骨の証言~骨の証言~ 【京都殺人地図】所収京都府警に勤務する検視官の江夏冬子は、ある新聞記事に注目した “私に代わって、サイパンへ行ってくださる方はいませんか?” 太平洋戦争中、サイパンで戦死した息子の遺骨や遺品を探してきてほしいというものだった 女子大生の小林麻木子も、サイパン行きの新聞記事に目をとめていた 旅費や滞在費を負担してくれるという、ただでサイパンへ行けるというのが魅力的だった 麻木子は記事を投稿した宮川健作と連絡をとり、サイパンへと旅立つ サイパンへと着くと麻木子は遊びに惚けていた しかし、さすがに悪い気がして最後の一日だけ遺骨・遺品探しをした 最後を遂げたであろう地を彷徨っていると、麻木子は一人の日本人男性と出逢う その男は上羽文彦といって、彼も企業の社長の叔父に頼まれて、遺骨探しに来たと言う 二人は、日本軍が立てこもった洞窟へと向かう そこには、白骨が散乱していたのだった… 冬子は、橋口刑事から「30年近く経った骨から血液型を調べられるか」と相談を受ける 橋口の近所に住む宮川健作という老人の頼みで、サイパンで戦死した息子の遺骨を手に入れたので調べたいという 冬子は以前読んだ新聞記事の一件だと思い興味を持つ 調べた結果、骨の血液型は宮川老人の息子とは一致しなかった 程なくして宮川老人が自宅庭で焼死体となって発見される 検死の結果、殺人と断定され、その後の調べで、部屋からお骨や遺品を入れた袋だけが無くなっていることが判明する 冬子と橋口は、サイパンへ遺骨探しに行った女子大生に会いにいくが… ~感想~ この作品、主人公の女検視官と犯人は会わないまま終わる 犯人の告白シーンも無い この人が犯人であろう…と、証拠固めをした時点で終わるからだ これって、なんか斬新な終わり方 犯人も被害者もそうだが、欲を出してはいけないってことなんだね という事で、私的評価は星【★★★★☆】4つです ◆この原作のドラマ化作品◆ 平成2年12月17日放送 現代推理サスペンス 『骨の証言・代理旅行が死の始まり』 出演/江夏冬子…眞野あずさ/橋本警部…高橋長英/キム(昭一の妻)…宮下順子/宮川健作…浜村純/石野洋子…山村紅葉/上羽文彦…山口仁/小林麻木子…立原美穂/宮川昭一…麻生敬 ほか …ドラマの内容 小林麻木子は、“韓国へ旅立ったまま消息を絶った報道カメラマンの息子を探してください”という新聞記事に目をとめた 依頼人が旅費を全負担してくれるという ただで韓国に行けると、軽い気持ちで麻木子は名乗り出た 検視官の江夏冬子は、橋本警部から「骨から血液型が判るか」と相談を受ける 橋本の顔見知りの老人・宮川が、失踪した息子がお骨となって帰ってきたという 骨を調べた結果、血液型は宮川老人の息子とは一致しなかった その直後、宮川老人が自宅庭で焼死体となって発見される 検死の結果、殺人と断定され、部屋からはお骨が入った青磁の壺だけが無くなっていた… 犯人の目的は一体? …ドラマの感想 サイパンから韓国へと設定が変えられ、短編小説をドラマ化するにあたり、小説では登場しない主要人物(昭一の妻・キム)も出てくるが、ドラマの底辺には原作の基本がしっかりしていて、うまく脚色されている 韓国人妻を演じた宮下順子氏の辿々しい日本語は見事!女優魂を見せつけられた気がした この作品でも、眞野あずさ氏が掛けている眼鏡のレンズは相変わらず大きくて、すごく気になる… ジャンル別一覧
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