ベトナムニュース
5月8日(月曜日) *国会の常任委員会は土曜日に長い会議を終え、国会の準備は全て整ったと発表した。次の国会では社会保健法、エイズ予防法、民間航空法、不動産取引法など、9件の法律を承認する予定である。更に去年の国家予算の収支報告、今年の実績と問題点など現状報告も行われる。(訳者注:共産党の指導者は、国会で何を承認し何を決議するか既に決めた。以下、有料版に記載) *ノンドクマン書記長は、ハノイ市の住民と会見して彼等の意見を聞いた。世間一般の実情を知り、次の国会で国民の声を反映させるためである。マン書記長は、共産党と政府は役人の汚職を無くし、強くて豊かな国家を建設するために、全力を上げると約束した。各地の国会議員も、集会を開いて地元の有権者の声を聞いた。 5月9日(火曜日) *チャンドクルオン大統領も、新たに外国へ赴任する15人の大使と会見し、外交官の心構えを訓示した。国家と共産党が求める外交政策は、国土の防衛と同時に外国と安定した関係を結び、経済発展を促進する事だと述べ、外交官はベトナムを正しく外国に理解させ、国内の経済発展のために多くの情報を収集する任務があると諭した。 *農業省は、南部工業地帯の経済開発計画を発表した。(訳者注:役人が時間潰しに…以下、有料版に記載) この地域は、農作物の加工基地として重要な意味を持っている。天然ゴムや胡椒は、ここで加工して付加価値を付けて輸出する。米は作付けを減らし、野菜や花卉の栽培、家畜の飼育を増やし、農民の所得を向上させる。農地は急速に住宅地や工業地区に変わっているが、減少する農地を効率的に使って生産性を上げる。ホーチミン市を訪れる外国人が多いので、彼等を対象にした観光産業も大きく発展させる計画である。 *電力公社は、電力の消費は供給を上回って急増しており、今後3年ほどは電力不足が更に悪化すると報告した。乾季の終りは水不足で水力発電所の能力が落ちるため、北部では重大な電力不足となる。政府は発電所の建設計画を早め、中国から電力を購入し、できる限り電力不足による悪影響を無くす予定である。 5月10日(水曜日) *ファンバンカイ首相はKhiem副首相、副市長、市の共産党役員と共に、ホーチミン市の国立大学を視察した。国家の工業化と近代化には学問が何よりも必要だと述べ、学生に一生懸命勉強するよう指示し、教師には教育の質を高めるよう指示した。(訳者注:私はベトナムの大学で教えているが、大学の管理は…以下、有料版に記載) *Dung副首相は南部のBinh Duong省を訪れ、間もなく始まる国会に国民の声を反映させるため、地元の住民と会見して直接意見を聞いた。また先の共産党大会が成功裡に終わったと語り、今後5年間の経済成長を7.5-8.0%にする事、汚職撲滅に力を入れる事などを説明した。会見には、地元の国会議員も大勢出席した。 5月11日(木曜日) *全国から大学の関係者350人がハノイ市に集まり、2日間に渡り教育水準の向上、民営大学の設立、大学の自治の拡大などを検討した。Khiem副首相は、国家の発展には教育が重要で、ベトナムは大学の水準を引き上げる必要があると述べ、長期の計画を作るよう関係者に指示した。 *Phuc計画投資大臣は、国費や外国の援助で行う公共事業を厳しく管理し、汚職や無駄遣いを無くす抜本的な対策が必要だと語った。例えば現在の道路の建設では、運輸省傘下の国営企業が工事を行い、運輸省の役人がそれを監督し、汚職で得た資金は運輸省の役人のボーナスに回る。これでは汚職が無くなる筈がない。汚職と同時に、手抜きによる欠陥工事も大きな問題で、政府が建設した公共設備は直ぐに壊れる。(訳者注:巨額の外国の援助資金が役人の…以下、有料版に記載) 5月12日(金曜日) *ハノイ市のBa Dinh区は国家の独立に大きな貢献をし、45年前に『労働者の英雄』の称号を得た。またドイモイ政策の導入でも、大きな成果を上げた。これを記念し、区の人民委員会は盛大な式典を開いた。式典にはルオン大統領や祖国戦線のDuyet議長など、共産党の指導者が大勢出席し、マン書記長らは祝電を送った。同区は国家の首都の中心で、政治や行政の中心でもあり、行政改革に大きな成果を上げた。 *国連のアナン事務総長が、5月23日からベトナムを公式訪問に訪れる。この訪問で、ベトナムと国連の関係は、更に強化されると期待される。ベトナム報道協会のニューヨーク駐在員が、アナン事務総長と会見して訪問の目的などを聞いた。 *共産党の宗教委員会はお釈迦様の生誕2550周年を祝い、仏教協会に祝賀の言葉を送った。そしてベトナムでは宗教の自由は憲法で保証されており、仏教の信者は国家の重要な一員で、国家のために慈善事業などに積極的に取り組んで欲しいと語った。仏教協会の代表は、政府が宗教に関心を払ってくれるのは有り難い事だと述べ、積極的に政府に協力すると約束した。ハノイ市など地方の指導者は地元のお寺を訪れ、仏教の指導者にお祝いの言葉を述べた。各地の仏教徒は、様々な祝いの式典を開いた。 5月13日(土曜日) *国会の事務局は記者会見を開き、来週の火曜日から国会が始まるが、その準備は全て整ったと報告した。不動産取引法、社会保健法、弁護司法、民間航空法など9件を承認し、13件の法律の草案を検討する予定である。 *郵便電話公社は、アメリカのロッキード社と通信衛星の購入契約を結んだ。フランスや日本の企業とも商談したが、同社が一番有利な条件を示した。2億7千万ドルの費用で、2200Kgの衛星の製造と打ち上げ、地上の管制センターの建設、作業員の訓練など、必要な資材と技術を全て提供する。2008年5月に、衛星を打ち上げる予定である。 *ハノイ市の郊外にある仏教協会の本部で、お釈迦様の生誕2550年を祝う式典が、盛大に行われた。Hoa副大統領やKhoan副首相も、式典に出席した。 そ の 他 の ニ ュ ー ス *住友三井銀行が、ホーチミン市に支店を開設した。東京三菱、みずほに次ぎ、日本の銀行の支店としては3番目である。 *1ドルが、16,000ドンの壁を越えた。正式レートは1ドルが15,940-16,011ドンだが、銀行などは高い方の数字に合わせて取引を行う。国有銀行の為替部長は、ドンの為替相場は安定しており、特に大きな問題ではないと発表した。 *今週の初めに闇市場で突然ドルが急騰し、1ドルが17,000ドンを越えた。中央銀行が国内にはドルが十分あると発表すると、直ぐに16,500ドン以下に下がった。原油や金の高騰でインフレが始まると考えた人達が、ドル買いに走ったらしい。 *日本貿易振興会(JETRO)の調査によると、日本企業はベトナムへの投資に大きな関心を持っており、 ASEAN諸国の中で最も有力な投資国と考えている。国情が安定し、労働者の賃金が安い事が、大きな理由である。しかし通関などの事務手続きが面倒、公共料金が高い、知的所有権が不備、現地調達が不可能など、様々な問題もある。 *北部のSon La省で、落雷による事故が何件もあり、雷に打たれて2人が死亡、3人が負傷した。電柱やテレビアンテナなどへの落雷もたくさんあり、10万ドルを越える被害が出た。(訳者注:熱帯のスコールは、日本の夕立の数倍の威力がある。 *カンボジアでは、以前はタイ製品が圧倒的なシェアを占めていたが、最近はベトナム製品に人気が出ている。ベトナム製は値段が安い上に、販売網やアフターセールスも整ってきた。ベトナムから同国への輸出も、急増している。