消えた配偶者~消えた配偶者~ 【猫を抱いた死体】所収石原明子は、亡くなった父の跡を継いで、葬儀屋社長を務めている 自宅で家事をこなしていると、高校時代に家庭教師としてお世話になった角田麻紀子から電話がかかってきた なんでも、大学の助教授である夫の雄ニには雅美という愛人がいて、雅美に子供が出来たので離婚を迫られていて、今夜、その雅美と2人きりで会うという はじめは気落ちしていた麻紀子であったが、明子の励ましにより、最後には離婚は絶対に応じないと言い切るのであった 翌朝、明子は、葬儀社社員の秋山からの麻紀子が亡くなったという知らせの電話で起きた 急いで角田家に向かうと、明子は現場にいた橋口警部補に昨日麻紀子からの電話で、悩みを打ち明けられていたことを伝える 麻紀子の葬儀は石原葬儀社で取り仕切ることになったが、喪主である夫の雄ニは事件当夜から行方不明であることを知る また愛人の雅美という人物も、警察の懸命の捜査にも関わらず、いまだ所在は掴めていない 事件は夫と愛人が共謀して、妻を殺したという簡単な図式のものかと思っていたが、行方不明であった雄ニの死体が長岡京の竹やぶの中から発見されてしまう 一連の犯行は愛人のホステス・雅美によるものなのか? 明子と恋人の黒沢が事件の真相を追うと、意外な事実を突き止めるのであった… ~感想~ 犯人が仕掛けた完全と思えた犯罪のトリックの数々の小技に、そこまでやるか?少々無理があるのでは?と思ってしまった それが執念だと言ってしまえばそれまでだが、そこまでして犯行を計画した割には、事件を解く切っ掛けとなる単純なミスを犯したり…と、どうもそこら辺の犯人の心情がわからない 犯行動機は同情すべき余地もあるだけに、追いつめられた犯人の心情と、冷静沈着な犯行の緻密さがどうも噛みあっておらず、読んでいてイマイチだった という事で、私的評価は星【★★☆☆☆】2つです ◆この原作のドラマ化作品◆ 平成6年7月15日放送 金曜エンタテイメント・夏の特選サスペンス 『赤い霊柩車3~消えた配偶者・京都疑惑の夜、謎の連続殺人!美人妻を追いつめた秘密の愛とは?』 出演/石原明子…片平なぎさ/黒沢春彦…神田正輝/狩矢警部…若林豪/秋山隆男…大村崑/角田麻由子…岡まゆみ/中村雅美…北原佐和子/山口喜美子…安永亜衣/内田良恵…山村紅葉/橋口警部補…斉藤隆治/捜査一課長…久富惟晴/角田雄ニ…刈谷信行 ほか …ドラマの内容 石原葬儀社の社長を務める明子は、仕切っていた葬儀の最中に大学時代に家庭教師としてお世話になった角田麻由子と出会う 久しぶりの再会に喜ぶ2人だったが、麻由子はなぜか浮かない表情をしている 話によると、麻由子の夫である雄二には中村雅美という愛人がいて、雅美は雄ニの子を妊娠したので離婚を迫られているという 葬儀の最中でもあり、その場は別れたのだが、同夜、明子の自宅に麻由子から電話が入る これから家に雅美が来て、話をつけるという はじめは沈んでいた麻由子であったが、明子の励ましもあり、絶対離婚はしないと決心したようだった が、明子はなぜか気が気でならなかった 翌日、会社に出勤すると、秋山から連絡が入る 角田麻由子が自宅で亡くなったという 明子は慌てて角田家に出向き、現場にいた狩矢警部に昨夜の麻由子からの電話の件を伝え、犯人は愛人の雅美に違いないと広言する 麻由子の葬儀は石原葬儀社で取り仕切ることになった だが、肝心の喪主である夫の雄ニが事件当夜から行方不明になっていることが判る 夫と愛人が、麻由子を殺害したのだろうか? 疑惑が2人に向けられるなか、雅美が警察に出頭してきた 確かに事件当夜、麻由子とは会ったが、離婚届に判を押してもらって帰ったので、自分は殺していないという その離婚届は雅美が翌日、役所に提出して受理されていた その話を狩矢から聞いた明子は、麻由子が『絶対別れない』といっていただけに信用できず、仕事で京都に訪れていた恋人の黒沢とともに事件解明に乗り出す …ドラマの感想 話の内容はほぼ原作に忠実 原作には出てこない被害者の妹が登場して物語のキーパーソン的役割を果たしているが、ドラマのなかに違和感なく溶け込んでいる 葬儀屋社員の大村崑氏、山村紅葉氏の両氏は、話の筋とは関係のない掛け合い漫才のような笑いを担当しているが、物語の雰囲気を壊すほどくどくなく、ドラマに程良いアクセントを与えていたように思う ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|