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五輪では日本勢の不甲斐ない戦いが続いておりますが、五輪のおかげで毎日ふんだんにイタリアの風景がTVで流れ、私としては大変満足しております。
昨日もNHKBSでローマ帝国の歴史を辿った番組が放映され、その中でナポリのポンペイ遺跡を取材したものがあり、懐かしく見ると共に、おさる時代の思い出が甦ってきました。 あれは確かイタリアに渡って2年目の夏休みでした。おさる親子は夏休みを利用してナポリまで旅行をしました。ナポリの説明はここでする必要もありますまい、なにせ「ナポリを見て死ね」という言葉があるくらい美しい街ですので。 そのナポリの近郊に、ローマ帝国時代の遺跡、ポンペイの町があります。ここはすぐ近くのヴェスヴィオ火山の突然の噴火により、住民も一緒に一瞬にして町全体が溶岩に飲み込まれた悲劇の町です。しかし、そのおかげで発掘されるまで町は破壊を免れ、町並みがきれいそっくり再現されている、ナポリ観光の目玉のような場所です。おさる親子は当然のようにここを目指しました。 イタリアの夏は日本同様非常に暑いです。おさる親子はその暑い夏の、これまたお日様が一番高く上って暑い真昼間にポンペイに到着しました。おさる父と母は生まれてはじめて見るポンペイの町並みに興奮を隠せない様子で、どんどん町の中に入っていきます。その頃おさる7歳、妹4歳。 いや、とにかく暑いのなんの!町を走る道路は大きな石がいくつもはめ込んであるのですが、これが太陽の熱を吸収して暑い!しかもでこぼこして子供にはすごく歩きづらく、しばらくすると足の裏が痛くなってくるのです。 町に入って小一時間でおさる妹がむずかり始めました。なにせまだ幼稚園児、ポンペイの廃墟なんか面白いはずがありません。大人にとっては、「ここは昔誰それの宮殿だった、別荘だった、飲食店だった」というのは面白いかもしれませんが、子供にはみ~んな同じに見えます。まあ基本的には壮大な廃墟ですから、何か動くものがあるわけでもないので、小学生くらいまでの子供には殆ど面白くない場所です。 子供にはちっとも面白くない場所ですが、大人は面白いらしく、どんどん先に行ってしまいます。おさると妹はどんどん遅れていきます。ペットボトルなどない時代、水の補給は所々にある水のみ場に頼るしかなく、しかもこれが少ない! じりじり照りつける太陽、さっさと先へ行ってしまう親。足はどんどん痛くなってくるし、おさるはこんな所で迷子になったら一大事と妹の手を引っ張って必死に歩きました。しまいには妹はもう歩けないとベソをかき始めました・・・ それを見た父親が、「おさる、妹をおぶってやりなさい!」とのたまいました。ええっ、こんなに暑いのに妹なんて背中にしょったら倒れてしまう!と拒否しようとしましたが、昭和ヒトケタ世代のコワイ父親の命令には逆らえません。泣く泣く妹を背負いました。 それから一体何時間ポンペイの町をさ迷ったのか、おさるは覚えていません。「雪の八甲田山」では兵隊さんが寒さに倒れていきましたが、「夏のポンペイ」ではあまりの暑さに、おさるが背嚢の替わりに妹をしょって遭難するかと思いました・・・ 結局夕暮れ近くになって、ポンペイの町見学はなんとか無事に終わりました。あの石畳の道路はこれから何百年もそのままでしょうが、大人になった今でも私はちょっと苦手です。これからポンペイ見学をされる方は、ペットボトルと厚底の靴のご用意を忘れずに! ★さらにおさる親子がナポリのピザ屋でしでかした失敗談は「イタリア漫遊記・1」のVol.7でご覧くださいませ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年02月13日 19時53分49秒
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