テーマ:天然石のある生活(460)
カテゴリ:石について考える(調べもの中心)
長くなっちゃうので分けてみました。
「水晶世界の右と左」は、水晶に右と左があって、本当は半々なのに、 右水晶ばっかりの人工水晶によっていろいろバランスが崩れているかも、 というお話でした。 さも知っているように書きましたが、 それはウソです。 たぶん私はほとんど見分けられません。 なぜなら、見分けやすい面を持った水晶はそんなに多くなく、 中には右と左が混ざっちゃっているのもあるからです。 混ざっている……というのを専門用語で言うと、 双晶といいます。 双晶とは呼んで字の如く双子水晶のことです。 つまり外観は一個に見えても、実は、2個(かそれ以上)の水晶が組み合わさっているものです。 有名なところでは名前にも「双晶」が入っている、 「日本式双晶」があります。 板状の水晶が特定の角度(84°33′)でハート形に組み合わさった水晶です。 これは、見るからに二つの水晶が接合していることがわかるもので、「接合双晶」と呼ばれます。 ところが、一見まるきりひとつの水晶なのに、 実は双子……というややこしい石もあります。 よく聞く名前では、「ドフィーネ式双晶」と「ブラジル式双晶」です。 ドフィーネ式双晶は右水晶と右水晶、あるいは左水晶と左水晶という、同じ向きの水晶が互いに貫入した双晶で、 ブラジル式双晶は右と左という向きの違う水晶から成っています。 二つの双晶は、図で色がつけてある「x面」の現れ方に特徴があるので、 見分けることができるそうです。 そして、おもしろいことにドフィーネ式双晶よりもブラジル式双晶の方が珍しく、 さらにスモーキーにはほとんどブラジル式双晶が現れないのだというのです。 ブラジル式双晶のスモーキーは珍しい。 このお話も人工水晶が右水晶ばかりというお話をして下さった石屋さんからお聞きしました。 「探して欲しいと言われたんで、探したんだけどね」と その珍しいブラジル式双晶のスモーキーを見せて下さったのですが…… あれ? 見覚えがある。 水晶の右左とか、ブラジル式だとかドフィーネだとか、 あまり見分ける自信がないので、 普段はほとんど気にしないのですが、 ひとつの柱面の端に小さな面が現れるその特徴的な表情には見覚えがありました。 そこで家からその石を持っていって、見ていただいたところ…… 大当たり♪ うちにもスモーキーのブラジル式双晶がありました♪ 「珍しい」と聞くだけでうれしくなっちゃう単純な私……。 それは、この石です。 小ぶりなスイス産アルプス水晶で 濃すぎず薄すぎずの絶妙な濃さのスモーキー。 右側の画像で、やや黄色っぽくマットに写っている面がおわかりいただけるでしょうか。 石屋さんいわく、 「区別していない店が多いけれど、いざ探すとなると珍しいよ。 本当はけっこう高いんだ」とのこと。 機会があったら探してみるのも面白いかもしれません。 ……今気が付きましたが、 このファセットが5つのマラウィの水晶もブラジル式双晶かも……? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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