメロディーの断片が次第に吹けるように・・・
そんな時イメージしていたのが、このレコードのマリオン・ブラウンだ。
クラブの研究会でK原君がかけたのが最初。
衝撃をうけた。クラブで最後に述べる感想も絶賛だったのではなかったか? 気にいった私はk原君に頼み込んですぐにそのマリオン・ブラウンのレコードを貸してもらったはずだ。
テープにダビングはしたが、いつか買うぞと決意したのは言うまでもない。
アルトサックス一本でこんなにピュアで表情豊かな演奏を聴いたことがなかった。音のひとつ、ひとつに表情があり、カラーがあるのだ。喜怒哀楽といった感情はもとより、ブルーだったり、ダークブルーだったり、ブラウン、チャコールグレー、ゴールド、銀色のようなメタリックな音だったり、このソロパフォーマンスを目を閉じて耳で追っていると、カレイドスコープのようにカラーが自在に変化していく様が見てとれる。

肉体的にも精神的にも(金銭的には報われなかったであろうが)ピークをむかえていたマリオン・ブラウンの日常のライブ活動を記録した一枚。1977年6月2日 NY録音。
HARRY SUNDOWN,ANGEL EYES,EL BOCHINCHERO,and THEN THEY DANCED,LA PLACITA,ENCOREの6曲が収録されている。
 
私の中では、純度が高く永遠に残る音としてインプットされている。
後年、それから10数年たって入手したが、宝物を手にいれたように嬉しかったのを覚えている。

P,S.  マリオンの音とその頃の私のサックスの音は今思えば似ても似つかないものなのは、説明するまでもない・・・
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TODD COOLMAN
週中の休日の朝、コーヒーを飲みながらこれを聴きながら書いています。
TODD COOLMAN TRIO/TOMORROWS(BRC)
SJに載っていた今はなき六本木WAVEの広告をみてかったもの。
こういう何の変哲もないピアノトリオが一番よいのだなぁ。
長い事飽きずに折りにふれて棚の奥から引っ張り出してきて聴いている。 オーソドックスなトリオであるが、演奏面で誠実さがとても感じられ、聴いていて清々しい気持にこちらもなれる。
選曲がとても良く、アレンジも練り上げられ、作為性が勝たない様、ナチュラルな仕上がり。
リーダーのトッド・クールマンとリニ-・ロスネス、ルイス・ナッシュの三者のバランスがとても良い。
録音はつい先日なくなったデビッド・ベイカー。
1990年11月28日 NY録音
オリジナル以外にWALTZ NEW(JIM HALL)ZINGARO(JOBIN)SAD TO SAY(GOLSON)ERONEL(MONK)VISITATION(CHAMBERS)THE DRUM SONG(S.HAMPTON)など。

リニ-・ロスネスの歌心溢れるピアノがアドリブになると、俄然演奏をひっぱっていて聴いていてハッピーな気分にさせてくれる。
今までのリニ-のベストじゃないだろうか?

リーダーのトッド・クールマンは1954年7月14日、インディアナ生まれ。1975年にインディアナ音楽大学を卒業後、シカゴのジャズシーンで活躍、その後NYに移り、ホレス・シルバー、スタン・ゲッツ、アート・ファーマー、ベニ-・ゴルソンのジャズテット、ジェームズ・ムーディー、ライオネル・ハンプトン、メル・ルイス、スライド・ハンプトンのビッグバンドなどで働いている。
リニ-・ロスネスとはジェームズ・ムーディーのツアーで知り合ったらしい。
このレコーディングは2時間半のリハーサルの二日後、五時間で一気にとり終えたもの。
その事からも、快心の出来なのが窺えよう。

尚、翌年にはこのメンバーにジョー・ヘンダ-ソンを加えたカルテット作が録音された。
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THE QUARTET
とうとう禁断の果実に手を出してしまった。
そんなに大げさなものではないが、これに手を出すとそれこそ限りがないので、今までほとんど無視していたのだが、今回はそういう訳にもいかず、嬉々として買ってしまった次第である。
THE QUARTET/HANKOCK~SHORTER~HOLLAND~BLADE

CYBERSEEKERS.COMというブートレッグ専門のところから入手。
先週のTOKYO JAZZに先がける録音は、2004年7月3日 フランスはパリでのライブの全貌が2枚組のCDRに収められている。
お互い共演経験はあるが、この4人のメンバーが一緒に演奏するのは今回が初めてだったとの事で、お互いのプレイに驚き、触発され、興奮している様が、演奏の進んでいくうちに随所に感じられる。
6月18日に始まったワールドツアーはアメリカ国内、カナダを終え、ヨーロッパに入る。その初日、パリのテアトル・ド・シャトレーでの放送録音が演奏順にCDRに収められている。
「SONRISA」「PATHWAYS」「FOOTPRINTS」が前半でウェイン・ショーターはテナーを吹いている。
ややこもった硬いリードで吹いているのが推測されるウェインのテナーの音はこちらの体にじわじわと遠赤効果のように効いてきて、気が付いた時には、演奏の虜になっている自分に気づくといった有様で、まさにショーター・マジックの面目躍如か・・・
選曲の主なところは、97年にリリースされたハンコック~ショーターのデュオ集「1+1」(VERVE)からされている。
DISC1の2曲とDISC2の「V」「AUNG SAN SUU KYI」「MEMORYOF ENCHANTMENT」。
ツアー中のプログラムはほとんど同じ進行で進んでいったらしいが、同じパターンの演奏は全然ない(ハンコック談)という事が
まんざら嘘でないのが、信じられるような、一部フリーになるような局面もあり、4人全員がスリルをあじわいつつ、お互いを信頼し
ハプニングを楽しんでいる様が見受けられる。
DISC2の1曲目「V」はショーターとハンコックの「ビジター・フロム・サムウェア/ノーウェア」という曲をショーターが今回のカルテットの演奏用にアレンジしたらしいが、ここでのショーターのバラード演奏は、ここ近年で最も素晴らしいパフォーマンスだと思う。
テナーとソプラノを使い分け、曲が進むにつれ、どんどん熱いソロになっていく。
ショーターのことばかり書いたが、ハンコックはいつもの様に変幻自在な全天候型のピアノで、楽しませてくれるし、ホランドも切り込み鋭いベースプレイ。一人若いブレイドがこのカルテットでは、いい刺激になっていて、センシティブでパワフルなブレイドのドラムワークがベテラン3人のインスピレーションのいい源になっているのでは、なかろうか?
クレジットで2の「AUNG SAN AUU KYI」と3の「CANTALOUPE ISLAND」の間にもう一曲収録されておりその曲目がこちらもはっきりとわからない。
ハンコックのインタビューによると「ウッド・シルフ」という曲の可能性もあるが・・・

いずれにしても2004年の夏の海賊盤のままでは、惜しい素晴らしい演奏の記録だと思う。




















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