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「なぜ学ぼうとしない子どもが増えているのだろう」 「なぜニートと言われる働かない若者が増えているのだろう」 その心理的背景について著者の内田樹さんが え!そうなの? という視点をたくさん教えてくれる、驚くべき本です。 勉強したい気持ちをおさえて、努力してあえて勉強しないようにする。 意味がわからないことに対してストレスを感じない。 無知のままでいることに生きることに対する不安を感じずにいられる。 その原点は、小さいときに「労働主体」として家庭の手伝いをするのではなく、 お金を使うことを覚えて、「消費主体」として自らを位置付けるからだそうです。 そうすると、子どもには、教育も「等価交換」と同じように映ってしまいます。 「ひらがなを習うことに、どんな意味があるんですか?」 と聞く子どもは、買い物と同じように教育にも即時の見返りを求めるわけです。 しかし、教育に即時の見返りを求めることは不可能です。ですから、学校の先生は 説明ができない。著者は「答えなくて良い質問もある」と書いていますが もし自分が学校の先生だったら、立ち往生しちゃいますよ。 教室が不快と教育サービスの等価交換の場だなんて・・・。 家の中で優位にたつためには、誰が一番不快感を強く出すかに かかっているというこの本の主張には、驚きました。 実際、我が家で一番不快感を出すのは3歳の真貴ですし、家の中は 真貴の天下ですから・・・。 せめて、自分は家の中で不快感を出すべきではないですね。 そうして育った子どもが就職すると、労働に関しても「等価交換の場」だという 意識をもって会社に就職するそうです。 しかし、基本的に労働は等価交換ではありません。 なぜなら、労働が等価交換だとすれば、会社は存続しないからです。 仕事の中には、周りの人の不利益を防止する行動もあります。 著者は「雪かき仕事」と表現していますが、こういった仕事は 全く等価交換とはかけはなれたものです。でも、「雪かき仕事」も なければ会社も社会もまわらないのです。 仕事が等価交換だと思っている人、今の若者はなんでこんな考え方を するんだろうと思う管理職に、この本をお勧めします。 「えー、そうなの?!」と思うことがたくさん出てきますから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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