カテゴリ:記憶の引き出し
私の住む地域でも、昨日の暖かい一日で、桜が開花したようです。
まだまだ満開とはいきませんが、春らしい雰囲気をかもしだしてくれています。 天気の良い日にはゆっくりと花見でも、と、思うのですが、わたしの業界は、3~4月は、忙しい時期で、とてもそんな余裕はありません。せいぜい、通勤途中の桜並木を眺めるくらいです。 桜の季節になると、思い出すことがあります。 それは、数年前のことでした。 その年もいつもの年と同じように、落ち着いて、桜を見る時間も気持ちも持てないままでした。そして、とうとう、2回目の雨が降り、桜の花は終わってしまいました。 雨上がりの日曜日の朝、私は仕事で少し遠くに行くことになっていました。会社の車を運転して。だんだん良くなっていく天気を眺めながら、世間は日曜で休みなことや、桜の花が散ってしまった事を憂いながらハンドルを握っていました。 そんな時でした。私の走っていくほうから、なにやら、白っぽい物がひらひらと飛んでくるでは無いですか。桜の花びらです。しかし、ここは高速道路の上。近くに桜の木などは有りません。たとえあったとしても、昨日の雨で散ってしまっているはず。 不思議だなあと思いながらも、その、桜舞う道路をスピードを上げて走っていくと、前方に、花びらを撒き散らしながら走っている一台の1BOXカーがいるのです。 その車の天井部には、昨日の雨で散ってしまった花びらが、沢山ついておりました。桜の木の下に駐車していたのでしょう。それが風にあおられ、乾いて、はがれて、飛んでいたのです。それは、走る花ふぶきです。 私は、わざわざその車の後ろを走り、数日遅れの桜を楽しみました。これはきっと、神様(?)がくれた、ほんの少しだけのご褒美かもしれません。憂鬱な気分も、少しだけ晴れるようでした。 今年は、どんな桜の年になるのでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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