水仙の花言葉は死~水仙の花言葉は死~ 【京都殺人地図】所収京都府警の検視官・江夏冬子は事件の一報を受け現場へと急行した 被害者は、松原雪子 昼間は会社勤め、夜は華道を教えていた 第一発見者は、隣に住む石野洋子 偶然にも洋子は、冬子の高校時代からの友人だった 死体を動かした形跡があることや、現場に不審な点が多いこともあり、殺人と断定される 容疑者もすぐに浮かび上がった 雪子と不仲だった同じ流派の華道師範・牧優子 それから、もう一人は雪子の恋人で花のカメラマンの佐伯秀夫 その後の調べで、事件当日、生徒が花の教室を休んでいたことが判明した 生徒が夜8時までに来ない場合、雪子は生徒用の花材を自分で活け、床の間に飾ることにしていたという 殺人現場には、水仙が生けられていた ということは、8時すぎに雪子自身が花を生け、その後死亡したことになる 雪子の家のゴミ箱から、生けられた水仙の切り屑と一緒に優子の花鋏のかぶせが見つかり、優子の容疑が濃くなるが、佐伯も雪子に借金があることが判明する 動機がある二人だが、8時すぎの優子と佐伯にはそれぞれ完璧なアリバイがあった 事件の進展を見せないなか、冬子は現場に生けられた水仙のあることに気づいたのであった… ~感想~ 華道を嗜む著者ならではのトリック きっと、水仙の花を生けている時にこの作品の構想が出来たのでは?と、勝手に想像してみた という事で、私的評価は星【★★★☆☆】3つです ちなみに水仙の花言葉は、自惚れ(うぬぼれ) 可愛らしい花なんだけれど… ◆この原作のドラマ化作品◆ 平成2年4月23日放送 山村美紗京都サスペンス 『水仙の花言葉は死・洛中洛外花ごよみ』 出演/江夏冬子…眞野あずさ/橋本警部…高橋長英/松原雪子…島村佳江/佐伯秀夫…井上倫宏/石野洋子…山村紅葉/牧優子…真木洋子/渡辺警部補…伊庭剛 ほか …ドラマの内容 北野天満宮の梅花祭を訪れていた江夏冬子と高校時代からの友人・石野洋子 そこで、冬子は二人の女性が言い争っているのを目撃する 洋子の話では、一人の女性は隣の家に住む華道の先生の松原雪子だという 一月後、京都府警で検視官として勤務する冬子は事件の一報を受け、現場へと向かう そこで、被害者を見て冬子は驚く その女性は梅花祭で見かけた雪子であった 不審な点が多いことから殺人と断定するが、死亡推定時刻には容疑者たちには完璧なアリバイがあった 冬子は、現場に活けられていた水仙の花を手掛かりに事件の核心に迫っていく… …ドラマの感想 ほぼ原作どおりの作品に仕上がっていて、水仙のトリックは、活字で読むより映像で見た方がより判りやすかった 原作が30ページ足らずの作品なので、あまり本筋とは関係のないエピソードが盛り込まれているが、それはそれで… 主演の眞野あずさ氏、原作の江夏冬子像のイメージにピッタリなのだが、ドラマの中で掛けている眼鏡のレンズが大きすぎ(顔半分がレンズ!) ◆この原作のドラマ化作品・2◆ 平成17年10月24日放送 月曜ミステリー劇場 山村美紗サスペンス 『京都華道家元殺人事件・水仙だけが犯人を知っている!?・古都を疾走する狩矢警部!!・行く手を阻む名家骨肉の争い…匿された真実は驚愕の結末へ』 出演/狩矢荘助…船越英一郎/華形亜希子…藤真利子/皆川悠子…雛形あきこ/狩矢澄江…山村紅葉/狩矢和美…前田亜季/滝島信也…榊英雄/本庄明正…春田純一/佐久間朗…渋谷天外/橋口大吾…石田太郎/華形春香…柊瑠美/華形真梨子…石井苗子/華形昭一…大橋吾郎/華形幹三郎…西沢利明 ほか …ドラマの感想 原作を全く無視した作品 肝心の水仙のトリックも、だいぶ改変されていた 何よりも、山村美紗作品では欠かせない名脇役的存在の狩矢警部を、本作品では主人公に据えたのだが、大の甘党の設定とか、熱血漢とか、従来の狩矢像とはかけ離れていて、かなりの違和感を覚えた |