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昨日に引き続き、今日はラツィオ州(州都ローマ)の赤ワイン
をご紹介しましょう。 ワイン生産の80%が白ワインに捧げられたラツィオ州 にあって、昨今のグローバリズム化は伝統を省みず、やはり赤を その主人公に引き上げようとしているように見えます。 ジャーナリズムにおいて最高賞を獲得するのも赤ワイン。当然 マーケティングの最前線には赤ワインが配置することになる。 それに同調するように、今までほとんど成功例を見なかった 土着の黒ブドウ「チェザネーゼ」がDOCGに昇格するなど 州全体で虎視眈々とイタリアワイン界における地位向上と マーケットにおける収益の向上には余念がないようです。 でも、ラツィオは伝統的にも生産の質量的にも、僕は個人的には 絶対に「白の産地」としての理解、認識は大切だと思います。 オルヴィエートDOC、エスト!エスト!!エスト!!!ディ・ モンテフィアスコーネDOCのヴィテルボ県の白。 そしてフラスカーティ、マリーノなど法王、貴族の避暑地、 別荘が点在するカステッリ・ロマーニのワイン。 これらすべて、素朴で田舎臭くて洗練されない、ローマの貧民や 周辺の農民層の料理と切っても切れない滋味あふれる白ワインの 伝統産地だからです。 ともあれ、ラツィオの赤ワインにもきらっと輝く鋭い勢いがある ことも否めませんし、その魅力に抗うことに全く意味もありま せんし。 ということで、2本の新しいラツィオワイン、テイスティングして 行きましょう!! まずはコレ! プティ・ヴェルドー 04 これはご存知の方も多いと思いますが、ボルドーのマイナー品種です よね(^^;)100%というのもとても珍しい。 で、この生産地がローマの南東にあるラティーナ県のアグロ・ポン ティーノ。 ムッソリーニ時代にヴェネトから農民を移住させて開墾した地区 なんですが、ここのワインは、不味いワインに慣れきっている ローマっ子でさえ口にしたくもないほど不味い!と言われるほど のワイン産地だったそうです(^^;) そこに現れたのがこのワイナリー「カザーレ・デル・ジリオ」で あります。 トスカーナのボルゲリやスヴェレート同様に海岸に近い湿地帯の テロワールを持つ土地にあって、近代醸造を導入すれば不味い ワインなどできるはずもない!と考えたのでしょう。 国際品種を中心にしたラインナップでラツィオワインシーンの トップを走るワイナリーに成長しています。 ![]() さて、プティ・ヴェルドーですが、色調的には黒みを帯びて そこそこに凝縮しています。 黒色を反映して、香りで感じるのは良く熟れた黒い果実です。 ブラックベリー、ブラックチェリー。 甘みが心地良く、そこに比較的強い苦味を帯びた香りで その苦味はブドウの梗のようでもあり、土のようでもあります。 バラのようなフローラルな香り、黒胡椒も感じて、非常に 複雑な世界が鼻腔に広がります。 味わいのアタックで印象的なのは「しょっぱさ」です。 口の中でもフルーツの甘みはしっかりと感じられて、そこに 中国茶のような葉を発酵させたような、燻したような香りも 感じられます。 タンニンはそれほど強烈ではなく、このブドウ品種が タンニンに強い魅力のあるブドウではないことが分かり ます。これがボルドーのマイナー品種であることの一因 でしょうか。 非常にパワフルなモダンワインをイメージしていましたが 意外に力強さだけをアピールするワインではなく、香りの 複雑性を持った非常にエレガントなタイプのワインだと 思いました。 次の赤ワインは、最近非常に評価の高いこのワインです。 バッカロッサ2006 これはネーロ・ブオーノなどという名前のラツィオの土着品種を アヴァンギャルドともいえるような醸造でインターナショナル 路線のワインに仕上げたポッジョ・レ・ヴォルピ社の最高ワイン! グラスに注いだときのどす黒いまでの凝縮感が実に印象的で 45度に傾けたグラスのほぼ前面にわたって黒(ネーロ)が 暗い闇を落としています。 真っ黒黒助と呼びたいくらい(^^;) 香りの描写を参加者の皆さんに募ったところ 「とんかつソース!・・・・・・すいません」 と言われました(^^;) 日本人が描写すると「とんかつソース」になる表現は、一般的な ワインの言葉で表すと「キャラメル、煮詰めた果実や野菜 スパイス」というような表現になるでしょうか。 スパイスは丁子やクミン、そしてバニラやカカオ、はたまた ジャコウの香りも感じられて、これは偉大なレベルのワイン の香りを持った優れたワインという気がします。 口の中での香りも絢爛で、枯葉や中国茶、黒糖の香りも感じ ます。 一般的ないわゆる高貴な品種と違うところは、ふくよかな アルコール感に拮抗するような凝縮した苦味があることで しょうか。 それとコレといった特徴的なフルーツの香りが前面に出て おらず、バリックでの熟成香が強く出ています。 超マイナーブドウの特徴の一つでもありますし、ひとつの ユニークな個性でもあるように思います。 まだまだ全体のボディ、ポテンシャルからするとすぐに 飲むのは惜しいワインです。 へえ!こんな面白いワインが、しかもインターナショナルな 感覚をしっかりと持った田舎ブドウのワインがあるんだ! としみじみと楽しみたい人には是非オススメのワイン(^^) 価格は、やはり初めて飲む人への「お試しプライス」と 言ったところでしょうか、このレベルから言うと滅茶苦茶に 安いと思います。 ![]() 全5本のワインをテイスティングして、会は料理とワインの相性タイムへ! 今回は、ローマ臓物料理の華 コーダ・アッラ・ヴァッチナーラを 頂きました。 コーダは、尻尾を意味しますから料理用語ではテールですね。 音楽用語にもありますよね。 ヴァッチナーラは「肉屋」とか「なめし皮職人」を指しますが いわば「屠殺業者」のこと。 ローマは法王、そして枢機卿などを輩出した貴族の街でもあり ますから、肉は彼らが食べ、クイント・クアルトと言われる 「4分の5番目の部位」すなわち臓物は一般庶民が食べました。 ローマほど臓物料理が豊かな場所はないと言われるほどで テスタッチョなどの元屠殺場ゾーンに行くと、そういう トラットリアが並んでいます。 ![]() ゼラチン質たっぷりのその肉は、ぶつ切りのセロリを加えて 2~3時間煮詰めて柔らかくして、、最後にココアを入れて コクを出して出来上がり。 このカカオの苦味の利いた味わいとネットリとした触感が 特徴です。 なので、ここには白ワインの出る幕はない!!完全に料理の 力強さに負ける!と思っていたのですが、非常に意外な ことに気づきました。 カンポ・ヴェッキオのふくよかなアルコール感としっかりと した酸がネットリコッテリとしたコーダの味わいを爽やかに してくれるんです。 口の中で混ぜ合わせるとやはり非常に弱くて、パワフルな 煮込み料理に駆逐されてしまいますが、料理を飲み込んだ あとにカンポ・ヴェッキオを飲めば、口の中をさっぱりと 流してくれる力がこのワインにはあるんですね。 僕は通常、口の中でソースを合わせるような感覚で料理と ワインを混ぜ合わせてその両者の反応の出方を見るの ですが、やはり二つの赤ワインには抜群の反応を示して いました。 プティ・ヴェルドーには、黒い果実の香りと酸が料理に 深みを与えつつ、さっぱりとさせる力が出ていました。 ネーロ・ブオーノに至っては、バニラやカカオなどの 甘みとスパイシーさで更に濃く味付けをするような そんな感覚が楽しめました。 ボディーの強いネーロ・ブオーノ(バッカロッサ)の 方が料理のしっかりとした味わいに「重なり合う」 、そして同時に「口の中をさっぱりさせ」「料理 単体よりも深い余韻を生む」 そんな素敵な相性を楽しめました。 「ならば、他のトスカーナワインとかピエモンテ ワインでは合わないのか?」 という方もいらっしゃるでしょうが、全くそんなことは ないでしょう。 酸とタンニンがしっかりしている(=料理のコッテリ した要素をさっぱりさせる) スパイシーで複雑な風味がある(=料理の香りに深み を生む) そんな要素があればどんなワインだって、必ずしっくりと 来るはずです。 とはいえ、ローマの典型的な料理ですもの、ローマの ワインといっしょに頂くのが、一つの作法と言うもの です(^^) ![]() [ラツィオ州のワイン]カテゴリの最新記事
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