カテゴリ:南アメリカ産
今期のツーソン戦利品第2弾です。 コロンビア産のエピドート入り水晶なのだそうです。 最近新たに見つかった水晶で、「Dream Quartz」と名前が付けられているのだとか……。 水晶の中に、繊細な緑のインクルージョンが揺らめきたなびくさまは幻想的で、 まるで、おぼろげな月光を閉じこめているよう。 今回のツーソンショーで出回ったらしく、何店かで見かけました。 見たり、聞いたり、説明書をいただいた情報を総合してみます。 実は、このコロンビア産の水晶、よーく見るといくつかのタイプがあります。 大きく分けると、一つは、写真のようにペール・グリーンのもやもやが 結晶の中心部から内包されているもの。 もうひとつはやや白濁し、 緑色は比較的表層部分にファントム状に入っているもの。 あるお店で聞いた話によると、前者の方、 つまり内部からもやもやした緑がはいっているものが 「ドリーム・クォーツ」なのだそうです。 ところが。 この「ドリーム・クォーツ」にも、いくつかタイプがあるような……。 ひとつは、写真の石のようにやや緑がかったもの。 そしてもうひとつは、「やや青みがかったもの」 非常に微妙な違いなのですが、確かに違う。 エピドート入りの「緑水晶」というよりは、「青水晶」……? そこでハタと思い出しました。 ……コロンビアのほんのり緑な「青水晶」があるじゃないか! それはこちら しかし、コレはアクチノライト入りだったはず。 写真の石のもやもやぐあいは、エピドートよりもアクチノと言われた方がしっくりします。 しかし、同じ産地から採れたという、 「芝生のように生えそろったエピドートの上に乗っかった水晶」を 見せてもらったことでもあるし、 同じ色の水晶でエピドートが食い込んでいるのもあるので、 内包物はエピドートでいいはず……。 でも、なんだか納得できません。 写真の石はご覧の通り揺らめくような内包物ですが、 エピドートが食い込んでいるのは、内包物が直線的です。 しかも…… こちらの写真は、石の裏側ですが、 そこに見られるあばたのようなへこみは、 クロシドライトのような、石綿系の鉱物が抜けた痕に酷似しているのです。 これでもほんとうにエピドートのインクルージョンなんだろうか。 コロンビアの、淡い緑の水晶について整理するとこうなります。 (1)緑色は比較的表面でファントム(ドリーム・クォーツではないらしい) (2)緑色が中心部分から内包。内包物はエピドートとされている。 ふんわりぼやけた感じ。(写真の石/ドリーム・クォーツ) (3)2と似ているが、色合いがやや青っぽい。 特に青い部分が粒状にファントムを形成しているものもあり。 (ドリーム・クォーツ) (4)色合いは2と同じ感じだが、内包物の感じが極細でも直線的。 エピドートが食い込んでいる。(ドリーム・クォーツ) (5)見た目は2とそっくりだが、内包物がアクチノライトとされている。 一見同じようでも、こんなにあるとは。 謎は深まるばかり。 いや……そもそもドリーム・クォーツって、 ハーキマー・ダイヤモンドのことじゃなかったか。 深まるどころか、謎は振り出しに戻る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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