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2004/08/27
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このたびは、前後編になってしまって、大変申し訳ないです。
しかも、写真なしの文字ばっか。
でも、調べてまとめている本人は、けっこう楽しんでいるので、
ここをお読みいただくみなさんにも、
ちょっとは興味を持っていただけるとうれしいです。

さて、昨日は不思議の島・マダガスカルの成り立ちをまとめ、
そこから、なぜマダガスカルにはいろんな石が多いのか、という疑問を解決すべく、
プルーム・テクトニクスという、考え方をご紹介しました。

そしてキーワードは

マダガスカルは大陸分裂の

ひび割れの真ん中にあったです。


さて、昨日の続きはプルームテクトニクスから始まります。

地球の中心部分、卵の黄身にあたるところは
未だ熱く、マントルはそこであたためられて軽くなり、
地表へと昇ってきます。
そして地表(地殻の下ですが)で熱を放出し、冷えて重くなると地下深くへ沈んでいきます。

つまり、マントルは核→地表→核……というように
ぐるぐる回っているわけです。
これがマントルの対流(プルーム)です。

私たちの住む陸地が乗っかったプレートは、
このマントルの流れに乗っかっていて、マントルの動きによって移動します。
マントルが下からわき上がってくるところでは、
押し流されてプレート同士は離れ、
マントルが下に沈み込むところでは
沈み込むマントルに乗っかったプレートが別のプレートの下に潜り込み、
上になったプレートの端を押し上げて
巨大な山脈を作り上げます。(ヒマラヤ山脈がその例です)

こうやってあっちこっちとふらふら流されていた陸地が一ヶ所に集まると……
そうです。超大陸の誕生です。
見方を変えると、超大陸は、マントルが沈み込む場所の集合ということになります。

沈み込んだマントルは、地下深くで固まりを作ります。
この固まりは他のマントルに比べて冷たく重いので、
ある程度の大きさになると核へ向けて沈んでいきます。
これを「スーパーコールドプルーム」といいます。

沈み込むものがあれば、その反動でのぼってくるものもあります。
また、超大陸の部分では、陸地が地表を覆っているため、
他の部分よりもマントルの熱が発散されにくくなり、
その部分は核の近くまであたためられることになります。

その中を地球の奥深くから昇ってくる熱い固まり……
「スーパーホットプルーム」です。

こうして、マントルが沈み込む場所だった大陸の下は、
一転マントルのわき出す場所になり、
大陸は下から持ち上げられ、引き延ばされ、
分裂していくのです。


そう! 大陸分裂のひび割れの真ん中にあった

マダガスカルは、

このスーパーホットプルームの真上!

昨日、「ひび割れの真ん中にあったのに、
(マダガスカルは)良く浮いていられたものですね」
という感想をいただいたのですが、
大陸が割れるといっても、下からマントルが吹き出してくる場所ですから、
沈み込むことはなかったわけです。

ちょっと専門用語で言いますと、
陸地が集まって超大陸ができ、また分裂して……というサイクルを
「ウィルソン・サイクル」、
パンゲア大陸を分裂させ、マダガスカルを誕生させたスーパーホットプルームを
「大西洋ホットプルーム」と言うそうです。


さて、どんどん核心に接近したいと思います。

マントルとマグマ、どう違うかと言いますと、
マントルの溶けたものがマグマ、
そう考えていただければだいたい間違いはないようです。
ここで、何度も繰り返してしまいますが、
水晶誕生のメカニズムはといいますと、
地下から昇ってきたマグマが冷えるときに、中に気泡などの空洞ができ、
そこを二酸化珪素を含む熱水が満たし、さらに冷えて圧力が下がっていく課程で
水晶の結晶ができてくるというものです。

このマグマ、マントルが沈み込むときに
プレートとプレートがこすれあってその摩擦でマントルが溶けてできることもあるわけですが、
(日本の火山はそれですね)

マントルが芯まで温められて昇ってくる
スーパープルームともなれば、
とうぜん、マグマだってできるでしょう。
大陸が分裂するほどの地殻変動ですから
言ってみれば

水晶が誕生する環境整いまくり

ではないでしょうか!

しかも!
ただのマントルの上昇ではなく、スーパーホットプルームならば、
地球の核付近の、地殻にはあまりないような物質が含まれている可能性もあるのです。


なるほど!

確証とまではいきませんが、
マダガスカルに水晶や鉱物が多い理由
変わった石が多い理由は、
なんとなくここらへんにあるような気がします。


なんだかちょっとすっきりしました!


……が。

ふふふふふふふ……。

おもしろいことがもうひとつ!

現在の陸地には、ヒマラヤ山脈のように、
元海底だったところが隆起したところがある一方、
ずーっと昔から陸地のまんまで安定しているところがあります。
南アメリカのブラジルのあたりもそうです。
そういうところは大陸塊(クラトン)とか呼ばれているのですが、
水晶の誕生の大きな原因に地殻変動を考えたとき、
安定している部分では説明が難しくなります。
しかし、ブラジルのミナスジェライス州といえば、
水晶や宝石の一大産地。

どう説明したものかと頭をひねっておりましたらば、
このたびめでたく解決!
マダガスカルを誕生させた「大西洋ホットプルーム」の範囲は、
アフリカ南部を横断し、南アメリカ大陸沿岸部にも達していたらしいのです。

これで、南アフリカのへんてこりん水晶誕生の謎も、
ブラジルの多彩な水晶誕生の謎も説明できるかもです!


さらに!!

考えてみると、ヒマラヤ山脈もウラル山脈も、
プレート同士のぶつかり合いで誕生した山脈です。
つまり、これをプルームテクトニクスで考えれば、
プルームが沈み込む「スーパーコールドプルーム」由来の水晶と言えないでしょうか。

対して、かのマダガスカル、そして先ほど書いたブラジルや南アメリカは、
マントルの上昇部分……スーパーホットプルーム由来の水晶ということになります。

ちょっと個人的な印象も入ってしまうのですが、
石ひとつひとつの性格ではなく、産地としての傾向をみた場合、
前者のヒマラヤやウラルの水晶は「神秘的」、
後者のブラジルや南アフリカは「明るい」「素朴」という
イメージで語られることが多くはないでしょうか。

いささか強引ですが、
「神秘的」→「静」「暗」のイメージ
「明るい」「素朴」→「動」、開放的な「明」のイメージ
……になるのでは……?

ただ、残念なことに私が調べた限り、
透明水晶の一大産地であるアメリカのアーカンソーと
スーパーホットプルームの関係が見えてきません。

ひとつだけ、約40億年前に地球から月が誕生するきっかけとなった
隕石の衝突(ジャイアント・インパクト)の反動で巨大な高地ができ、
この高地も他の超大陸と同じようにマントルの上昇によって分裂。
このときの分裂のきっかけとなった「スーパーホットプルーム」の範囲を見ると、
今の主要な水晶の産地がほとんど含まれている(アーカンソーも)。
……という説があります。

これをとるならば、透明で開放的なイメージのアーカンソー産水晶も、
スーパーホットプルーム由来の水晶と考えられます。

これって偶然?


石は、大地から生まれる、大地の結晶。
その石が、母胎である大地の誕生の環境に
影響されないはずがないはずがありません!

たとえ、水晶の誕生そのものが、
ずっと後の時代になってからだとしても、
水晶をはぐくんだ大地、その場所の誕生の
歴史は、厳然とそこにあるはずです。

ならば、きっと石の持つパワーも
スーパーホットブルーム由来なのか、
スーパーコールドプルーム由来なのかで
変わってくるはず!

その違いが知りたい!

……が、私は石のパワーに撮とっても鈍い……

これをご覧になった、

石のパワーに鋭いみなさん、

情報お待ちしております!


☆補足
ちょっとあわててしまいました。
水晶の産地を由来別に分類すると、以下の感じになりそうです。

■スーパーホットプルーム由来の水晶の産地
 ブラジル
 マダガスカル
 南アフリカ
 ○中国南部
 ○シベリア南部
 ○オーストラリア東部
 (アメリカアーカンソー州)
 (オーストラリア西部)
 ※○印は、7~6億年前のゴンドワナ大陸分裂時の
  太平洋スーパーブルームの範囲。
  (  )はジャイアント・インパクト時にできた高地が  分裂したときのスーパープルームに含まれると思われる産地

■スーパーコールドプルーム由来の水晶の産地
 ロシア・ウラル
 ヒマラヤ
 パキスタン
 アルプス

あくまでも推測ですが、こんな感じです。
いかがでしょう?

でもこれでいくと、同じレムリアンでも
ブラジルのレムリアンは「ホット」
ウラルのロシレムは「コールド」なんですよねえ……。
ひいき目でしょうか、やはり印象は違うように思うのですが。





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Last updated  2004/09/01 02:08:25 PM
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フォレスト@ Re:”メタ”からアゼツを考える。(09/28) アゼツライトは水晶にもならないただの石…
スターブラリー@ Re:名前を使う、意味を使う(10/08) この写真に掲載されている水晶は、販売予…
spiranthes@ Re:Vサイン!(11/15) 55度24分のベローダ(Belowda)式双晶かもし…
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